GPに首ったけですが、実は
2015年1月7日 日常 コメント (6)◆ 龍紀伝の予定も合わせて、何だか今回は早い?と思ったが、基本セット廃止に合わせるための変化なんだろうか。
今週末のGP静岡2015で忘れがちですが、もう来週には運命再編のプレリリースなんですね。
タルキール覇王譚がリミテッド的に、歴代環境の中でも屈指の面白さだったので、とても楽しみです。
そしてプレリリースといえば、私にとってはLSVのカードレビューを翻訳する季節でもある。
気合が入ります。
何だかんだでMTG翻訳は楽しいですからね。特にLSVのは。レクリエーションよろしくストレス解消とまではいきませんが、楽しいひと時です。
今週末のGP静岡2015で忘れがちですが、もう来週には運命再編のプレリリースなんですね。
タルキール覇王譚がリミテッド的に、歴代環境の中でも屈指の面白さだったので、とても楽しみです。
そしてプレリリースといえば、私にとってはLSVのカードレビューを翻訳する季節でもある。
気合が入ります。
何だかんだでMTG翻訳は楽しいですからね。特にLSVのは。レクリエーションよろしくストレス解消とまではいきませんが、楽しいひと時です。
◆ こういうパズル的な、詰将棋のような出題って楽しい。
最後にクイズだ。タルキール覇王譚のカードだけを使って、射手の胸壁で対戦相手に攻撃するには、どうしたらいいか?
正解は前記事、名無しさんのコメント
です。出題者のFrank Karstenがコメント欄で正解と言っていたので間違いありません。
1.《射手の胸壁/Archers’ Parapet》、《うねる塔甲羅/Meandering Towershell》のいる戦場で、《賢いなりすまし/Clever Impersonator》を唱えて、うねる塔甲羅をコピーする。
2.うねる塔甲羅をコピーした賢いなりすましで攻撃して、自身の能力で追放される。
3.次の戦闘で戦場に戻ってきた賢いなりすましを、射手の胸壁のコピーとして戦場に出す。
これで射手の胸壁アタックの完成だ!
もっともこれに関しては、釈然としない気持ちの人も多かったようで、厳密には攻撃してないのではとか色々とあったようです。まあでも、たまにこういう頭の体操があるといいですよね。
最後にクイズだ。タルキール覇王譚のカードだけを使って、射手の胸壁で対戦相手に攻撃するには、どうしたらいいか?
Archers’ Parapet / 射手の胸壁 (1)(緑)http://mtgwiki.com/wiki/%E5%B0%84%E6%89%8B%E3%81%AE%E8%83%B8%E5%A3%81/Archers%27_Parapet
クリーチャー - 壁(Wall)
防衛
(1)(黒),(T):各対戦相手はそれぞれ1点のライフを失う。
0/5
正解は前記事、名無しさんのコメント
《射手の胸壁》置いた状態で《うねる塔甲羅》をコピーした《賢いなりすまし》でアタック
です。出題者のFrank Karstenがコメント欄で正解と言っていたので間違いありません。
1.《射手の胸壁/Archers’ Parapet》、《うねる塔甲羅/Meandering Towershell》のいる戦場で、《賢いなりすまし/Clever Impersonator》を唱えて、うねる塔甲羅をコピーする。
2.うねる塔甲羅をコピーした賢いなりすましで攻撃して、自身の能力で追放される。
3.次の戦闘で戦場に戻ってきた賢いなりすましを、射手の胸壁のコピーとして戦場に出す。
これで射手の胸壁アタックの完成だ!
もっともこれに関しては、釈然としない気持ちの人も多かったようで、厳密には攻撃してないのではとか色々とあったようです。まあでも、たまにこういう頭の体操があるといいですよね。
◆ 【翻訳】フランクに考えよう タルキール覇王譚リミテッドの知って嬉しい相互作用
Frank Analysis - Sweet Interactions in Khans of Tarkir Limited
By Frank Karsten 2014年12月2日
http://www.channelfireball.com/articles/frank-analysis-sweet-interactions-in-khans-of-tarkir-limited/
緑黒
2ターン目に4/4を叩きつける以上に強い動きは果たしてあるだろうか?序盤の4/4トークンは対処しづらいし、序盤のダメージレースは完全にこっちのものになる。おまけにトークン単体で5ターンクロックだ。
《族樹の発動/Kin-Tree Invocation》が取れたら、《縁切られた先祖/Disowned Ancestor》、《射手の胸壁/Archers’ Parapet》、《朽ちゆくマストドン/Rotting Mastodon》といった高タフネスクリーチャーの評価を上げたい。族樹の発動が環境にあるというだけで、縁切られた先祖のようなカードは、他の色と比較して黒緑でこそ高評価になる。
ジェスカイ
実は私は、11マナのコンボなどに目がなくてね。《水渦/Waterwhirl》で毎ターン、《眼の管理人/Warden of the Eye》を戻し続けるとかどうだい?相手の地上巨大クリーチャーは管理人で止めて、水渦で飛行アタッカーと管理人をバウンスするんだ。それから管理人をまた出してもう一度水渦……とぐるぐる回していきたい。横で《隠道の神秘家/Mystic of the Hidden Way》が殴り続けてればその内ゲームも終わるだろうし。
あるいは《眼の管理人/Warden of the Eye》と《マルドゥの心臓貫き/Mardu Heart-Piercer》を戻し続けるというのというのはいかがかな?これなら11マナ2ダメージを好きなだけ繰り返せる計算だ。全くもって嬉しくはないにせよ、終盤息切れしているなら勝ちにつながるかもしれない。待てよ……《ジェスカイの隆盛/Jeskai Ascendancy》3枚と《爪鳴らしの神秘家/Rattleclaw Mystic》が4枚あれば無限に……ウッ頭が。
白緑
長久クリーチャーと+1/+1カウンターのシナジーは誰の目にも明らかだが、タルキール覇王譚のリミテッドにおいて一つだけ覚えておくべきことがある。それは、《龍鱗の加護/Dragonscale Boon》や《抵抗の妙技/Feat of Resistance》といった+1/+1カウンターを載せるカードの中で最強なのは《増え続ける成長/Incremental Growth》だということだ。
増え続ける成長でクリーチャーを3体強化して、《アブザンの鷹匠/Abzan Falconer》がそいつらを空に飛ばす。地上のブロッカーたちを尻目に一撃必殺奥義。マジック簡単。
赤白
あまり目にすることはないかもしれないけど、知っておいて損はしないこともある。《隠道の神秘家/Mystic of the Hidden Way》に《幽霊火の刃/Ghostfire Blade》がついて殴ってきていて、こちらは《打ち倒し/Bring Low》があるものの、神秘家のタフネスが4のせいで倒すことができない。そんなところに颯爽と《アラシンの上級歩哨/High Sentinels of Arashin》が駆けつけるんだ。
抵抗の妙技は相手のクリーチャーを対象に取れないが、上級歩哨の能力は相手も対象に取れるのだった。というわけで、+1/+1カウンターを置いてやれば、打ち倒しで倒すことができる。なべて世は事も無し。
スゥルタイ
どの氏族も探査を利用できるし、墓地にカードを落とす手段も備えているが、スゥルタイが一番探査を上手に使える。コンボと呼ぶにはあまりに直球すぎるけどね。スゥルタイには《スゥルタイの占い屋/Sultai Soothsayer》という素晴らしい探査お膳立て用のカードがあるし、そもそも探査呪文が最も多く存在する色だ。しかもたまに、アホみたいに巨大な《ラクシャーサの大臣/Rakshasa Vizier》とかまでついてくることすらある。
赤緑
《龍流派の双子/Dragon-Style Twins》が攻撃してきて、最悪の場合どうなってしまうか、考えを巡らせたことは?《強大化/Become Immense》で10/10の2段攻撃になって、一発でゲームが終わったりしてね。強大化ケアで常にブロックしろっていうんじゃないよ。ただ、どれだけ双子が強大になるか、いつも最悪のケースは考えておいた方がいいってだけさ
。
青緑
変異クリーチャーが6体かそこらじゃ、《秘密の計画/Secret Plans》はできれば使いたくない。7~8体いれば、まあまあ使ってもいい。変異を9枚以上採用するなら、2ターン目秘密の計画は、かなり強力なプレイになるだろう。幸運なことに、青と緑は最もたくさん変異のいる色だから、結構《秘密の計画/Secret Plans》はアドバンテージを稼いでくれることが多い。
秘密の計画は(《神秘の痕跡/Trail of Mystery》も同じだけど)、変異解除が軽いクリーチャーや、マナを使わなくて済む変異との相性がいい。《龍の眼の学者/Dragon’s Eye Savants》や《ティムールの軍馬/Temur Charger》、《僧院の群れ/Monastery Flock》などがそうだね。変異関連のエンチャントを取ったら意識して高めに取りたい。
マルドゥ
両方コモンだからよく目にする組み合わせだが、相手がマルドゥのときは、盤面に変異が1体だけでも、《子馬乗り部隊/Ponyback Brigade》がエンド前に表になって、《ラッパの一吹き/Trumpet Blast》で13点ねじ込まれる可能性があるというのは心に留めておこう。同じく何もないところからの《武器を手に/Take Up Arms》→《ラッパの一吹き/Trumpet Blast》も脅威だ。
青黒
ベルギー勢を相手取って、ワールド・マジック・カップチームシールドの練習をしてたとき、アレクサンドル・ダラス(Alexandre Darras)が突然、2ターン目に《テイガムの策謀/Taigam’s Scheming》を唱えだしたことがあった。こいつまた《ゴブリンすべり/Goblinslide》か懲りないな。呪文の数合わせに入れたんだろう、と皆が思っていた……アレクサンドルが5枚すべてを墓地に落とすまでは。そう、呪文も土地も全部まとめて、5枚すべてをだ。
続く3ターン目に《死滅都市の悪鬼/Necropolis Fiend》が登場して、我々はどういう事なのかようやく呑み込んだ。当たり前といえば当たり前だが、序盤に出てくる悪鬼を処理するのは困難を極める。テイガムの策謀はカード1枚分のアドバンテージを失うものの、重い探査呪文の多いデッキでは、損失分に見合ったマナを生み出してくれるのだ。
まとめ
タルキール覇王譚の可能性はまさに無限。良いアイディアがあったら是非聞かせてくれ。ドラフトでお気に入りのシナジーは?普通じゃ経験できないような勝ち方をしたことは?最後にクイズだ。タルキール覇王譚のカードだけを使って、射手の胸壁で対戦相手に攻撃するには、どうしたらいいか?
Frank Analysis - Sweet Interactions in Khans of Tarkir Limited
By Frank Karsten 2014年12月2日
http://www.channelfireball.com/articles/frank-analysis-sweet-interactions-in-khans-of-tarkir-limited/
緑黒
2ターン目に4/4を叩きつける以上に強い動きは果たしてあるだろうか?序盤の4/4トークンは対処しづらいし、序盤のダメージレースは完全にこっちのものになる。おまけにトークン単体で5ターンクロックだ。
《族樹の発動/Kin-Tree Invocation》が取れたら、《縁切られた先祖/Disowned Ancestor》、《射手の胸壁/Archers’ Parapet》、《朽ちゆくマストドン/Rotting Mastodon》といった高タフネスクリーチャーの評価を上げたい。族樹の発動が環境にあるというだけで、縁切られた先祖のようなカードは、他の色と比較して黒緑でこそ高評価になる。
ジェスカイ
実は私は、11マナのコンボなどに目がなくてね。《水渦/Waterwhirl》で毎ターン、《眼の管理人/Warden of the Eye》を戻し続けるとかどうだい?相手の地上巨大クリーチャーは管理人で止めて、水渦で飛行アタッカーと管理人をバウンスするんだ。それから管理人をまた出してもう一度水渦……とぐるぐる回していきたい。横で《隠道の神秘家/Mystic of the Hidden Way》が殴り続けてればその内ゲームも終わるだろうし。
あるいは《眼の管理人/Warden of the Eye》と《マルドゥの心臓貫き/Mardu Heart-Piercer》を戻し続けるというのというのはいかがかな?これなら11マナ2ダメージを好きなだけ繰り返せる計算だ。全くもって嬉しくはないにせよ、終盤息切れしているなら勝ちにつながるかもしれない。待てよ……《ジェスカイの隆盛/Jeskai Ascendancy》3枚と《爪鳴らしの神秘家/Rattleclaw Mystic》が4枚あれば無限に……ウッ頭が。
白緑
長久クリーチャーと+1/+1カウンターのシナジーは誰の目にも明らかだが、タルキール覇王譚のリミテッドにおいて一つだけ覚えておくべきことがある。それは、《龍鱗の加護/Dragonscale Boon》や《抵抗の妙技/Feat of Resistance》といった+1/+1カウンターを載せるカードの中で最強なのは《増え続ける成長/Incremental Growth》だということだ。
増え続ける成長でクリーチャーを3体強化して、《アブザンの鷹匠/Abzan Falconer》がそいつらを空に飛ばす。地上のブロッカーたちを尻目に一撃必殺奥義。マジック簡単。
赤白
あまり目にすることはないかもしれないけど、知っておいて損はしないこともある。《隠道の神秘家/Mystic of the Hidden Way》に《幽霊火の刃/Ghostfire Blade》がついて殴ってきていて、こちらは《打ち倒し/Bring Low》があるものの、神秘家のタフネスが4のせいで倒すことができない。そんなところに颯爽と《アラシンの上級歩哨/High Sentinels of Arashin》が駆けつけるんだ。
抵抗の妙技は相手のクリーチャーを対象に取れないが、上級歩哨の能力は相手も対象に取れるのだった。というわけで、+1/+1カウンターを置いてやれば、打ち倒しで倒すことができる。なべて世は事も無し。
スゥルタイ
どの氏族も探査を利用できるし、墓地にカードを落とす手段も備えているが、スゥルタイが一番探査を上手に使える。コンボと呼ぶにはあまりに直球すぎるけどね。スゥルタイには《スゥルタイの占い屋/Sultai Soothsayer》という素晴らしい探査お膳立て用のカードがあるし、そもそも探査呪文が最も多く存在する色だ。しかもたまに、アホみたいに巨大な《ラクシャーサの大臣/Rakshasa Vizier》とかまでついてくることすらある。
赤緑
《龍流派の双子/Dragon-Style Twins》が攻撃してきて、最悪の場合どうなってしまうか、考えを巡らせたことは?《強大化/Become Immense》で10/10の2段攻撃になって、一発でゲームが終わったりしてね。強大化ケアで常にブロックしろっていうんじゃないよ。ただ、どれだけ双子が強大になるか、いつも最悪のケースは考えておいた方がいいってだけさ
。
青緑
変異クリーチャーが6体かそこらじゃ、《秘密の計画/Secret Plans》はできれば使いたくない。7~8体いれば、まあまあ使ってもいい。変異を9枚以上採用するなら、2ターン目秘密の計画は、かなり強力なプレイになるだろう。幸運なことに、青と緑は最もたくさん変異のいる色だから、結構《秘密の計画/Secret Plans》はアドバンテージを稼いでくれることが多い。
秘密の計画は(《神秘の痕跡/Trail of Mystery》も同じだけど)、変異解除が軽いクリーチャーや、マナを使わなくて済む変異との相性がいい。《龍の眼の学者/Dragon’s Eye Savants》や《ティムールの軍馬/Temur Charger》、《僧院の群れ/Monastery Flock》などがそうだね。変異関連のエンチャントを取ったら意識して高めに取りたい。
マルドゥ
両方コモンだからよく目にする組み合わせだが、相手がマルドゥのときは、盤面に変異が1体だけでも、《子馬乗り部隊/Ponyback Brigade》がエンド前に表になって、《ラッパの一吹き/Trumpet Blast》で13点ねじ込まれる可能性があるというのは心に留めておこう。同じく何もないところからの《武器を手に/Take Up Arms》→《ラッパの一吹き/Trumpet Blast》も脅威だ。
青黒
ベルギー勢を相手取って、ワールド・マジック・カップチームシールドの練習をしてたとき、アレクサンドル・ダラス(Alexandre Darras)が突然、2ターン目に《テイガムの策謀/Taigam’s Scheming》を唱えだしたことがあった。こいつまた《ゴブリンすべり/Goblinslide》か懲りないな。呪文の数合わせに入れたんだろう、と皆が思っていた……アレクサンドルが5枚すべてを墓地に落とすまでは。そう、呪文も土地も全部まとめて、5枚すべてをだ。
続く3ターン目に《死滅都市の悪鬼/Necropolis Fiend》が登場して、我々はどういう事なのかようやく呑み込んだ。当たり前といえば当たり前だが、序盤に出てくる悪鬼を処理するのは困難を極める。テイガムの策謀はカード1枚分のアドバンテージを失うものの、重い探査呪文の多いデッキでは、損失分に見合ったマナを生み出してくれるのだ。
まとめ
タルキール覇王譚の可能性はまさに無限。良いアイディアがあったら是非聞かせてくれ。ドラフトでお気に入りのシナジーは?普通じゃ経験できないような勝ち方をしたことは?最後にクイズだ。タルキール覇王譚のカードだけを使って、射手の胸壁で対戦相手に攻撃するには、どうしたらいいか?
Archers’ Parapet / 射手の胸壁 (1)(緑)http://mtgwiki.com/wiki/%E5%B0%84%E6%89%8B%E3%81%AE%E8%83%B8%E5%A3%81/Archers%27_Parapet
クリーチャー - 壁(Wall)
防衛
(1)(黒),(T):各対戦相手はそれぞれ1点のライフを失う。
0/5
◆ 【翻訳】フランクに考えよう タルキール覇王譚リミテッドの知って嬉しい相互作用
Frank Analysis - Sweet Interactions in Khans of Tarkir Limited
By Frank Karsten 2014年12月2日
http://www.channelfireball.com/articles/frank-analysis-sweet-interactions-in-khans-of-tarkir-limited/
先週末、私はグランプリストラスブール14のカバレージ・ブースから、タマーシュ・ナジ(Tamás Nagy)がドラフトでスゥルタイを組んでトロフィーをさらっていくのを見ていた。タルキール覇王譚のリミテッドで成功するには、理解しておかなければならないことが2つある。1つはカードパワーとマナ安定のバランスを取って、強く安定したデッキを作ること。もう1つは変異環境ならではの、心理戦やブラフといかにして向き合うかだ。それに加えて、ちょっとしたコンボ、強烈なシナジー、普通だと考え付かないようなカードの使い方などを知っておくことも、勝利に貢献するときがある。
例えばストラスブールでは、相手ターンの戦闘中に《ラッパの一吹き/Trumpet Blast》を使っている光景を見た。相手のクリーチャーが強化されてしまうので普通ならしないプレイだが、その場合には意味があった。ラッパの一吹きを使ったプレイヤーの《ジェスカイの長老/Jeskai Elder》の果敢が誘発して、攻撃クリーチャーを討ち取ったのだ。他にも《矢の嵐/Arrow Storm》を自分の《スゥルタイの剥ぎ取り/Sultai Flayer》に撃ったプレイヤーもいた。ダメージレースに必死だったみたいでね。相手のクリーチャーに《強大化/Become Immense》して、《大物潰し/Smite the Monstrous》、《停止の場/Suspension Field》、《跳ね返す掌/Deflecting Palm》なんてのはいかが?
この手の普通じゃない、傾奇者プレイは大好きだ。しかし最も強力なのは、本来意図された使い方をすること。今日の記事では、各色の組み合わせと氏族について、それぞれ相乗効果を見ていきたいと思う。当たり前なものもあれば、気づきにくいものもあるけれど、どれもがゲームを決めるくらい強いものだよ。
白黒
白黒戦士が、タルキール覇王譚のリミテッドにおいて最もシナジーに溢れたアーキタイプであることは恐らく間違いない。なので今回の記事の一番手をつとめるのも自然な成り行きといえるだろう。環境には戦士クリーチャーがたくさんいる上(しかも《マルドゥの軍族長/Mardu Hordechief》や《武器を手に/Take Up Arms》といった、複数の戦士を出すカードすらある)、強化手段も豊富だ。強化手段としては《略奪者の戦利品/Raiders’ Spoils》が最良だが、《刃の隊長/Chief of the Edge》も相当なやり手だ。それに《戦場での猛進/Rush of Battle》があれば、ダメージレースを完全にひっくり返すことができる。
シールドだと、ドラフトに比べてこれらのシナジーを追及するのは困難なので、《略奪者の戦利品/Raiders’ Spoils》もサイドボードに置いておくことが多くなるだろう。でもドラフトの白黒戦士で使う戦利品の価値は計り知れないよ。
ティムール
ティムールは格闘がお好き。《ティムールの魔除け/Temur Charm》、《凶暴な殴打/Savage Punch》に加えて、手が足りなければ《素早い蹴り/Swift Kick》も採用できる(手が足りないだけに蹴りだ)。自分のクリーチャーと相手のクリーチャーを格闘させるのが普通の使い方だけど、個人的には相手のクリーチャー同士で潰し合わせるのが好み。
仮に相手が《アブザンの先達/Abzan Guide》と《雪角の乗り手/Snowhorn Rider》で殴ってきているとしよう(凄い色だが、十分あり得る話だ)。そこで先達を《反逆の行動/Act of Treason》で奪って、まず殴る。その後に魔除けで雪角の乗り手と格闘させてみよう。するとどうだ。なんと相手のクリーチャーを2体除去した上に、9点ものライフを得られたことになる。
《反逆の行動/Act of Treason》は《うねる塔甲羅/Meandering Towershell》との相性も目を見張るものがある。塔甲羅のテキストは「あなたのコントロール下で」だから、何とオーナーでなく奪ったこちら側へ永続的に帰ってくるんだ。
赤黒
この記事内で初めて紹介する、友好色の組み合わせだね。タルキール覇王譚のリミテッドでは、できることなら避けたい組み合わせだ。友好色だと氏族の選択肢が一つに限られてしまうし、対抗色の組み合わせなら使える、強力な多色カードを使用することが不可能になってしまう。
赤黒の組み合わせで思いつくコンボは、接死と先制攻撃の組み合わせだ。《龍の握撃/Dragon Grip》は、《無情な切り裂き魔/Ruthless Ripper》をメイン採用するとしても微妙だからできれば使いたくないカードだが、飛んでないデカブツだらけでコンバットトリック多め、かつ除去やバウンス少な目のデッキに当たったら、結構真剣に握撃の採用を検討するよ。《無情な切り裂き魔/Ruthless Ripper》についたら、《長毛ロクソドン/Woolly Loxodon》すらもじもじさせるという、素晴らしい仕事をしてくれる。リミテッドでは、いつもサイドボードを見るのを忘れずに!
青赤
こんな場合を考えてみてほしい。相手のライフが12点で、こちらには《真珠湖の古きもの/Pearl Lake Ancient》がいるが、相手の2体ならんでいる4/4で止められているんだ。こちらはもうライフが3点、相手は《隠道の神秘家/Mystic of the Hidden Way》で攻撃し続けている。最終ターン、こちらの場にあるのは古きもの、9枚の土地、手札は土地が1枚。楽観視できる状況ではないね。
そこで《道極め/Master the Way》をトップデック。まず5マナ浮かせて(ティムールの魔除けケアでもっとマナを出しておいてもいいかも)、それから古きものの能力を3回起動するんだ。するとなんと、手札は土地10枚、古きもの、道極めの12枚。道極めで12点ダメージ。奇跡を見せてやろうじゃないか!
アブザン
《砂塵破/Duneblast》は環境最強のカードの一枚。唱えることができればほぼすべてのゲームに勝てるだろう。だから全除去絡みのコンボは大体何でもオーバーキル感が漂う。そうはいっても、華麗にオーバーキルをキメたり、接戦の場合に備えて、より効率良く運用する方法を考えておくのは悪くない。
砂塵破を最大限に活用するというなら、《血蠅の大群/Swarm of Bloodflies》を出してから使ってみるなんてどうだろうか。砂塵をくぐった後には10/10飛行が待ち受けているという寸法さ。他には《不気味な腸卜師/Grim Haruspex》を砂塵に放り込んで超ドローしてみるとか、うねる塔甲羅で更地になった盤面を駆け抜けるとか、《族樹の管理人/Kin-Tree Warden》で再生してみるとか、破壊不能の《兜砕きのズルゴ/Zurgo Helmsmasher》を合わせてみるとか。
更にシナジーを追い求めるなら、血蠅の大群を《古き者どもの報復/Retribution of the Ancients》と合わせてみよう。さながら《ゴブリンの名手/Goblin Sharpshooter》のごときマシンガンに早変わりだ。2枚目の血蠅か、《硬化した鱗/Hardened Scales》も合わせれば、酷いことが起きるだろう。報復も鱗も普通は使用に堪えるカードではないけれど、ガッチリはまるデッキを作れることもあるはずだ。
青白
《ジェスカイの長老/Jeskai Elder》は、デッキによって微妙なこともあれば超強力なこともある。デッキに呪文が4枚程度だと、強くない変異との相討ちもおちおちできないので、《湿地帯の水鹿/Wetland Sambar》以下に成り下がる。しかしながら、呪文が8枚以上あるようなら、長老は凶悪な2マナクリーチャーへと変貌する。
ストラスブールでクリスチャン・サイボルト(Christian Seibold)が、ジェスカイの長老2体、他の果敢持ちのクリーチャー、それに軽い呪文を詰め込みまくった美しいデッキを作ったことがあった。対戦相手は長老を上手に止めることができず、毎ターンルーター能力で手札の質が上がっていくのを眺めていることしかできなかった。5ターンキルまで決めてたのには舌を巻いた。
長老と相性抜群なのは《抵抗の妙技/Feat of Resistance》だ。ダブルブロックされても守ることができるし、+1/+1カウンターが載れば、続くターンにも平然と殴りに行くことができる。
Frank Analysis - Sweet Interactions in Khans of Tarkir Limited
By Frank Karsten 2014年12月2日
http://www.channelfireball.com/articles/frank-analysis-sweet-interactions-in-khans-of-tarkir-limited/
先週末、私はグランプリストラスブール14のカバレージ・ブースから、タマーシュ・ナジ(Tamás Nagy)がドラフトでスゥルタイを組んでトロフィーをさらっていくのを見ていた。タルキール覇王譚のリミテッドで成功するには、理解しておかなければならないことが2つある。1つはカードパワーとマナ安定のバランスを取って、強く安定したデッキを作ること。もう1つは変異環境ならではの、心理戦やブラフといかにして向き合うかだ。それに加えて、ちょっとしたコンボ、強烈なシナジー、普通だと考え付かないようなカードの使い方などを知っておくことも、勝利に貢献するときがある。
例えばストラスブールでは、相手ターンの戦闘中に《ラッパの一吹き/Trumpet Blast》を使っている光景を見た。相手のクリーチャーが強化されてしまうので普通ならしないプレイだが、その場合には意味があった。ラッパの一吹きを使ったプレイヤーの《ジェスカイの長老/Jeskai Elder》の果敢が誘発して、攻撃クリーチャーを討ち取ったのだ。他にも《矢の嵐/Arrow Storm》を自分の《スゥルタイの剥ぎ取り/Sultai Flayer》に撃ったプレイヤーもいた。ダメージレースに必死だったみたいでね。相手のクリーチャーに《強大化/Become Immense》して、《大物潰し/Smite the Monstrous》、《停止の場/Suspension Field》、《跳ね返す掌/Deflecting Palm》なんてのはいかが?
この手の普通じゃない、傾奇者プレイは大好きだ。しかし最も強力なのは、本来意図された使い方をすること。今日の記事では、各色の組み合わせと氏族について、それぞれ相乗効果を見ていきたいと思う。当たり前なものもあれば、気づきにくいものもあるけれど、どれもがゲームを決めるくらい強いものだよ。
白黒
白黒戦士が、タルキール覇王譚のリミテッドにおいて最もシナジーに溢れたアーキタイプであることは恐らく間違いない。なので今回の記事の一番手をつとめるのも自然な成り行きといえるだろう。環境には戦士クリーチャーがたくさんいる上(しかも《マルドゥの軍族長/Mardu Hordechief》や《武器を手に/Take Up Arms》といった、複数の戦士を出すカードすらある)、強化手段も豊富だ。強化手段としては《略奪者の戦利品/Raiders’ Spoils》が最良だが、《刃の隊長/Chief of the Edge》も相当なやり手だ。それに《戦場での猛進/Rush of Battle》があれば、ダメージレースを完全にひっくり返すことができる。
シールドだと、ドラフトに比べてこれらのシナジーを追及するのは困難なので、《略奪者の戦利品/Raiders’ Spoils》もサイドボードに置いておくことが多くなるだろう。でもドラフトの白黒戦士で使う戦利品の価値は計り知れないよ。
ティムール
ティムールは格闘がお好き。《ティムールの魔除け/Temur Charm》、《凶暴な殴打/Savage Punch》に加えて、手が足りなければ《素早い蹴り/Swift Kick》も採用できる(手が足りないだけに蹴りだ)。自分のクリーチャーと相手のクリーチャーを格闘させるのが普通の使い方だけど、個人的には相手のクリーチャー同士で潰し合わせるのが好み。
仮に相手が《アブザンの先達/Abzan Guide》と《雪角の乗り手/Snowhorn Rider》で殴ってきているとしよう(凄い色だが、十分あり得る話だ)。そこで先達を《反逆の行動/Act of Treason》で奪って、まず殴る。その後に魔除けで雪角の乗り手と格闘させてみよう。するとどうだ。なんと相手のクリーチャーを2体除去した上に、9点ものライフを得られたことになる。
《反逆の行動/Act of Treason》は《うねる塔甲羅/Meandering Towershell》との相性も目を見張るものがある。塔甲羅のテキストは「あなたのコントロール下で」だから、何とオーナーでなく奪ったこちら側へ永続的に帰ってくるんだ。
赤黒
この記事内で初めて紹介する、友好色の組み合わせだね。タルキール覇王譚のリミテッドでは、できることなら避けたい組み合わせだ。友好色だと氏族の選択肢が一つに限られてしまうし、対抗色の組み合わせなら使える、強力な多色カードを使用することが不可能になってしまう。
赤黒の組み合わせで思いつくコンボは、接死と先制攻撃の組み合わせだ。《龍の握撃/Dragon Grip》は、《無情な切り裂き魔/Ruthless Ripper》をメイン採用するとしても微妙だからできれば使いたくないカードだが、飛んでないデカブツだらけでコンバットトリック多め、かつ除去やバウンス少な目のデッキに当たったら、結構真剣に握撃の採用を検討するよ。《無情な切り裂き魔/Ruthless Ripper》についたら、《長毛ロクソドン/Woolly Loxodon》すらもじもじさせるという、素晴らしい仕事をしてくれる。リミテッドでは、いつもサイドボードを見るのを忘れずに!
青赤
こんな場合を考えてみてほしい。相手のライフが12点で、こちらには《真珠湖の古きもの/Pearl Lake Ancient》がいるが、相手の2体ならんでいる4/4で止められているんだ。こちらはもうライフが3点、相手は《隠道の神秘家/Mystic of the Hidden Way》で攻撃し続けている。最終ターン、こちらの場にあるのは古きもの、9枚の土地、手札は土地が1枚。楽観視できる状況ではないね。
そこで《道極め/Master the Way》をトップデック。まず5マナ浮かせて(ティムールの魔除けケアでもっとマナを出しておいてもいいかも)、それから古きものの能力を3回起動するんだ。するとなんと、手札は土地10枚、古きもの、道極めの12枚。道極めで12点ダメージ。奇跡を見せてやろうじゃないか!
アブザン
《砂塵破/Duneblast》は環境最強のカードの一枚。唱えることができればほぼすべてのゲームに勝てるだろう。だから全除去絡みのコンボは大体何でもオーバーキル感が漂う。そうはいっても、華麗にオーバーキルをキメたり、接戦の場合に備えて、より効率良く運用する方法を考えておくのは悪くない。
砂塵破を最大限に活用するというなら、《血蠅の大群/Swarm of Bloodflies》を出してから使ってみるなんてどうだろうか。砂塵をくぐった後には10/10飛行が待ち受けているという寸法さ。他には《不気味な腸卜師/Grim Haruspex》を砂塵に放り込んで超ドローしてみるとか、うねる塔甲羅で更地になった盤面を駆け抜けるとか、《族樹の管理人/Kin-Tree Warden》で再生してみるとか、破壊不能の《兜砕きのズルゴ/Zurgo Helmsmasher》を合わせてみるとか。
更にシナジーを追い求めるなら、血蠅の大群を《古き者どもの報復/Retribution of the Ancients》と合わせてみよう。さながら《ゴブリンの名手/Goblin Sharpshooter》のごときマシンガンに早変わりだ。2枚目の血蠅か、《硬化した鱗/Hardened Scales》も合わせれば、酷いことが起きるだろう。報復も鱗も普通は使用に堪えるカードではないけれど、ガッチリはまるデッキを作れることもあるはずだ。
青白
《ジェスカイの長老/Jeskai Elder》は、デッキによって微妙なこともあれば超強力なこともある。デッキに呪文が4枚程度だと、強くない変異との相討ちもおちおちできないので、《湿地帯の水鹿/Wetland Sambar》以下に成り下がる。しかしながら、呪文が8枚以上あるようなら、長老は凶悪な2マナクリーチャーへと変貌する。
ストラスブールでクリスチャン・サイボルト(Christian Seibold)が、ジェスカイの長老2体、他の果敢持ちのクリーチャー、それに軽い呪文を詰め込みまくった美しいデッキを作ったことがあった。対戦相手は長老を上手に止めることができず、毎ターンルーター能力で手札の質が上がっていくのを眺めていることしかできなかった。5ターンキルまで決めてたのには舌を巻いた。
長老と相性抜群なのは《抵抗の妙技/Feat of Resistance》だ。ダブルブロックされても守ることができるし、+1/+1カウンターが載れば、続くターンにも平然と殴りに行くことができる。
◆ 【翻訳】運命再編より独占カードプレビュー 《Palace Siege》 by LSV
Exclusive Fate Reforged Preview - Palace Siege
Luis Scott-Vargas, 2014年12月30日
http://www.channelfireball.com/home/exclusive-fate-reforged-preview-palace-siege/
言ってなかったかもしれないが、俺は「包囲」とつくカードをプレビューするのに目がなくてね。今日のお題はサイと違って、包囲する側でなくて包囲される側の宮殿だ。こいつはちょっとばかり抜けるのが難しいぜ。
Palace Siege
2つのかなり異質なモードがセットになっているけど、これは良し悪しだね。柔軟なカードは強いのが常とはいえ、選択肢の2つで推奨される使い方がそれぞれ相当に異なるとなると、両方のモードを最大限に活用するのは困難。Palace Siegeの場合、モードは2つとも十分に強力だから、問題は入るデッキだ。両方のモードを使うデッキ、もしくはどちらか一方のモードをどうしても使いたい、というようなデッキを居場所として探すことになるだろう。
カンのモードは、包囲でも消耗戦ということだろうか。毎ターン《死者再生/Raise Dead》をやり込めるのは中々難しい。最近は場に出た時点で仕事するクリーチャーに不自由しないしね(「包囲」って名前のついてるどっかの動物を筆頭にね)。《エレボスの鞭/Whip of Erebos》デッキによって、この種の戦略の有用性は既に証明されてるけれど、Palace Siegeの場合、鞭の絆魂と引き換えに釣ったクリーチャーが場に残ってくれる。鞭より優れた点になる可能性もあるだろう。エレボスの鞭に対する反発として、《消去/Erase》や《再利用の賢者/Reclamation Sage》だらけなスタンダードの現状は、Palace Siegeの舞台としておあつらえ向きではないと思うけど、テーロス・ブロックがローテーション落ちして、鞭戦略が下火になったら結構いけると思う。エレボスの鞭そのものがスタンダード落ちしたら、鞭の後釜にPalace Siegeのカンのモードは最適だと思う。
ドラゴンのモードを見ると、こちらはドラゴンの常。ゲームを終わらせにかかるモードだ。毎ターン2点の削りはライフを詰めるのに最適だし、こちらが2点ゲインするのもオマケとしては守備的に嬉しい。盤面でダメージが通らないように固められてしまっても、Palace Siegeで最後の6~8点くらいを削りきるというのは中々名案じゃないかな。どれだけ守りを固めてもドラゴンのモードから逃げられない様は、フレイバー的にもまさに包囲という感じが出ていて大変によろしい。それに運命再編の包囲サイクルの例に漏れず、ゲームが長引けば長引くほどより効力を発揮する。ドラゴンのモード目的で使うデッキの場合、エンチャントはデッキ全体でPalace Siege1~2枚以外入らないだろうから、ドラゴンのモードの方がエンチャント除去には耐性がありそう。前のめりなデッキを相手にするとき、Palace Siegeを処理するためだけに、エンチャント除去をサイドから投入したくはないしね。
ほとんどのデッキにとって、Palace Siegeはどちらか片方のモード目的で入れるカードだろうけれど、当初の予定と違うモードで使うことも普通にあると思う。Palace Siege、《包囲サイ/Siege Rhino》《包囲戦法/Siegecraft》に他の包囲サイクル、どれを使っても世はまさに大包囲時代だ!
LSV
Exclusive Fate Reforged Preview - Palace Siege
Luis Scott-Vargas, 2014年12月30日
http://www.channelfireball.com/home/exclusive-fate-reforged-preview-palace-siege/
言ってなかったかもしれないが、俺は「包囲」とつくカードをプレビューするのに目がなくてね。今日のお題はサイと違って、包囲する側でなくて包囲される側の宮殿だ。こいつはちょっとばかり抜けるのが難しいぜ。
Palace Siege
2つのかなり異質なモードがセットになっているけど、これは良し悪しだね。柔軟なカードは強いのが常とはいえ、選択肢の2つで推奨される使い方がそれぞれ相当に異なるとなると、両方のモードを最大限に活用するのは困難。Palace Siegeの場合、モードは2つとも十分に強力だから、問題は入るデッキだ。両方のモードを使うデッキ、もしくはどちらか一方のモードをどうしても使いたい、というようなデッキを居場所として探すことになるだろう。
カンのモードは、包囲でも消耗戦ということだろうか。毎ターン《死者再生/Raise Dead》をやり込めるのは中々難しい。最近は場に出た時点で仕事するクリーチャーに不自由しないしね(「包囲」って名前のついてるどっかの動物を筆頭にね)。《エレボスの鞭/Whip of Erebos》デッキによって、この種の戦略の有用性は既に証明されてるけれど、Palace Siegeの場合、鞭の絆魂と引き換えに釣ったクリーチャーが場に残ってくれる。鞭より優れた点になる可能性もあるだろう。エレボスの鞭に対する反発として、《消去/Erase》や《再利用の賢者/Reclamation Sage》だらけなスタンダードの現状は、Palace Siegeの舞台としておあつらえ向きではないと思うけど、テーロス・ブロックがローテーション落ちして、鞭戦略が下火になったら結構いけると思う。エレボスの鞭そのものがスタンダード落ちしたら、鞭の後釜にPalace Siegeのカンのモードは最適だと思う。
ドラゴンのモードを見ると、こちらはドラゴンの常。ゲームを終わらせにかかるモードだ。毎ターン2点の削りはライフを詰めるのに最適だし、こちらが2点ゲインするのもオマケとしては守備的に嬉しい。盤面でダメージが通らないように固められてしまっても、Palace Siegeで最後の6~8点くらいを削りきるというのは中々名案じゃないかな。どれだけ守りを固めてもドラゴンのモードから逃げられない様は、フレイバー的にもまさに包囲という感じが出ていて大変によろしい。それに運命再編の包囲サイクルの例に漏れず、ゲームが長引けば長引くほどより効力を発揮する。ドラゴンのモード目的で使うデッキの場合、エンチャントはデッキ全体でPalace Siege1~2枚以外入らないだろうから、ドラゴンのモードの方がエンチャント除去には耐性がありそう。前のめりなデッキを相手にするとき、Palace Siegeを処理するためだけに、エンチャント除去をサイドから投入したくはないしね。
ほとんどのデッキにとって、Palace Siegeはどちらか片方のモード目的で入れるカードだろうけれど、当初の予定と違うモードで使うことも普通にあると思う。Palace Siege、《包囲サイ/Siege Rhino》
LSV
行く年来る年2014
2014年12月31日 日常 コメント (2)◆ おかげさまで、大体4周年
2014年も残り少し……。
マジックにおいて個人的進展は特になかったものの、お陰様で、当ブログも100万アクセスを迎えました。
皆様、読みに訪れていただいて本当にありがとうございます。
100万ヒットはシンプルに嬉しいながら、中々現実感が湧かなかかったり。
地道に翻訳はしておりましたが、正直平日店舗大会から足が遠のき気味なこともあり、普通に日記をつける回数は開設当初から比べるとかなり減ってしまいました。ずっと記事を書くのをサボって、久々に開いてみるのすら躊躇いを覚えるくらいに放置してしまった月も。それでも続いてこられたのは、ひとえに読者の方のサポートあってのことです。
MtGは、感謝です。
では皆様、2015年もよろしくお願いします!
2014年も残り少し……。
マジックにおいて個人的進展は特になかったものの、お陰様で、当ブログも100万アクセスを迎えました。
皆様、読みに訪れていただいて本当にありがとうございます。
100万ヒットはシンプルに嬉しいながら、中々現実感が湧かなかかったり。
地道に翻訳はしておりましたが、正直平日店舗大会から足が遠のき気味なこともあり、普通に日記をつける回数は開設当初から比べるとかなり減ってしまいました。ずっと記事を書くのをサボって、久々に開いてみるのすら躊躇いを覚えるくらいに放置してしまった月も。それでも続いてこられたのは、ひとえに読者の方のサポートあってのことです。
ブログはサメのようなものだ。常に更新していないと死んでしまう。
Blogs are like sharks: They either keep moving or they die.
MtGは、感謝です。
では皆様、2015年もよろしくお願いします!
◆ ワクワクを100倍にして パーティーの主役になろう
運命再編のメカニズムが公開されたようですね!
『運命再編』のメカニズム
http://mtg-jp.com/reading/translated/0011819/
予示!
クリーチャーでないカードも、変異っぽく出せてしまうという能力なのですね。
しかしたかをくくっていると実は中身がクリーチャーで、戦闘で一方殺を取られる可能性もある……公開されているカードがデッキトップをめくるとなっているものだけ(公式スポイラーを見る限り)なので、無作為性が高いとはいえ、これはリミテッドの戦闘が複雑かつ面白くなりそう。
トップを確認して予示するために《鮮明のレンズ/Lens of Clarity》……?ないな!
リミテッダー視点だと、今後は変異と予示トークンをある程度持ち歩いた方が良さそう。
何せどちらが変異でどちらが予示というのは、単純に裏向きだと分からなくなることもありそうだし……何せ元の変異からしてかなり複雑。こんなややこしいものが同居するのはとても危険そう。慣れるまでは自分が間違わないためにも、裏向きにするだけでなく、トークン持参して明瞭なゲーム進行ができると中々スマートでしょうか。
ちなみにこの予示というキーワード、原文(英語)はManifest(マニフェスト)なんですね。
日本語でもカタカナ語として、選挙公約の意味でマニフェストと言ったりしますが、元々の意味は「何かを明確にすること」、「病気などの兆候などが現れること」ですので、かなり頑張った訳語ではないでしょうか。少なくとも私はかなり好感を持ちました。訳語どうやって考えてるんでしょう。「予」という字が上手くはまりそうなので、そこから漢和辞典などを使って調べて好感触なものを見つける……といったところかな?
ちなみにこれ、《生けるものの洞窟/Zoetic Cavern》・《研磨車/Whetwheel》などの、未来予知にあった変異を持つ非クリーチャー・パーマネントのサイクルが、タイムシフトでない形で現実に登場したんでしょうか。あるいはまだ続きがある……?
今後が楽しみです!!
それにしても変異のときにも言いましたが、相変わらずRaymond Swanland氏のイラストが格好良すぎて解除しない方が強そうに見えるのは私だけ……?このままでも6/1速攻・トランプルくらいはありそうに見えます。
運命再編のメカニズムが公開されたようですね!
『運命再編』のメカニズム
http://mtg-jp.com/reading/translated/0011819/
予示!
クリーチャーでないカードも、変異っぽく出せてしまうという能力なのですね。
しかしたかをくくっていると実は中身がクリーチャーで、戦闘で一方殺を取られる可能性もある……公開されているカードがデッキトップをめくるとなっているものだけ(公式スポイラーを見る限り)なので、無作為性が高いとはいえ、これはリミテッドの戦闘が複雑かつ面白くなりそう。
トップを確認して予示するために《鮮明のレンズ/Lens of Clarity》……?ないな!
リミテッダー視点だと、今後は変異と予示トークンをある程度持ち歩いた方が良さそう。
何せどちらが変異でどちらが予示というのは、単純に裏向きだと分からなくなることもありそうだし……何せ元の変異からしてかなり複雑。こんなややこしいものが同居するのはとても危険そう。慣れるまでは自分が間違わないためにも、裏向きにするだけでなく、トークン持参して明瞭なゲーム進行ができると中々スマートでしょうか。
ちなみにこの予示というキーワード、原文(英語)はManifest(マニフェスト)なんですね。
日本語でもカタカナ語として、選挙公約の意味でマニフェストと言ったりしますが、元々の意味は「何かを明確にすること」、「病気などの兆候などが現れること」ですので、かなり頑張った訳語ではないでしょうか。少なくとも私はかなり好感を持ちました。訳語どうやって考えてるんでしょう。「予」という字が上手くはまりそうなので、そこから漢和辞典などを使って調べて好感触なものを見つける……といったところかな?
ちなみにこれ、《生けるものの洞窟/Zoetic Cavern》・《研磨車/Whetwheel》などの、未来予知にあった変異を持つ非クリーチャー・パーマネントのサイクルが、タイムシフトでない形で現実に登場したんでしょうか。あるいはまだ続きがある……?
今後が楽しみです!!
それにしても変異のときにも言いましたが、相変わらずRaymond Swanland氏のイラストが格好良すぎて解除しない方が強そうに見えるのは私だけ……?このままでも6/1速攻・トランプルくらいはありそうに見えます。
運命再編のテーマに合わせて、土地もタイムトラベル
2014年12月27日 MtG コメント (8)
◆ ゲーム性以外にも、こういうところが好きなんですよ。
友人に指摘されて気づいたネタですが……
運命再編の特別枠として出現する2色土地は、タルキール覇王譚のイラストの場所はそのままに、過去を写したものになっているのですね。
『運命再編』の魅力的な土地
http://mtg-jp.com/publicity/0011806/
言われてみればなるほど確かにと思うものの(ストーリー的にも合致するし)、《磨かれたやせ地/Scoured Barrens》のように劇的ビフォーアフターなものがあったり、そうかと思えば全体の印象が非常に似ている《陰鬱な僻地/Dismal Backwater》のようなものもあったりで、パッと見、気づきませんでした。
↑の公式記事も、リミテッドにおける多色地形についてしかコメントしてないしね。
ただ、よく見ると確かに!
タルキール覇王譚のイラストで、《ジャングルのうろ穴/Jungle Hollow》の奥の方に鬱蒼として見える樹が、運命再編のイラストでは若干頼りなげな姿を映しています。まあ勿論、遠近法が使われているでしょうから、運命再編の時点でもおそらくかなりの巨木なんでしょうが……それでもこれだけ樹木が成長するということは、まあまあ長い時間を遡ることになるのでしょう。
(岩と比較して云々言う大きさだしね)
ミラディンの傷跡ブロックでは、ファイレクシアによる侵攻が進むにつれて姿を変えていく風景が基本地形に描かれたり、アヴァシンの帰還の基本土地が、陰鬱だったイニストラードの風景に光が差し込んだものになっていたり、こういうストーリーを感じさせる小ネタは本当に好き。
マジックの魅力を織りなす、丁寧な作り込みだと思います。
友人に指摘されて気づいたネタですが……
運命再編の特別枠として出現する2色土地は、タルキール覇王譚のイラストの場所はそのままに、過去を写したものになっているのですね。
『運命再編』の魅力的な土地
http://mtg-jp.com/publicity/0011806/
言われてみればなるほど確かにと思うものの(ストーリー的にも合致するし)、《磨かれたやせ地/Scoured Barrens》のように劇的ビフォーアフターなものがあったり、そうかと思えば全体の印象が非常に似ている《陰鬱な僻地/Dismal Backwater》のようなものもあったりで、パッと見、気づきませんでした。
↑の公式記事も、リミテッドにおける多色地形についてしかコメントしてないしね。
ただ、よく見ると確かに!
タルキール覇王譚のイラストで、《ジャングルのうろ穴/Jungle Hollow》の奥の方に鬱蒼として見える樹が、運命再編のイラストでは若干頼りなげな姿を映しています。まあ勿論、遠近法が使われているでしょうから、運命再編の時点でもおそらくかなりの巨木なんでしょうが……それでもこれだけ樹木が成長するということは、まあまあ長い時間を遡ることになるのでしょう。
(岩と比較して云々言う大きさだしね)
ミラディンの傷跡ブロックでは、ファイレクシアによる侵攻が進むにつれて姿を変えていく風景が基本地形に描かれたり、アヴァシンの帰還の基本土地が、陰鬱だったイニストラードの風景に光が差し込んだものになっていたり、こういうストーリーを感じさせる小ネタは本当に好き。
マジックの魅力を織りなす、丁寧な作り込みだと思います。
精霊龍、ウギン 始まってた
2014年12月25日 MtG コメント (5)
◆ カーンと比較される宿命にあるとはいえ……
これは強い(確信
精霊の贈り物(公式)
http://mtg-jp.com/publicity/0011805/
マイナスX強すぎない?
そうか……《絵描きの召使い/Painter’s Servant》が捗るな……
イラストも恰好いいし、ストーリーも気になる。
その上、運命再編からもフェッチランドが出るなんて……タルキール始まりすぎやろ!!
これは強い(確信
精霊の贈り物(公式)
http://mtg-jp.com/publicity/0011805/
マイナスX強すぎない?
そうか……《絵描きの召使い/Painter’s Servant》が捗るな……
イラストも恰好いいし、ストーリーも気になる。
その上、運命再編からもフェッチランドが出るなんて……タルキール始まりすぎやろ!!
挑発の咆哮の評価に悩む
2014年12月18日 ドラフト コメント (2)
◆ これのプレイマット格好いいですよね。
最近、《挑発の咆哮/Roar of Challenge》の評価に悩む。
ドラフトの話です。
《凶暴な殴打/Savage Punch》の強さは、環境初期に《高山の灰色熊/Alpine Grizzly》との組み合わせで華麗に壁役を突破されまくって割とすぐに理解したのですが、強くても《寄せ餌/Lure》ということで、ついつい脇を固めるクリーチャーや土地を優先しがちでした。しかしそこは勿論リミテッド、相手に使われる咆哮で盤面が壊滅したり、そのまま押し込まれて負けということも多々。
高目に取ってみても、クリーチャー依存のスペルなのでクリーチャーの頭数を確保すると、結局入らないことも……。
難しい!
タルキール覇王譚ドラフト楽しすぎるのであと2ヶ月くらいはたっぷりやりたい。
最近、《挑発の咆哮/Roar of Challenge》の評価に悩む。
ドラフトの話です。
《凶暴な殴打/Savage Punch》の強さは、環境初期に《高山の灰色熊/Alpine Grizzly》との組み合わせで華麗に壁役を突破されまくって割とすぐに理解したのですが、強くても《寄せ餌/Lure》ということで、ついつい脇を固めるクリーチャーや土地を優先しがちでした。しかしそこは勿論リミテッド、相手に使われる咆哮で盤面が壊滅したり、そのまま押し込まれて負けということも多々。
高目に取ってみても、クリーチャー依存のスペルなのでクリーチャーの頭数を確保すると、結局入らないことも……。
難しい!
タルキール覇王譚ドラフト楽しすぎるのであと2ヶ月くらいはたっぷりやりたい。
運命再編のスポイラーがひっそり増えてる
2014年12月17日 MtG コメント (3)
◆ 連日こたえる寒さの中、こういうニュースは嬉しい。
ソース
【quietspeculation.comより】
http://www.quietspeculation.com/2014/12/fate-reforge-spoiler-valorous-stance/?utm_source=twitterfeed&utm_medium=twitter
https://twitter.com/QuietSpec/status/545177841810173952
【mtgsalvation.comより】
http://www.mtgsalvation.com/spoilers/146-fate-reforged
柔軟でとても強い。これに何か一つ足して魔除けと言われても結構信じられるレベル(流石に言い過ぎ?)。
それにしてもいつも白ばっかり強くてずるい(ひがみ)。白はクリーチャーの色であり除去の色でもあるただ強カラーと言われても仕方ない。
リミテッドで悩まされそうですね。構築も全然ありそう。
まあそれでも、《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon》が止まらないのは好感が持てますね。スタンダードでドラゴンといえばこいつ。ドラゴンを巡る「運命再編」のカードによって、スタンダードの空からドラゴンが駆逐されちゃいかんでしょ(ヴォーソス的感想)。
Valorous Stance (1)(白)
インスタント
以下から1つを選ぶ。
・クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで破壊不能を得る。
・タフネスが4以上のクリーチャー1体を対象とし、それを破壊する。
ソース
【quietspeculation.comより】
http://www.quietspeculation.com/2014/12/fate-reforge-spoiler-valorous-stance/?utm_source=twitterfeed&utm_medium=twitter
https://twitter.com/QuietSpec/status/545177841810173952
【mtgsalvation.comより】
http://www.mtgsalvation.com/spoilers/146-fate-reforged
柔軟でとても強い。これに何か一つ足して魔除けと言われても結構信じられるレベル(流石に言い過ぎ?)。
それにしてもいつも白ばっかり強くてずるい(ひがみ)。白はクリーチャーの色であり除去の色でもあるただ強カラーと言われても仕方ない。
リミテッドで悩まされそうですね。構築も全然ありそう。
まあそれでも、《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon》が止まらないのは好感が持てますね。スタンダードでドラゴンといえばこいつ。ドラゴンを巡る「運命再編」のカードによって、スタンダードの空からドラゴンが駆逐されちゃいかんでしょ(ヴォーソス的感想)。
◆ 記事書いた後、ローテーションが発覚した面々。
《審判の日/Day of Judgment》
もう落ちてからそんなに経つのか……。
白単色でも、《対立の終結/End Hostilities》《終末/Terminus》《次元の浄化/Planar Cleansing》《宿命的報復/Fated Retribution》《集団の石灰化/Mass Calcify》と、全体除去枠には困らないものの、これで4マナラスゴは《至高の評決/Supreme Verdict》と《もぎとり/Mutilate》のみに。
《純鋼の聖騎士/Puresteel Paladin》
みんな大好き装備品が異様な動きをし始めるイケメン。
白の2マナは優秀なところがありすぎ、しかもどいつもこいつも割と個性的で、採用した過ぎて困る。枠がたりーん。
こういう工夫したデッキで強いカードはなるべく採用したい。
ここから新顔。
《急報/Raise the Alarm》
トークン戦略は《無形の美徳/Intangible Virtue》が入ってるくらいなので。
《町民の結集/Gather the Townsfolk》も採用を検討したいが、白の2マナは枠が足りないのと、人間トークンを用意しなければならないのが(ry
《高まる献身/Increasing Devotion》でどのみち人間トークン使ってました。
《ヘリオッドの巡礼者/Heliod’s Pilgrim》
凄く強いカードではないと思いますが、貴重なサーチカードで、スタンダードでもそこそこ姿を見るようですので……。
採用するからにはサーチ先を用意しなければならないわけですが、《鍛えられた鋼/Tempered Steel》のときのように、全体のバランスを崩さないように注意して見ていかないとですね。
でも、こいつが《怨恨/Rancor》だの《ひるまぬ勇気/Unflinching Courage》だの、果ては《天使の運命/Angelic Destiny》とか持ってくるところはちょっと見てみたくない?
《守護天使アヴァシン/Avacyn, Guardian Angel》
伝説のクリーチャーなので。流石に《希望の天使アヴァシン/Avacyn, Angel of Hope》と2体いるのにどっちもリストラは可哀そうですし。
ぶっちゃけ《天使の監視者/Angelic Overseer》あたりのが強そうですが、まあこれはこれで。
《テーロスの魂/Soul of Theros》
《太陽のタイタン/Sun Titan》の後釜として考えると悲しいが、プール的にクリーチャーだらけの環境になるだろうことを考えると、まあまあ暴れられるんじゃないですかね。白の並べて強化というコンセプトにも合ってるし。
《貪る光/Devouring Light》
召集除去はつよし。
《集団の石灰化/Mass Calcify》
《宿命的報復/Fated Retribution》と枠を争った結果、こちらのが強い使い方ができるという結論に。
あと、問答無用で全部を除去できないあたりが、最近の除去を象徴している気がしないでもない。
《不動のアジャニ/Ajani Steadfast》
プレインズウォーカーはできるだけ採用する方向で。
ソリンが似たような役割で強すぎるので、スタンダードでは影が薄いですが、リミテッドではタッチしやすいという良さもありますよね。
《アブザンの鷹匠/Abzan Falconer》みたいなカードとのシナジーもいずれ見れたらいいな。
《アナフェンザの伝令/Herald of Anafenza》
抜けてしまった1マナ域を《ボロスの精鋭/Boros Elite》と一緒に埋めてみた。
ドラフトでは強いですが、強力カードのひしめくキューブではどこまで頑張れるか?
《道の探求者/Seeker of the Way》
スタンダードおなじみの奴。
2マナは激戦区ですが、スタンダードで象徴的といっていいレベルで使われていますし、果敢というキーワード的にも採用。
《風番いのロック/Wingmate Roc》
とにかく強い。感覚的には《刃砦の英雄/Hero of Bladehold》みたいに運用できれば……。
方法は限られるながら、一回はトークンを居住してみたいですね。
《停止の場/Suspension Field》
劣化《未達への旅/Journey to Nowhere》だとしても、元祖未達、《流刑への道/Path to Exile》、《剣を鍬に/Swords to Plowshares》などのないエクステンデッド・キューブでは貴重な除去。
《復仇/Reprisal》とはどっちがいいのか微妙な線ですが、スタンダードで見る方ということで。
《対立の終結/End Hostilities》
装備品祭りの傷跡と同居してくれればよかったのに……。
対処手段が限られ、かつ強力ながらキューブの花形な装備品を上手く抑制してくれたと思うんですけどね。
現状の一番《審判の日/Day of Judgment》に近いかな?
《儚き盾/Ephemeral Shields》、《アラシンの上級歩哨/High Sentinels of Arashin》、《秀でた隊長/Preeminent Captain》、《光波の護法印/Spectra Ward》、《戦列への復帰/Return to the Ranks》など色々と入れたい連中はいるのですが、入れ替わり色々と試したいですね。
《審判の日/Day of Judgment》
もう落ちてからそんなに経つのか……。
白単色でも、《対立の終結/End Hostilities》《終末/Terminus》《次元の浄化/Planar Cleansing》《宿命的報復/Fated Retribution》《集団の石灰化/Mass Calcify》と、全体除去枠には困らないものの、これで4マナラスゴは《至高の評決/Supreme Verdict》と《もぎとり/Mutilate》のみに。
《純鋼の聖騎士/Puresteel Paladin》
みんな大好き装備品が異様な動きをし始めるイケメン。
白の2マナは優秀なところがありすぎ、しかもどいつもこいつも割と個性的で、採用した過ぎて困る。枠がたりーん。
こういう工夫したデッキで強いカードはなるべく採用したい。
ここから新顔。
基本セット2015
《急報/Raise the Alarm》
トークン戦略は《無形の美徳/Intangible Virtue》が入ってるくらいなので。
《町民の結集/Gather the Townsfolk》も採用を検討したいが、白の2マナは枠が足りないのと、
《高まる献身/Increasing Devotion》でどのみち人間トークン使ってました。
《ヘリオッドの巡礼者/Heliod’s Pilgrim》
凄く強いカードではないと思いますが、貴重なサーチカードで、スタンダードでもそこそこ姿を見るようですので……。
採用するからにはサーチ先を用意しなければならないわけですが、《鍛えられた鋼/Tempered Steel》のときのように、全体のバランスを崩さないように注意して見ていかないとですね。
でも、こいつが《怨恨/Rancor》だの《ひるまぬ勇気/Unflinching Courage》だの、果ては《天使の運命/Angelic Destiny》とか持ってくるところはちょっと見てみたくない?
《守護天使アヴァシン/Avacyn, Guardian Angel》
伝説のクリーチャーなので。流石に《希望の天使アヴァシン/Avacyn, Angel of Hope》と2体いるのにどっちもリストラは可哀そうですし。
ぶっちゃけ《天使の監視者/Angelic Overseer》あたりのが強そうですが、まあこれはこれで。
《テーロスの魂/Soul of Theros》
《太陽のタイタン/Sun Titan》の後釜として考えると悲しいが、プール的にクリーチャーだらけの環境になるだろうことを考えると、まあまあ暴れられるんじゃないですかね。白の並べて強化というコンセプトにも合ってるし。
《貪る光/Devouring Light》
召集除去はつよし。
《集団の石灰化/Mass Calcify》
《宿命的報復/Fated Retribution》と枠を争った結果、こちらのが強い使い方ができるという結論に。
あと、問答無用で全部を除去できないあたりが、最近の除去を象徴している気がしないでもない。
《不動のアジャニ/Ajani Steadfast》
プレインズウォーカーはできるだけ採用する方向で。
ソリンが似たような役割で強すぎるので、スタンダードでは影が薄いですが、リミテッドではタッチしやすいという良さもありますよね。
《アブザンの鷹匠/Abzan Falconer》みたいなカードとのシナジーもいずれ見れたらいいな。
タルキール覇王譚
《アナフェンザの伝令/Herald of Anafenza》
抜けてしまった1マナ域を《ボロスの精鋭/Boros Elite》と一緒に埋めてみた。
ドラフトでは強いですが、強力カードのひしめくキューブではどこまで頑張れるか?
《道の探求者/Seeker of the Way》
スタンダードおなじみの奴。
2マナは激戦区ですが、スタンダードで象徴的といっていいレベルで使われていますし、果敢というキーワード的にも採用。
《風番いのロック/Wingmate Roc》
とにかく強い。感覚的には《刃砦の英雄/Hero of Bladehold》みたいに運用できれば……。
方法は限られるながら、一回はトークンを居住してみたいですね。
《停止の場/Suspension Field》
劣化《未達への旅/Journey to Nowhere》だとしても、元祖未達、《流刑への道/Path to Exile》、《剣を鍬に/Swords to Plowshares》などのないエクステンデッド・キューブでは貴重な除去。
《復仇/Reprisal》とはどっちがいいのか微妙な線ですが、スタンダードで見る方ということで。
《対立の終結/End Hostilities》
装備品祭りの傷跡と同居してくれればよかったのに……。
対処手段が限られ、かつ強力ながらキューブの花形な装備品を上手く抑制してくれたと思うんですけどね。
現状の一番《審判の日/Day of Judgment》に近いかな?
《儚き盾/Ephemeral Shields》、《アラシンの上級歩哨/High Sentinels of Arashin》、《秀でた隊長/Preeminent Captain》、《光波の護法印/Spectra Ward》、《戦列への復帰/Return to the Ranks》など色々と入れたい連中はいるのですが、入れ替わり色々と試したいですね。
◆ おもひでぽろぽろ
今までのエクステンデッドキューブはこちら。
http://misdirection.diarynote.jp/201405311955368703/
タルキール覇王譚ドラフトが面白すぎて中々更新していませんでしたが、キューブのローテーション時期ですな。
今回はローテーションで抜けるカードたちその1。ローテーション以外に、バランス調整で入れ替わったりすることもちょくちょくありますが、エクステンデッドのカードプールで作るキューブなので、ここの面々は再録されない限り戻ってこれませんので……。
《太陽破の天使/Sunblast Angel》
さすがにキューブとはいえリミテッドでは鬼の性能。
今のスタンにいたら結構使われそうじゃない?アブザンばっかりずるいって言われそうですが。
《エルズペス・ティレル/Elspeth Tirel》
構築では随分とお世話になった。
遍歴の騎士&太陽の勇者の暴れっぷりと比べると地味ですが、奥義到達がやたら早かったり、重さ相応の実力はありますね。
《鍛えられた鋼/Tempered Steel》
キューブでも往年の爆発力を再現できないかと思ったのですが、ピックでアーティファクトクリーチャーを集めるのが大変だったので、割にあってない感が否めなかった。キューブ全体のバランス的にも、アーティファクトクリーチャーを優遇してやらないいけないためよろしくなかった模様。こういう試行錯誤は面白いのですが、ちょっとこだわりすぎたかな。
コンスピラシーの、策略&ドラフトアーティファクトクリーチャー枠を、特殊ルールで追加するとちょっと面白くて強いとか何とか。
《存在の破棄/Revoke Existence》
落ちないけどね!
神々の軍勢で再録されたので続投。ゆーて白の役割からアーティファクト破壊は外れつつあるらしいですが。
《ミラディンの十字軍/Mirran Crusader》
そうだ《怨恨/Rancor》をつけよう()
レガシーキューブやパワーキューブ以上に、止まらないデッキだととにかく止まらない。
黒単信心で《ファイレクシアの抹消者/Phyrexian Obliterator》やら《アスフォデルの灰色商人/Gray Merchant of Asphodel》やらを集めてニヤニヤしていたら、3ターン目出てきたこいつだけにあっさり殺されました。
《主の呼び声/Master’s Call》
普通のドラフトではナイスなトリック兼金属術のお供でしたが、キューブでは流石に少々力不足でした。
アーティファクトシナジー枠で入っていましたが、試みとしては失敗だったかも。《新たな造形/Shape Anew》とタッグを組んだときだけ輝いてましたね。まあそんな遊びがあっても多少は許されるでしょう。
《レオニンの遺物囲い/Leonin Relic-Warder》
流石はパワーキューブでも通用する実力。ローテーション落ちしてしまうのが残念。
密かにエンチャントも追放できるので、神にも対処可能だったりバランス調整に重宝したんですけどね。
《刃砦の英雄/Hero of Bladehold》
いわゆる一体で勝てるタダ強枠。
持ち上げすぎると英雄厨呼ばわりされるらしい。
《刃の接合者/Blade Splicer》
白の3マナは、これでもかというくらい優秀な競合相手がひしめいていますが、こいつが外れるところは想像できませんでした。
強い。
《磁器の軍団兵/Porcelain Legionnaire》
何色でも使えるTOTO製万能2マナ域。
《大修道士、エリシュ・ノーン/Elesh Norn, Grand Cenobite》
ノーン様お麗しい。
クリーチャー戦主体のリミテッドの悪夢であり、キューブ白の旗印でもあると思う。
キューブをキューブたらしめているパワーカードであり、象徴的なカードだったと思うのでローテーション落ちは残念。
《ギデオンの法の番人/Gideon’s Lawkeeper》
《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn》すらタップしてのける凄い奴。
1マナにこんな高性能タッパーがいていいのか!?
《先兵の精鋭/Elite Vanguard》
《万神殿の兵士/Soldier of the Pantheon》という上位互換がいるものの、白系アグロの選択肢として低マナ域は必要ですね。
《機を見た援軍/Timely Reinforcements》
スタンでは(一部のプレイヤーに)蛇蝎のごとく嫌われていた気がしますが、時間が経ってみてみると案外許せそうな気がしてしまうから不思議(赤単愛好家にとっては未来永劫許せないかも)。
《清浄の名誉/Honor of the Pure》
全体強化という視点では、《ヘリオッドの槍/Spear of Heliod》や《ヘリオッドの指図/Dictate of Heliod》《勇気の道/Path of Bravery》など、似たようなカードはあるものの、やはり名誉程のプレッシャーがあるものは多くありませんね。
上手く白単を組めたら爆発的に強く、白が薄いと手が伸びない……ピック・組み方次第で強さが大きく変わるカードって個人的に凄い好き。
《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》
基本セットに再録されていたスペースラナウェイギデオン。再録後はメタ的な理由で見ることが少なかったですが……
相変わらずリミテッドでは大暴れですね。キューブでも文句なし初手級。除去であり、フィニッシャーであり、ユニークな能力と合わさって看板の一つだったように思います。
《士気溢れる徴集兵/Zealous Conscripts》で突っ込んでくるいつか見た光景まで再現可能でした。
《正義の勇者ギデオン/Gideon, Champion of Justice》はまだいるから、ギデオンファンも安心だ!
《太陽のタイタン/Sun Titan》
タイタンサイクルがキューブからいなくなるのはとても残念。とはいえ最近のカードで構成された分かりやすいキューブ、というのがスタート時のコンセプトなので、例外を作るわけにはいかない。デュエルデッキにもいたのが未練がましい。
《幻影の像/Phantasmal Image》、《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》、《刃の接合者/Blade Splicer》、《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》、《地盤の際/Tectonic Edge》、《漸増爆弾/Ratchet Bomb》など、大体何を釣っても強いとはいえ、相方次第でその強さが何倍にもなる、サイクル中でもかなり好みな一枚でしたた。構築でもお世話になったなあ。
《悪鬼の狩人/Fiend Hunter》とサクり台で無限ができるとかもありましたね。
基本セット2015とタルキール覇王譚からの新顔は次回にでも。
今までのエクステンデッドキューブはこちら。
http://misdirection.diarynote.jp/201405311955368703/
タルキール覇王譚ドラフトが面白すぎて中々更新していませんでしたが、キューブのローテーション時期ですな。
今回はローテーションで抜けるカードたちその1。ローテーション以外に、バランス調整で入れ替わったりすることもちょくちょくありますが、エクステンデッドのカードプールで作るキューブなので、ここの面々は再録されない限り戻ってこれませんので……。
ミラディンの傷跡
《太陽破の天使/Sunblast Angel》
さすがにキューブとはいえリミテッドでは鬼の性能。
今のスタンにいたら結構使われそうじゃない?アブザンばっかりずるいって言われそうですが。
《エルズペス・ティレル/Elspeth Tirel》
構築では随分とお世話になった。
遍歴の騎士&太陽の勇者の暴れっぷりと比べると地味ですが、奥義到達がやたら早かったり、重さ相応の実力はありますね。
《鍛えられた鋼/Tempered Steel》
キューブでも往年の爆発力を再現できないかと思ったのですが、ピックでアーティファクトクリーチャーを集めるのが大変だったので、割にあってない感が否めなかった。キューブ全体のバランス的にも、アーティファクトクリーチャーを優遇してやらないいけないためよろしくなかった模様。こういう試行錯誤は面白いのですが、ちょっとこだわりすぎたかな。
コンスピラシーの、策略&ドラフトアーティファクトクリーチャー枠を、特殊ルールで追加するとちょっと面白くて強いとか何とか。
《存在の破棄/Revoke Existence》
落ちないけどね!
神々の軍勢で再録されたので続投。ゆーて白の役割からアーティファクト破壊は外れつつあるらしいですが。
ミラディン包囲戦
《ミラディンの十字軍/Mirran Crusader》
そうだ《怨恨/Rancor》をつけよう()
レガシーキューブやパワーキューブ以上に、止まらないデッキだととにかく止まらない。
黒単信心で《ファイレクシアの抹消者/Phyrexian Obliterator》やら《アスフォデルの灰色商人/Gray Merchant of Asphodel》やらを集めてニヤニヤしていたら、3ターン目出てきたこいつだけにあっさり殺されました。
《主の呼び声/Master’s Call》
普通のドラフトではナイスなトリック兼金属術のお供でしたが、キューブでは流石に少々力不足でした。
アーティファクトシナジー枠で入っていましたが、試みとしては失敗だったかも。《新たな造形/Shape Anew》とタッグを組んだときだけ輝いてましたね。まあそんな遊びがあっても多少は許されるでしょう。
《レオニンの遺物囲い/Leonin Relic-Warder》
流石はパワーキューブでも通用する実力。ローテーション落ちしてしまうのが残念。
密かにエンチャントも追放できるので、神にも対処可能だったりバランス調整に重宝したんですけどね。
《刃砦の英雄/Hero of Bladehold》
いわゆる一体で勝てるタダ強枠。
持ち上げすぎると英雄厨呼ばわりされるらしい。
新たなるファイレクシア
《刃の接合者/Blade Splicer》
白の3マナは、これでもかというくらい優秀な競合相手がひしめいていますが、こいつが外れるところは想像できませんでした。
強い。
《磁器の軍団兵/Porcelain Legionnaire》
何色でも使えるTOTO製万能2マナ域。
《大修道士、エリシュ・ノーン/Elesh Norn, Grand Cenobite》
ノーン様お麗しい。
クリーチャー戦主体のリミテッドの悪夢であり、キューブ白の旗印でもあると思う。
キューブをキューブたらしめているパワーカードであり、象徴的なカードだったと思うのでローテーション落ちは残念。
基本セット2012
《ギデオンの法の番人/Gideon’s Lawkeeper》
《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn》すらタップしてのける凄い奴。
1マナにこんな高性能タッパーがいていいのか!?
《先兵の精鋭/Elite Vanguard》
《万神殿の兵士/Soldier of the Pantheon》という上位互換がいるものの、白系アグロの選択肢として低マナ域は必要ですね。
《機を見た援軍/Timely Reinforcements》
スタンでは(一部のプレイヤーに)蛇蝎のごとく嫌われていた気がしますが、時間が経ってみてみると案外許せそうな気がしてしまうから不思議(赤単愛好家にとっては未来永劫許せないかも)。
《清浄の名誉/Honor of the Pure》
全体強化という視点では、《ヘリオッドの槍/Spear of Heliod》や《ヘリオッドの指図/Dictate of Heliod》《勇気の道/Path of Bravery》など、似たようなカードはあるものの、やはり名誉程のプレッシャーがあるものは多くありませんね。
上手く白単を組めたら爆発的に強く、白が薄いと手が伸びない……ピック・組み方次第で強さが大きく変わるカードって個人的に凄い好き。
《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》
基本セットに再録されていたスペースラナウェイギデオン。再録後はメタ的な理由で見ることが少なかったですが……
相変わらずリミテッドでは大暴れですね。キューブでも文句なし初手級。除去であり、フィニッシャーであり、ユニークな能力と合わさって看板の一つだったように思います。
《士気溢れる徴集兵/Zealous Conscripts》で突っ込んでくるいつか見た光景まで再現可能でした。
《正義の勇者ギデオン/Gideon, Champion of Justice》はまだいるから、ギデオンファンも安心だ!
《太陽のタイタン/Sun Titan》
タイタンサイクルがキューブからいなくなるのはとても残念。とはいえ最近のカードで構成された分かりやすいキューブ、というのがスタート時のコンセプトなので、例外を作るわけにはいかない。デュエルデッキにもいたのが未練がましい。
《幻影の像/Phantasmal Image》、《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》、《刃の接合者/Blade Splicer》、《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》、《地盤の際/Tectonic Edge》、《漸増爆弾/Ratchet Bomb》など、大体何を釣っても強いとはいえ、相方次第でその強さが何倍にもなる、サイクル中でもかなり好みな一枚でしたた。構築でもお世話になったなあ。
《悪鬼の狩人/Fiend Hunter》とサクり台で無限ができるとかもありましたね。
基本セット2015とタルキール覇王譚からの新顔は次回にでも。
プレイマットとインナースリーブ
2014年12月3日 日常 コメント (2)◆ 無精が招いたともいうけれど。
我が家では、炬燵兼テーブル兼プレイスペース、というか要するに炬燵があるのですが、よくプレイマットをひいています。
その上にインナースリーブ(カードにピッチリはまるサイズのやつ)をかけたカードをおいておくと、あら不思議?
インナースリーブが驚きの速度でしわしわに……
ゲームデー優勝賞品マット、GPで配布されるマット、どちらでも同じ現象が。
ちなみにコタツに電源は入れていないときの現象です。
……マットから何か揮発してる?
我が家では、炬燵兼テーブル兼プレイスペース、というか要するに炬燵があるのですが、よくプレイマットをひいています。
その上にインナースリーブ(カードにピッチリはまるサイズのやつ)をかけたカードをおいておくと、あら不思議?
インナースリーブが驚きの速度でしわしわに……
ゲームデー優勝賞品マット、GPで配布されるマット、どちらでも同じ現象が。
ちなみにコタツに電源は入れていないときの現象です。
……マットから何か揮発してる?
Privatesqureさん、どこへ行ってしまったん?
2014年12月1日 日常 コメント (2)◆ MTG関連を追いかけるだけで、いくらでも時間が使えるDiarynoteめぐり
久々に自分の日記の検索ワードやら、お気に入り日記を見ていたら……
Privatesquareさん、更新停止してる?
http://privatesquare.info/
何かあったのでしょうか。
ご病気とかでなければいいのですけれど。
日記を始めたばかりの頃とかに、翻訳記事を紹介してもらったりして、一度ありがとうを言いたかったのに残念。
ひょっこり帰ってきてくれるよう、祈っておきます。
久々に自分の日記の検索ワードやら、お気に入り日記を見ていたら……
Privatesquareさん、更新停止してる?
http://privatesquare.info/
何かあったのでしょうか。
ご病気とかでなければいいのですけれど。
日記を始めたばかりの頃とかに、翻訳記事を紹介してもらったりして、一度ありがとうを言いたかったのに残念。
ひょっこり帰ってきてくれるよう、祈っておきます。
教科書で学べないマジック英語: 《Concession Speech/負け語り》
2014年11月29日 日常 コメント (5)◆ やっべ!筆不精すぎた!!
LSVレビューなど大型の翻訳が終わると、自分記事も書きたい!という意欲に燃えるのですが、一度止まってしまうと中々再開しづらいですね。
箸休めにマジック英語あれこれでも。
今日のネタは:
Concession Speech
いわゆる負け語りのこと。
マジックオンライン(MO)で相手のプレイヤーに、「事故に助けられたな」「運だけ雑魚乙」「シャッフラー死ね」など、チャットで生暖かく語りかけられたことのある人は少なくないはず。
もともとはアメリカの大統領選挙で、敗北した候補者が「開票が全て終わって負け確定になる前に、相手に勝ちを譲る」という形で、支持してくれた人への感謝を述べたり、対立候補を称えたりするスピーチのことを指している単語ですが、なるほど、MOで使うconcede(英単語自体は敗北を認める=勝ちを譲るという意味。つまりマジックにおいては投了)と意味合いが中々マッチしています。
(勝った相手に次ラウンドの幸運を祈ってくれたりデッキを褒めてくれるような、度量の大きいプレイヤーは少数だけどね!)
感想戦でコメントをやり取りしたり、「あのときは打消し持ってた?」などの会話を交わすことも珍しくないと思いますが、そういった建設的な議論をConcession Speechなどと揶揄して呼ぶことは少ない気がします。感情全開の悔しさで顔真っ赤なコメントの方が、より負け語りらしくて、マジックにおけるconcession speechとしてふさわしい。
負けたときはついつい悔しくって、色々ボヤきたくなりますし、他人に共感してもらいたくなるもの。
マジックにおいてこの気持ちは、国や言語で変わらないというのは面白いですね。
そのくらい色々な国で愛されているゲームということでしょう。
LSVレビューなど大型の翻訳が終わると、自分記事も書きたい!という意欲に燃えるのですが、一度止まってしまうと中々再開しづらいですね。
箸休めにマジック英語あれこれでも。
今日のネタは:
Concession Speech
いわゆる負け語りのこと。
マジックオンライン(MO)で相手のプレイヤーに、「事故に助けられたな」「運だけ雑魚乙」「シャッフラー死ね」など、チャットで生暖かく語りかけられたことのある人は少なくないはず。
もともとはアメリカの大統領選挙で、敗北した候補者が「開票が全て終わって負け確定になる前に、相手に勝ちを譲る」という形で、支持してくれた人への感謝を述べたり、対立候補を称えたりするスピーチのことを指している単語ですが、なるほど、MOで使うconcede(英単語自体は敗北を認める=勝ちを譲るという意味。つまりマジックにおいては投了)と意味合いが中々マッチしています。
(勝った相手に次ラウンドの幸運を祈ってくれたりデッキを褒めてくれるような、度量の大きいプレイヤーは少数だけどね!)
感想戦でコメントをやり取りしたり、「あのときは打消し持ってた?」などの会話を交わすことも珍しくないと思いますが、そういった建設的な議論をConcession Speechなどと揶揄して呼ぶことは少ない気がします。感情全開の悔しさで顔真っ赤なコメントの方が、より負け語りらしくて、マジックにおけるconcession speechとしてふさわしい。
負けたときはついつい悔しくって、色々ボヤきたくなりますし、他人に共感してもらいたくなるもの。
マジックにおいてこの気持ちは、国や言語で変わらないというのは面白いですね。
そのくらい色々な国で愛されているゲームということでしょう。
【翻訳】タルキール覇王譚のシールドデッキ構築 後編
2014年10月31日 翻訳 コメント (4)◆ 【翻訳】タルキール覇王譚のシールドデッキ構築
Khans of Tarkir Sealed Deck
By Reid Duke 2014年10月26日
http://www.channelfireball.com/articles/khans-of-tarkir-sealed-deck/
マナ基盤を構築する
前にも述べた通り、基本土地はなるべく中核となる2色のものにしたい。タッチする色は、特殊地形や旗で補えるようにするべきだ。下にタッチの方針を書いてみたけど、中にはフランク・カースティン(Frank Karsten)の素晴らしい記事の中で書かれていることを繰り返したり、あるいは強調するにとどまっているものもあるけど、私の考えも入ってるよ。
Frank Analysis – A Pick Order List for Khans of Tarkir Draft
http://www.channelfireball.com/articles/frank-analysis-a-pick-order-list-for-khans-of-tarkir-draft/
上記の記事の拙訳 【翻訳】フランクに考えよう タルキール覇王譚、ピック順位表 前編・後編
http://misdirection.diarynote.jp/201410222226405300/
http://misdirection.diarynote.jp/201410232042096472/
・タッチとして一番気軽なのは、変異クリーチャー1体にタッチを留めることだ。それなら対応する色マナが引けなくても使えるので、大惨事にはならない。タッチカラーの出る色マナ供給源は2枚くらいあればいいだろう。
・終盤向けの呪文を1枚タッチするなら(《砂塵破/Duneblast》とか)、色供給源は3枚くらいあれば十分だ。
・タッチしたいカードが複数枚あったり、あるいは中盤くらいには使いたい呪文をタッチするなら(《弧状の稲妻/Arc Lightning》とか《包囲サイ/Siege Rhino》とか)、対応する色マナ源は4~5枚くらい欲しい。
・仮に低マナを白と黒に寄せるよう最善を尽くしたとして、緑をタッチするのはほぼ確定としよう。アブザンの3色カードや緑の変異を数枚入れるなら、緑マナ供給源は7枚欲しいところだが、欲を言えば森の枚数は2枚までにしたい。
・「メインカラーの供給源は8~10枚くらいを目安にしたい。2マナ域が複数枚あるなら9枚は欲しいところだし、ダブルシンボルのカードがあるなら10枚は入れたい。」これはフランクの記事のまま引用させてもらうよ。
ここで書いたのは、マナ基盤構築にあたって最低限の基準だ。言い換えれば、ここで書いたことに忠実に従えば、欲張ってもそこそこのところでブレーキがかかる。当たり前のことだけれど、欲張れば欲張るほど、苦境に立たされる確率も上がってしまう。
5色でデッキを組んで、各色の色供給源を最小限まで絞ったなら、普通にプレイするより5倍は不運に見舞われる確率があるということだ。そんなデッキで長いトーナメントを勝ち抜くのは、驚異的なまでの運が必要になるだろう。色を増やせば増やしただけ、マナ基盤に望む基準も厳しくなる。それにシールドだとプールによっては、そもそも5色が選択肢に入らないこともある。その場合は何かを切らなければならないだろう。
覚えておいて欲しいのだが、4色デッキと5色デッキでは天地の差がある。2色を中心としたデッキで、別の2色を少しだけ足すのと、ド4色のデッキを使うのは全く似て非なるものだ。デッキの強さをできるだけ落とさずに、マナ基盤は安定したものにしたい。
サンプルデッキ
これがグランプリロサンゼルス14の、スーパーサンデーシリーズのシールドで私が使って6-1-1-したデッキだ。
(引き分けはIDじゃない本当の引き分け。トップ4には入れなかった)
そう、5色デッキだ。白唯一のカードは《砂塵破/Duneblast》で、白マナ源は3枚とってある。赤いカード3枚を、赤マナ源4枚で運用している(このデッキで一番欲張ったのが、赤いカードの枚数だ)。青いカードは2枚、それに青の変異クリーチャーが4枚入ってて、青マナ源は6枚。島も1枚入れた。緑と黒がメインカラーで、それぞれ9・10枚の色マナ供給源を確保してある。
これは使っていて面白いデッキだった。最初に述べておかなければならないが、強力なレアと、量的に充実したマナ基盤のあるプールを引けて、かなり幸運に恵まれていたと言えるだろう。上でも言ったけれど、5色全てを使える可能性が皆無なプールもあるのだ。平均以上のマナ安定要素を手にして尚、私はちょっとばかり強欲に構築したといえる。自分は正しい判断をしたと信じているけどね。
下のような紆余曲折を経て、最終的な上の形に落ち着いた:
まず、プール中最も強いカードが青と緑に寄っている。《サグのやっかいもの/Sagu Mauler》、《氷羽のエイヴン/Icefeather Aven》、《龍爪のスーラク/Surrak Dragonclaw》といったカードだが、何が何でも《砂塵破/Duneblast》を使うと決めていたもので、デッキはスゥルタイのタッチ白赤の方向で考えた。軽いクリーチャーは序盤に唱えられるものでなくてはならないので、変異でない軽量クリーチャーと基本土地枠に緑と黒を採用することにした。《煙の語り部/Smoke Teller》や《高山の灰色熊/Alpine Grizzly》は、赤や白、青にすらもっと優秀な低マナ域があったものの、それらを押しのけての採用だ。戦旗はプールにたくさんあったが、悠長だしパッとしないカードだし、複数枚引きたくもなかったので1枚に留めた。それと、《軍族の解体者/Butcher of the Horde》は赤と白のタッチを最小限に留めたかったので、控えに下げておくことにした。少しでもプールが違っていたら(たとえば《龍爪のスーラク/Surrak Dragonclaw》がいないとか)、4枚の赤マナ源を5枚にするとかして使っていたと思う。
今回の記事が、タルキール覇王譚のシールドデッキ入門に少しでも役立ってくれたなら幸いだ。皆がこの環境を少しでも楽しんでくれたなら嬉しい。ちょうど私自身、タルキール覇王譚で熱い気持ちが呼び覚まされたみたいにね。PTQ,グランプリ、MOのデイリーイベントと、色々なところでタルキール覇王譚シールドをプレイすると思うけれど、読者の皆のシールドが上手くいくよう祈っているよ!
Khans of Tarkir Sealed Deck
By Reid Duke 2014年10月26日
http://www.channelfireball.com/articles/khans-of-tarkir-sealed-deck/
マナ基盤を構築する
前にも述べた通り、基本土地はなるべく中核となる2色のものにしたい。タッチする色は、特殊地形や旗で補えるようにするべきだ。下にタッチの方針を書いてみたけど、中にはフランク・カースティン(Frank Karsten)の素晴らしい記事の中で書かれていることを繰り返したり、あるいは強調するにとどまっているものもあるけど、私の考えも入ってるよ。
Frank Analysis – A Pick Order List for Khans of Tarkir Draft
http://www.channelfireball.com/articles/frank-analysis-a-pick-order-list-for-khans-of-tarkir-draft/
上記の記事の拙訳 【翻訳】フランクに考えよう タルキール覇王譚、ピック順位表 前編・後編
http://misdirection.diarynote.jp/201410222226405300/
http://misdirection.diarynote.jp/201410232042096472/
・タッチとして一番気軽なのは、変異クリーチャー1体にタッチを留めることだ。それなら対応する色マナが引けなくても使えるので、大惨事にはならない。タッチカラーの出る色マナ供給源は2枚くらいあればいいだろう。
・終盤向けの呪文を1枚タッチするなら(《砂塵破/Duneblast》とか)、色供給源は3枚くらいあれば十分だ。
・タッチしたいカードが複数枚あったり、あるいは中盤くらいには使いたい呪文をタッチするなら(《弧状の稲妻/Arc Lightning》とか《包囲サイ/Siege Rhino》とか)、対応する色マナ源は4~5枚くらい欲しい。
・仮に低マナを白と黒に寄せるよう最善を尽くしたとして、緑をタッチするのはほぼ確定としよう。アブザンの3色カードや緑の変異を数枚入れるなら、緑マナ供給源は7枚欲しいところだが、欲を言えば森の枚数は2枚までにしたい。
・「メインカラーの供給源は8~10枚くらいを目安にしたい。2マナ域が複数枚あるなら9枚は欲しいところだし、ダブルシンボルのカードがあるなら10枚は入れたい。」これはフランクの記事のまま引用させてもらうよ。
ここで書いたのは、マナ基盤構築にあたって最低限の基準だ。言い換えれば、ここで書いたことに忠実に従えば、欲張ってもそこそこのところでブレーキがかかる。当たり前のことだけれど、欲張れば欲張るほど、苦境に立たされる確率も上がってしまう。
5色でデッキを組んで、各色の色供給源を最小限まで絞ったなら、普通にプレイするより5倍は不運に見舞われる確率があるということだ。そんなデッキで長いトーナメントを勝ち抜くのは、驚異的なまでの運が必要になるだろう。色を増やせば増やしただけ、マナ基盤に望む基準も厳しくなる。それにシールドだとプールによっては、そもそも5色が選択肢に入らないこともある。その場合は何かを切らなければならないだろう。
覚えておいて欲しいのだが、4色デッキと5色デッキでは天地の差がある。2色を中心としたデッキで、別の2色を少しだけ足すのと、ド4色のデッキを使うのは全く似て非なるものだ。デッキの強さをできるだけ落とさずに、マナ基盤は安定したものにしたい。
サンプルデッキ
これがグランプリロサンゼルス14の、スーパーサンデーシリーズのシールドで私が使って6-1-1-したデッキだ。
(引き分けはIDじゃない本当の引き分け。トップ4には入れなかった)
サンプルデッキ
土地
4:《森/Forest》
4:《沼/Swamp》
1:《島/Island》
1:《開拓地の野営地/Frontier Bivouac》
1:《遊牧民の前哨地/Nomad Outpost》
1:《花咲く砂地/Blossoming Sands》
1:《磨かれたやせ地/Scoured Barrens》
1:《茨森の滝/Thornwood Falls》
1:《ジャングルのうろ穴/Jungle Hollow》
1:《急流の崖/Swiftwater Cliffs》
1:《陰鬱な僻地/Dismal Backwater》
1:《血溜まりの洞窟/Bloodfell Caves》
クリーチャー
1:《縁切られた先祖/Disowned Ancestor》
1:《高地の獲物/Highland Game》
2:《煙の語り部/Smoke Teller》
1:《高山の灰色熊/Alpine Grizzly》
1:《無情な切り裂き魔/Ruthless Ripper》
1:《氷羽のエイヴン/Icefeather Aven》
1:《不気味な腸卜師/Grim Haruspex》
1:《長毛ロクソドン/Woolly Loxodon》
1:《氷河の忍び寄り/Glacial Stalker》
1:《霧炎の織り手/Mistfire Weaver》
1:《サグのやっかいもの/Sagu Mauler》
1:《龍爪のスーラク/Surrak Dragonclaw》
1:《ケルゥの戦慄の大口/Kheru Dreadmaw》
2:《スゥルタイのゴミあさり/Sultai Scavenger》
非クリーチャー
1:《スゥルタイの戦旗/Sultai Banner》
1:《弧状の稲妻/Arc Lightning》
1:《焼き払い/Burn Away》
1:《苦々しい天啓/Bitter Revelation》
1:《宝船の巡航/Treasure Cruise》
1:《砂塵破/Duneblast》
そう、5色デッキだ。白唯一のカードは《砂塵破/Duneblast》で、白マナ源は3枚とってある。赤いカード3枚を、赤マナ源4枚で運用している(このデッキで一番欲張ったのが、赤いカードの枚数だ)。青いカードは2枚、それに青の変異クリーチャーが4枚入ってて、青マナ源は6枚。島も1枚入れた。緑と黒がメインカラーで、それぞれ9・10枚の色マナ供給源を確保してある。
これは使っていて面白いデッキだった。最初に述べておかなければならないが、強力なレアと、量的に充実したマナ基盤のあるプールを引けて、かなり幸運に恵まれていたと言えるだろう。上でも言ったけれど、5色全てを使える可能性が皆無なプールもあるのだ。平均以上のマナ安定要素を手にして尚、私はちょっとばかり強欲に構築したといえる。自分は正しい判断をしたと信じているけどね。
下のような紆余曲折を経て、最終的な上の形に落ち着いた:
まず、プール中最も強いカードが青と緑に寄っている。《サグのやっかいもの/Sagu Mauler》、《氷羽のエイヴン/Icefeather Aven》、《龍爪のスーラク/Surrak Dragonclaw》といったカードだが、何が何でも《砂塵破/Duneblast》を使うと決めていたもので、デッキはスゥルタイのタッチ白赤の方向で考えた。軽いクリーチャーは序盤に唱えられるものでなくてはならないので、変異でない軽量クリーチャーと基本土地枠に緑と黒を採用することにした。《煙の語り部/Smoke Teller》や《高山の灰色熊/Alpine Grizzly》は、赤や白、青にすらもっと優秀な低マナ域があったものの、それらを押しのけての採用だ。戦旗はプールにたくさんあったが、悠長だしパッとしないカードだし、複数枚引きたくもなかったので1枚に留めた。それと、《軍族の解体者/Butcher of the Horde》は赤と白のタッチを最小限に留めたかったので、控えに下げておくことにした。少しでもプールが違っていたら(たとえば《龍爪のスーラク/Surrak Dragonclaw》がいないとか)、4枚の赤マナ源を5枚にするとかして使っていたと思う。
今回の記事が、タルキール覇王譚のシールドデッキ入門に少しでも役立ってくれたなら幸いだ。皆がこの環境を少しでも楽しんでくれたなら嬉しい。ちょうど私自身、タルキール覇王譚で熱い気持ちが呼び覚まされたみたいにね。PTQ,グランプリ、MOのデイリーイベントと、色々なところでタルキール覇王譚シールドをプレイすると思うけれど、読者の皆のシールドが上手くいくよう祈っているよ!
【翻訳】タルキール覇王譚のシールドデッキ構築 前編
2014年10月28日 翻訳 コメント (2)◆ 【翻訳】タルキール覇王譚のシールドデッキ構築
Khans of Tarkir Sealed Deck
By Reid Duke 2014年10月26日
http://www.channelfireball.com/articles/khans-of-tarkir-sealed-deck/
今ではやる機会が少なくなってしまったが、私のトーナメントプレイヤーとしてのルーツはシールド戦にあると思う。プロツアーに出るよりも前のことだが、せっせとマジックオンライン(MO)に励んでいた頃、シールドは一番楽しく、かつ得意なフォーマットだった。それがごく最近になって、また熱い気持ちが湧いてきたんだ。長いこと忘れていた気持ちをタルキール覇王譚が呼び覚ましてくれた。やはりシールドは最高だ。
タルキール覇王譚のシールドは、あらゆる面にて深遠で、やりごたえがあってしかも面白い。どの色を使うか、一色をタッチで使うか、先手と後手のどちらを取るべきか、それにこれはジョン(Jon Finkel)と4ラウンド目の2ゲーム目でも起こったことだけど、5ターン目の変異をブロックすべきかスルーすべきか。数限りなく問いが生まれ、簡単に答えの出るものはほとんとない。
今日のこの記事は、タルキール覇王譚のシールドについて考えるきっかけを提供できたらというのが目標だ。特に強さと色安定のバランスをいかに適正に保つかというところに重点を置いて話したい。タルキール覇王譚に限定して話すので、シールド全般のことならこちらを見てほしい。
Sealed Deck by Reid Duke (リンク先は英語)
http://magic.wizards.com/en/articles/archive/lo/sealed-deck-2014-09-15
タルキール覇王譚のシールドは、タルキール覇王譚*3のドラフトとどう異なるのか?
どんなセットにも言えることだが、シールドとドラフトのデッキが最も異なる点として、デッキの焦点の定まり具合が挙げられる。ブースター・ドラフトでは、特定の一貫した戦略を意識して、それに合わせたピックを行うことが可能だ。シールドの場合、ドラフトの方針をそのまま転用するのは少し難しい。。
デッキの焦点が定まりきらないせいで、タルキール覇王譚のシールドで特に顕著となることが2点ある。第一に、ゲーム展開がかなりゆっくりになるため、序盤に激しく攻勢に出ることで勝ちをもぎ取るのは非常に困難だ。ドラフトで強いデッキが組めた場合、3マナに到達して変異の出てくる前に、クリーチャーを1体でも2体でもとにかく並べ立てて、コンバットトリックで押し通したりテンポを奪ったりして、初動が変異の対戦相手を最後まで後手後手に押し込んでしまうことができる。シールドのゲームでそんな状況は作りにくい。初動が変異クリーチャーだったとしても、致命的なまでに押し負けることはほとんどない。後手のときですら、初動が変異クリーチャーだからといって、それが原因で押し負けることは少ない。
第二に重要なのはマナ関連だ。ドラフトでは自分のやりたい色の土地を優先して集めることができるが、シールドでは運を天に任せるしかない。パックから都合よく土地が出るようお祈りするわけだが、毎回特定の氏族をサポートするように偏って出てくれるわけでもないし、プールの中で使いたいと思うカードに土地が合わせて出てくれる保証もない。むしろ色の組み合わせは、ばらばらでまとまりのないことの方が多いだろう。
色を選ぶ
タルキール覇王譚のドラフトでは、何ら問題なく2色のデッキを仕上げることが可能だが、シールドで2色のデッキにはお目にかかったことがない。というより個人的経験だが、綺麗な3色のデッキすらほとんど見たことがない。多くの人が4色目に手を伸ばすし、5色のデッキすら全く珍しくない。一般的に、色を足すときは切実な理由に駆られてのことが多いが、タルキール覇王譚のシールドでは、色を増やすことで咎められることはあまりない。特にゲームが低速化するシールド戦において顕著だ。
《砂塵破/Duneblast》のような、ゲームを終わらせるだけの爆弾レアカードがプールにあったら、ほぼ使うのが大正義。強いられていると言ってもいい。かなり特殊な状況でもない限り、砂塵破を撃つというのは、ゲームに勝つのとほぼ同意義だ。終盤に使えればいいカードの場合、タッチ色の出るマナソースは3枚程度あれば十分といえる。シールドのプールだと大体、基本土地を全く使わなくても特定の色を出せるマナソースが3枚くらいはあるものだ。砂塵破を見たら最初に考えるのはアブザンだが、スゥルタイやマルドゥで組んで、必要な色をタッチするという使い方でも全く差し支えない。
砂塵破は何が何でも絶対に使いたいカードの典型例だ。色シンボルが3色ともシングルシンボルで、終盤撃てれば良いカードであり、ゲームへの勝ちに直結する。このことは(砂塵破と比べると、ゲームに対する支配力はまちまちなものの)《火口の爪/Crater’s Claws》、《真面目な訪問者、ソリン/Sorin, Solemn Visitor》、《兜砕きのズルゴ/Zurgo Helmsmasher》、《飛鶴の技/Flying Crane Technique》、《サグのやっかいもの/Sagu Mauler》など、相当数のカードにも当てはまる。色安定要素が不運にも絶望的なまでに足りないとき以外、サイドボードにこういった一枚で勝てるカードを残さないようにしたい(とはいえ、マナ基盤に恵まれないのは実際に可能性としてあり得るので、そんな状況にも面食らわないよう心の準備をしておきたい)。
ステップ1.爆弾レアはなるべく使うようにする。
爆弾レアというのは、単体でゲーム結果を左右する可能性があるカードのことを指す。単純に軽くて使い勝手の良い呪文と混同しないようにしてほしい。《ラクシャーサの死与え/Rakshasa Deathdealer》、《カマキリの乗り手/Mantis Rider》、《先頭に立つもの、アナフェンザ/Anafenza, the Foremost》といったカードの強さはいくら語っても語り尽くせないほどだが、《砂塵破/Duneblast》と同類ではない。死与えやカマキリの乗り手にもゲーム勝者を決定づけるくらいの力はあるが、それは序盤に引いてきて早くに唱えることができた場合に限られる。たとえばアナフェンザのために色をタッチしたとしても見返りは少ない。アナフェンザとて6~7ターン目までに唱えられなければ、代わりにコモンやアンコモンのクリーチャーを投入しているのと、あまり変わらないのだ。
爆弾レアを検討した後は、優良除去と、安定したカードアドバンテージを稼げるカードを探そう。私の考えでは、タルキール覇王譚シールドにおいて、アドバンテージ源として一番優秀なコモンは《宝船の巡航/Treasure Cruise》と《苦々しい天啓/Bitter Revelation》だ。優良除去としては、《完全なる終わり/Utter End》、《アブザンの魔除け/Abzan Charm》、《弧状の稲妻/Arc Lightning》、《残忍な切断/Murderous Cut》、《死の投下/Dead Drop》、《死の激情/Death Frenzy》、《道極め/Master the Way》、《停止の場/Suspension Field》あたりだ。《騎乗追撃/Ride Down》や《凶暴な殴打/Savage Punch》も、然るべきデッキで使えば上のカードと並びうる性能が出せるだろう。《焼き払い/Burn Away》や《消耗する負傷/Debilitating Injury》、それにアブザン以外の魔除けは、中々強いながら真に優秀かと問われるとギリギリ含まれるか含まれないか、微妙なところだ。
ステップ2.カードアドバンテージを取れるカードと除去はできるだけ使うようにする。
さて、ステップ1・2と順に辿ってきていれば、色ごとにばらつきが出たりはするものの、選り分けた優良カードの束が目の前にできているはずだ。運が良ければ、使いたいカードの色は5色に散らばっておらず、わかりやすく特定の色に固まっているだろう。そこまでわかりやすいことは少なくても、3~4色に偏っていることはあるかもしれない。もしくは逆に、候補にあがらない色を切れる場合もあるだろう(たとえば爆弾レアがなくて、《弧状の稲妻/Arc Lightning》しかない赤、のような具合に)。
次に頭の中で組み立てるべきなのが、デッキのマナ基盤だ。プールには戦旗が結構あると思うけど、戦旗は入っても1枚かせいぜい2枚だと思う。見るべきなのは土地だ。3色の出るトライランドは、3色中2色しか合っていなくても喜んで使うだろうから、まずデッキに入るとみていい。コモンの2色土地を見れば、どの色の組み合わせがやりやすく、タッチ可能な色にも見当がつくだろう。
ステップ3.使いたい爆弾レアや優良カードとマナ供給源を突き合わせて検討する。特殊地形を見て、何が使えて何が使えないか、考えを整理する。
ここからが重要で、我慢のしどころだ。しっかりと自制心を持とう。多くのプレイヤーが罠にかかるのがマナ基盤で、ここで躓くと致命的になりかねない。
ステップ4.強レア・除去・アドバンテージ源を見たら、残りのカードは2色に寄せてデッキを構築する。
2色の構築を金科玉条として死守する必要はないものの、2色に寄せるというのは指針として素晴らしいものだと思う。デッキができる限り2色になるよう、全プレイヤーが最善を尽くすべきといってもいいくらいだ。4~5色だからといって、全ての色の基本土地を入れるのは避けること。そんな真似をしたら、単純にマナ基盤がガタガタで安定を欠くものになってしまう。理想的な話をすれば、デッキの核は2色にキッチリ寄せてあるべきで、序盤はそのメイン2色のカードを使えるようにしておきたい。メイン2色がしっかりできて初めて、終盤唱えられればいい爆弾レアや優良カードをタッチすることを考える選択肢が生まれる。とはいえそれでも、色をタッチして使うカードは出来る限り少量に留めたい。
タルキール覇王譚の場合、入れ替えても似たような役割を果たすことのできるカードが大半を占める。主に変異というメカニズムのおかげだけれど、他のカードが霞んでしまうくらい、ぶっ飛んだコモンやアンコモンが各色に無いせいでもある(つまり、《三つぞろいの霊魂/Triplicate Spirits》や《火炎放射/Cone of Flame》、《アスフォデルの灰色商人/Gray Merchant of Asphodel》といった連中のことだ)
どんなクリーチャーを使うにしても、また使われるにしても、戦闘では相討ちが多くの場合基本となるだろう。もしくは爆弾レアを引くまで死なないようにするための肉壁のように考えてもいい。
《必殺の一射/Kill Shot》、《大物潰し/Smite the Monstrous》、《矢の嵐/Arrow Storm》に《絞首/Throttle》といった、いつでも使いたいコモンの優良除去が環境には存在する。しかし、シールドではクリーチャーの密度を高く保つのが重要だ。絞首を使わず、代わりに平凡なクリーチャーを入れたからといって、そのせいで負けるようなことは普通起きない。
とにかく基本となる2色を選ぼう。タルキール覇王譚では、大体対抗色の組み合わせになるだろう。選ぶときは、使用に堪えるカードの枚数を見て、それに絶対に使いたいカードを上手く組み込むことができるかを考え、マナ基盤と相談するのが肝要だ。《ラクシャーサの死与え/Rakshasa Deathdealer》のような、軽くて超強力なカードが影響してくるのはこの段階だ。序盤展開するカードは基本となる2色のカードであるべきだし、基本土地はなるべくメイン2色のもののみを使うようにしたい。初手にはなるべく、基本2色の出るマナソースが欲しいからね。キープする際、メインカラーが初手で確保できているのなら、たとえタッチ色が出なくても安心してキープできるはずだ。
ここでまた思い出してほしいのが、大概のカードは他のカードと交換しても、大勢に影響はないということだ。《雪花石の麒麟/Alabaster Kirin》、《高山の灰色熊/Alpine Grizzly》、《射手の胸壁/Archers’ Parapet》、《縁切られた先祖/Disowned Ancestor》、《氷河の忍び寄り/Glacial Stalker》、《跳躍の達人/Leaping Master》、《クルーマの盟族/Krumar Bond-Kin》、《僧院の群れ/Monastery Flock》、《塩路の巡回兵/Salt Road Patrol》、《山頂をうろつくもの/Summit Prowler》といったカードはデッキの屋台骨となる連中だが、ここで名をあげたカードはどれを使おうとも、他の何かより圧倒的に優れているとか劣っているということはない。マナが安定するように選択すればいいのだ。
マナ基盤を構築する以降は後編にて
Khans of Tarkir Sealed Deck
By Reid Duke 2014年10月26日
http://www.channelfireball.com/articles/khans-of-tarkir-sealed-deck/
今ではやる機会が少なくなってしまったが、私のトーナメントプレイヤーとしてのルーツはシールド戦にあると思う。プロツアーに出るよりも前のことだが、せっせとマジックオンライン(MO)に励んでいた頃、シールドは一番楽しく、かつ得意なフォーマットだった。それがごく最近になって、また熱い気持ちが湧いてきたんだ。長いこと忘れていた気持ちをタルキール覇王譚が呼び覚ましてくれた。やはりシールドは最高だ。
タルキール覇王譚のシールドは、あらゆる面にて深遠で、やりごたえがあってしかも面白い。どの色を使うか、一色をタッチで使うか、先手と後手のどちらを取るべきか、それにこれはジョン(Jon Finkel)と4ラウンド目の2ゲーム目でも起こったことだけど、5ターン目の変異をブロックすべきかスルーすべきか。数限りなく問いが生まれ、簡単に答えの出るものはほとんとない。
今日のこの記事は、タルキール覇王譚のシールドについて考えるきっかけを提供できたらというのが目標だ。特に強さと色安定のバランスをいかに適正に保つかというところに重点を置いて話したい。タルキール覇王譚に限定して話すので、シールド全般のことならこちらを見てほしい。
Sealed Deck by Reid Duke (リンク先は英語)
http://magic.wizards.com/en/articles/archive/lo/sealed-deck-2014-09-15
タルキール覇王譚のシールドは、タルキール覇王譚*3のドラフトとどう異なるのか?
どんなセットにも言えることだが、シールドとドラフトのデッキが最も異なる点として、デッキの焦点の定まり具合が挙げられる。ブースター・ドラフトでは、特定の一貫した戦略を意識して、それに合わせたピックを行うことが可能だ。シールドの場合、ドラフトの方針をそのまま転用するのは少し難しい。。
デッキの焦点が定まりきらないせいで、タルキール覇王譚のシールドで特に顕著となることが2点ある。第一に、ゲーム展開がかなりゆっくりになるため、序盤に激しく攻勢に出ることで勝ちをもぎ取るのは非常に困難だ。ドラフトで強いデッキが組めた場合、3マナに到達して変異の出てくる前に、クリーチャーを1体でも2体でもとにかく並べ立てて、コンバットトリックで押し通したりテンポを奪ったりして、初動が変異の対戦相手を最後まで後手後手に押し込んでしまうことができる。シールドのゲームでそんな状況は作りにくい。初動が変異クリーチャーだったとしても、致命的なまでに押し負けることはほとんどない。後手のときですら、初動が変異クリーチャーだからといって、それが原因で押し負けることは少ない。
第二に重要なのはマナ関連だ。ドラフトでは自分のやりたい色の土地を優先して集めることができるが、シールドでは運を天に任せるしかない。パックから都合よく土地が出るようお祈りするわけだが、毎回特定の氏族をサポートするように偏って出てくれるわけでもないし、プールの中で使いたいと思うカードに土地が合わせて出てくれる保証もない。むしろ色の組み合わせは、ばらばらでまとまりのないことの方が多いだろう。
色を選ぶ
タルキール覇王譚のドラフトでは、何ら問題なく2色のデッキを仕上げることが可能だが、シールドで2色のデッキにはお目にかかったことがない。というより個人的経験だが、綺麗な3色のデッキすらほとんど見たことがない。多くの人が4色目に手を伸ばすし、5色のデッキすら全く珍しくない。一般的に、色を足すときは切実な理由に駆られてのことが多いが、タルキール覇王譚のシールドでは、色を増やすことで咎められることはあまりない。特にゲームが低速化するシールド戦において顕著だ。
《砂塵破/Duneblast》のような、ゲームを終わらせるだけの爆弾レアカードがプールにあったら、ほぼ使うのが大正義。強いられていると言ってもいい。かなり特殊な状況でもない限り、砂塵破を撃つというのは、ゲームに勝つのとほぼ同意義だ。終盤に使えればいいカードの場合、タッチ色の出るマナソースは3枚程度あれば十分といえる。シールドのプールだと大体、基本土地を全く使わなくても特定の色を出せるマナソースが3枚くらいはあるものだ。砂塵破を見たら最初に考えるのはアブザンだが、スゥルタイやマルドゥで組んで、必要な色をタッチするという使い方でも全く差し支えない。
砂塵破は何が何でも絶対に使いたいカードの典型例だ。色シンボルが3色ともシングルシンボルで、終盤撃てれば良いカードであり、ゲームへの勝ちに直結する。このことは(砂塵破と比べると、ゲームに対する支配力はまちまちなものの)《火口の爪/Crater’s Claws》、《真面目な訪問者、ソリン/Sorin, Solemn Visitor》、《兜砕きのズルゴ/Zurgo Helmsmasher》、《飛鶴の技/Flying Crane Technique》、《サグのやっかいもの/Sagu Mauler》など、相当数のカードにも当てはまる。色安定要素が不運にも絶望的なまでに足りないとき以外、サイドボードにこういった一枚で勝てるカードを残さないようにしたい(とはいえ、マナ基盤に恵まれないのは実際に可能性としてあり得るので、そんな状況にも面食らわないよう心の準備をしておきたい)。
ステップ1.爆弾レアはなるべく使うようにする。
爆弾レアというのは、単体でゲーム結果を左右する可能性があるカードのことを指す。単純に軽くて使い勝手の良い呪文と混同しないようにしてほしい。《ラクシャーサの死与え/Rakshasa Deathdealer》、《カマキリの乗り手/Mantis Rider》、《先頭に立つもの、アナフェンザ/Anafenza, the Foremost》といったカードの強さはいくら語っても語り尽くせないほどだが、《砂塵破/Duneblast》と同類ではない。死与えやカマキリの乗り手にもゲーム勝者を決定づけるくらいの力はあるが、それは序盤に引いてきて早くに唱えることができた場合に限られる。たとえばアナフェンザのために色をタッチしたとしても見返りは少ない。アナフェンザとて6~7ターン目までに唱えられなければ、代わりにコモンやアンコモンのクリーチャーを投入しているのと、あまり変わらないのだ。
爆弾レアを検討した後は、優良除去と、安定したカードアドバンテージを稼げるカードを探そう。私の考えでは、タルキール覇王譚シールドにおいて、アドバンテージ源として一番優秀なコモンは《宝船の巡航/Treasure Cruise》と《苦々しい天啓/Bitter Revelation》だ。優良除去としては、《完全なる終わり/Utter End》、《アブザンの魔除け/Abzan Charm》、《弧状の稲妻/Arc Lightning》、《残忍な切断/Murderous Cut》、《死の投下/Dead Drop》、《死の激情/Death Frenzy》、《道極め/Master the Way》、《停止の場/Suspension Field》あたりだ。《騎乗追撃/Ride Down》や《凶暴な殴打/Savage Punch》も、然るべきデッキで使えば上のカードと並びうる性能が出せるだろう。《焼き払い/Burn Away》や《消耗する負傷/Debilitating Injury》、それにアブザン以外の魔除けは、中々強いながら真に優秀かと問われるとギリギリ含まれるか含まれないか、微妙なところだ。
ステップ2.カードアドバンテージを取れるカードと除去はできるだけ使うようにする。
さて、ステップ1・2と順に辿ってきていれば、色ごとにばらつきが出たりはするものの、選り分けた優良カードの束が目の前にできているはずだ。運が良ければ、使いたいカードの色は5色に散らばっておらず、わかりやすく特定の色に固まっているだろう。そこまでわかりやすいことは少なくても、3~4色に偏っていることはあるかもしれない。もしくは逆に、候補にあがらない色を切れる場合もあるだろう(たとえば爆弾レアがなくて、《弧状の稲妻/Arc Lightning》しかない赤、のような具合に)。
次に頭の中で組み立てるべきなのが、デッキのマナ基盤だ。プールには戦旗が結構あると思うけど、戦旗は入っても1枚かせいぜい2枚だと思う。見るべきなのは土地だ。3色の出るトライランドは、3色中2色しか合っていなくても喜んで使うだろうから、まずデッキに入るとみていい。コモンの2色土地を見れば、どの色の組み合わせがやりやすく、タッチ可能な色にも見当がつくだろう。
ステップ3.使いたい爆弾レアや優良カードとマナ供給源を突き合わせて検討する。特殊地形を見て、何が使えて何が使えないか、考えを整理する。
ここからが重要で、我慢のしどころだ。しっかりと自制心を持とう。多くのプレイヤーが罠にかかるのがマナ基盤で、ここで躓くと致命的になりかねない。
ステップ4.強レア・除去・アドバンテージ源を見たら、残りのカードは2色に寄せてデッキを構築する。
2色の構築を金科玉条として死守する必要はないものの、2色に寄せるというのは指針として素晴らしいものだと思う。デッキができる限り2色になるよう、全プレイヤーが最善を尽くすべきといってもいいくらいだ。4~5色だからといって、全ての色の基本土地を入れるのは避けること。そんな真似をしたら、単純にマナ基盤がガタガタで安定を欠くものになってしまう。理想的な話をすれば、デッキの核は2色にキッチリ寄せてあるべきで、序盤はそのメイン2色のカードを使えるようにしておきたい。メイン2色がしっかりできて初めて、終盤唱えられればいい爆弾レアや優良カードをタッチすることを考える選択肢が生まれる。とはいえそれでも、色をタッチして使うカードは出来る限り少量に留めたい。
タルキール覇王譚の場合、入れ替えても似たような役割を果たすことのできるカードが大半を占める。主に変異というメカニズムのおかげだけれど、他のカードが霞んでしまうくらい、ぶっ飛んだコモンやアンコモンが各色に無いせいでもある(つまり、《三つぞろいの霊魂/Triplicate Spirits》や《火炎放射/Cone of Flame》、《アスフォデルの灰色商人/Gray Merchant of Asphodel》といった連中のことだ)
どんなクリーチャーを使うにしても、また使われるにしても、戦闘では相討ちが多くの場合基本となるだろう。もしくは爆弾レアを引くまで死なないようにするための肉壁のように考えてもいい。
《必殺の一射/Kill Shot》、《大物潰し/Smite the Monstrous》、《矢の嵐/Arrow Storm》に《絞首/Throttle》といった、いつでも使いたいコモンの優良除去が環境には存在する。しかし、シールドではクリーチャーの密度を高く保つのが重要だ。絞首を使わず、代わりに平凡なクリーチャーを入れたからといって、そのせいで負けるようなことは普通起きない。
とにかく基本となる2色を選ぼう。タルキール覇王譚では、大体対抗色の組み合わせになるだろう。選ぶときは、使用に堪えるカードの枚数を見て、それに絶対に使いたいカードを上手く組み込むことができるかを考え、マナ基盤と相談するのが肝要だ。《ラクシャーサの死与え/Rakshasa Deathdealer》のような、軽くて超強力なカードが影響してくるのはこの段階だ。序盤展開するカードは基本となる2色のカードであるべきだし、基本土地はなるべくメイン2色のもののみを使うようにしたい。初手にはなるべく、基本2色の出るマナソースが欲しいからね。キープする際、メインカラーが初手で確保できているのなら、たとえタッチ色が出なくても安心してキープできるはずだ。
ここでまた思い出してほしいのが、大概のカードは他のカードと交換しても、大勢に影響はないということだ。《雪花石の麒麟/Alabaster Kirin》、《高山の灰色熊/Alpine Grizzly》、《射手の胸壁/Archers’ Parapet》、《縁切られた先祖/Disowned Ancestor》、《氷河の忍び寄り/Glacial Stalker》、《跳躍の達人/Leaping Master》、《クルーマの盟族/Krumar Bond-Kin》、《僧院の群れ/Monastery Flock》、《塩路の巡回兵/Salt Road Patrol》、《山頂をうろつくもの/Summit Prowler》といったカードはデッキの屋台骨となる連中だが、ここで名をあげたカードはどれを使おうとも、他の何かより圧倒的に優れているとか劣っているということはない。マナが安定するように選択すればいいのだ。
マナ基盤を構築する以降は後編にて
【翻訳】フランクに考えよう タルキール覇王譚、ピック順位表 後編
2014年10月23日 翻訳 コメント (9)◆ 【翻訳】フランクに考えよう タルキール覇王譚、ピック順位表
Frank Analysis - A Pick Order List for Khans of Tarkir Draft
By Frank Karsten 2014年10月21日
http://www.channelfireball.com/articles/frank-analysis-a-pick-order-list-for-khans-of-tarkir-draft/
どれも非常に強力なカードのは誰の目にも明らか。唱えることができさえすれば、だが。《カマキリの乗り手/Mantis Rider》のようなカードを初手で取るのは好みじゃない。安定して3ターン目にカマキリの乗り手を唱えられるマナ基盤を構築するのは容易でないし、いきなりジェスカイを決め打っているようなものだ。不人気な色や氏族に乗り換えるのが難しくなるだけでなく、2色デッキも選択肢から外れてしまう。2色のレアが3色のレアより上に来ているのは、色シンボルのせい。
しつこいようだけれど、強力な爆弾レアがピック順位表で一見弱い単色のカードの後塵を拝しているのは、ピックの柔軟さが失われるというのが理由だ。ジェスカイに行くことを決めてマナ基盤がある状態で、2パック目に《カマキリの乗り手/Mantis Rider》と《ジェスカイの風物見/Jeskai Windscout》が一緒にいたら、カマキリの乗り手を取るよ。
どれも重かったり、強さが状況に依存したりといった欠点はあるけれど、どれも盤面に大きな影響を与えるカードたちだ。だから初手で上のどれかを取って皮切りにできるなら満足だよ。初手《対立の終結/End Hostilities》だったら、戦旗を2枚くらい入れた5色デッキの構築へ切り替えてもいいと思う。
5色デッキをドラフトで組むなら、青い回避能力持ちのクリーチャーなんかそっちのけで土地を確保すべきだろう。とはいえ可能であれば2色を組むという私のプランだと、評価は少し下がってこのくらいの評価に落ち着く。
4マナ以下で変異が表になっても、戦闘で一方殺を取ることはできないようになっている。とはいえ、《無情な切り裂き魔/Ruthless Ripper》と《龍の眼の学者/Dragon’s Eye Savants》は、かなり大きくテンポを稼げる可能性がある。たとえば5ターン目に相手が攻撃してきてこちらも変異で迎撃したとして、相手が《雪角の乗り手/Snowhorn Rider》を表にしたところで、こちらも切り裂き魔や学者を表にして受け止めてやれば、相手は5マナも無駄に使った上に、こちらがダメージレースで有意に立てる。加えてどちらも土地が止まったり、劣勢な場合には表で出して差し支えない性能だ。《ティムールの軍馬/Temur Charger》や《軍団の伏兵/Horde Ambusher》もいいね。2マナ域を埋めてくれるし、終盤にブラフや奇襲効果として活用できる可能性を秘めている。
《凶暴な殴打/Savage Punch》、《マルドゥの戦叫び/Mardu Warshrieker》、《抵抗の妙技/Feat of Resistance》、《消耗する負傷/Debilitating Injury》は各色の最強コモンだと思う。きちんと性能を引き出せるようにデッキを組めば、凶暴な殴打は《破滅の刃/Doom Blade》を上回る除去になるし、マルドゥの戦叫びは《Black Lotus》だ(分かった分かった、Black Lotusってのは盛りすぎたけど、何が言いたいかは理解してくれたと思う)。
航空戦力が高く評価されているのも気づいてくれたかと思う。この環境を制する鍵となるのは回避能力だ。
どれも強力だけれど、多色だから少し評価は下げざるを得ない。それと個人的な好みで、黒いカードの評価は他の色と比べて少し低めに見積もってある。
ここらで注記として記しておきたいんだが、このあたりから1-1の初手という概念が少し緩くなってくる。というのも、実際にこのあたりのカードを初手にしてドラフトを開始することはまずないからだ。たとえば《山頂をうろつくもの/Summit Prowler》、《アブザンの魔除け/Abzan Charm》、《茨森の滝/Thornwood Falls》の中から初手を選ぶとき、表やランキングなどより、実際に使ってみた経験を基に考えることが多いからだ。なのではっきりとした意味を持つ、有意義な順位表を作るのは難しい。それでも何とか表の形にはしてみた。
どれもが普通にデッキに入るものの、デッキによって強さが変わってくるカードが多い。たとえば《増え続ける成長/Incremental Growth》は、+1/+1カウンターで能力を付与するクリーチャーを擁するアブザンで使えば非常に強力なものの、クリーチャーの少ないデッキでは微妙でしかない。《略奪者の戦利品/Raiders’ Spoils》は、白黒の戦士に寄せたデッキだと手が付けられない強さだが、5色の戦士不在のデッキで、使用に堪えるカードではない。といった具合に、こういったカードを順位表に含めるのは難しかったけれど、それでも大体は評価順に並べられたかな。
3色出るトライランドには見劣りするものの、数枚はデッキに入れたい。
然るべきデッキで使えば、何らかの仕事はしてくれるかなと思える程度のカード。いわゆるデッキの23枚目。
まあ、《ウギンのきずな/Ugin’s Nexus》とかリミテッド用に作られたカードじゃないだろうし。
というわけで、今日のところはこれにておしまい。冒頭でも触れたけれど、タルキール覇王譚のリミテッド環境は実に奥深いので、今後ドラフトをするたびにこの順位表も間違いなく変わると思う。私の見解が参考になったら幸いだ。コメントでも、読んでくれた皆の意見を聴けるのを楽しみにしているよ!
Frank Analysis - A Pick Order List for Khans of Tarkir Draft
By Frank Karsten 2014年10月21日
http://www.channelfireball.com/articles/frank-analysis-a-pick-order-list-for-khans-of-tarkir-draft/
最強格の多色レア・神話レアたち
《真面目な訪問者、ソリン/Sorin, Solemn Visitor》
《道極め/Master the Way》
《完全なる終わり/Utter End》
《ラクシャーサの死与え/Rakshasa Deathdealer》
《軍族の解体者/Butcher of the Horde》
《包囲サイ/Siege Rhino》
《カマキリの乗り手/Mantis Rider》
《凶暴な拳刃/Savage Knuckleblade》
《血の暴君、シディシ/Sidisi, Brood Tyrant》
《龍爪のスーラク/Surrak Dragonclaw》
《兜砕きのズルゴ/Zurgo Helmsmasher》
《飛鶴の技/Flying Crane Technique》
どれも非常に強力なカードのは誰の目にも明らか。唱えることができさえすれば、だが。《カマキリの乗り手/Mantis Rider》のようなカードを初手で取るのは好みじゃない。安定して3ターン目にカマキリの乗り手を唱えられるマナ基盤を構築するのは容易でないし、いきなりジェスカイを決め打っているようなものだ。不人気な色や氏族に乗り換えるのが難しくなるだけでなく、2色デッキも選択肢から外れてしまう。2色のレアが3色のレアより上に来ているのは、色シンボルのせい。
しつこいようだけれど、強力な爆弾レアがピック順位表で一見弱い単色のカードの後塵を拝しているのは、ピックの柔軟さが失われるというのが理由だ。ジェスカイに行くことを決めてマナ基盤がある状態で、2パック目に《カマキリの乗り手/Mantis Rider》と《ジェスカイの風物見/Jeskai Windscout》が一緒にいたら、カマキリの乗り手を取るよ。
単色の強レア
《対立の終結/End Hostilities》
《龍流派の双子/Dragon-Style Twins》
《死滅都市の悪鬼/Necropolis Fiend》
《凍氷破/Icy Blast》
《アナフェンザの伝令/Herald of Anafenza》
《書かれざるものの視認/See the Unwritten》
どれも重かったり、強さが状況に依存したりといった欠点はあるけれど、どれも盤面に大きな影響を与えるカードたちだ。だから初手で上のどれかを取って皮切りにできるなら満足だよ。初手《対立の終結/End Hostilities》だったら、戦旗を2枚くらい入れた5色デッキの構築へ切り替えてもいいと思う。
トライランド
《開拓地の野営地/Frontier Bivouac》
《神秘の僧院/Mystic Monastery》
《華やかな宮殿/Opulent Palace》
《遊牧民の前哨地/Nomad Outpost》
《砂草原の城塞/Sandsteppe Citadel》
5色デッキをドラフトで組むなら、青い回避能力持ちのクリーチャーなんかそっちのけで土地を確保すべきだろう。とはいえ可能であれば2色を組むという私のプランだと、評価は少し下がってこのくらいの評価に落ち着く。
単色の優良コモン・アンコモン
《無情な切り裂き魔/Ruthless Ripper》
《龍の眼の学者/Dragon’s Eye Savants》
《ティムールの軍馬/Temur Charger》
《軍団の伏兵/Horde Ambusher》
《凶暴な殴打/Savage Punch》
《マルドゥの戦叫び/Mardu Warshrieker》
《抵抗の妙技/Feat of Resistance》
《消耗する負傷/Debilitating Injury》
《矢の嵐/Arrow Storm》
《焼き払い/Burn Away》
《打ち倒し/Bring Low》
《休息地の見張り/Watcher of the Roost》
《雪花石の麒麟/Alabaster Kirin》
《アイノクの盟族/Ainok Bond-Kin》
《スゥルタイの剥ぎ取り/Sultai Flayer》
《牙守りの隊長/Tuskguard Captain》
《山頂をうろつくもの/Summit Prowler》
《氷河の忍び寄り/Glacial Stalker》
4マナ以下で変異が表になっても、戦闘で一方殺を取ることはできないようになっている。とはいえ、《無情な切り裂き魔/Ruthless Ripper》と《龍の眼の学者/Dragon’s Eye Savants》は、かなり大きくテンポを稼げる可能性がある。たとえば5ターン目に相手が攻撃してきてこちらも変異で迎撃したとして、相手が《雪角の乗り手/Snowhorn Rider》を表にしたところで、こちらも切り裂き魔や学者を表にして受け止めてやれば、相手は5マナも無駄に使った上に、こちらがダメージレースで有意に立てる。加えてどちらも土地が止まったり、劣勢な場合には表で出して差し支えない性能だ。《ティムールの軍馬/Temur Charger》や《軍団の伏兵/Horde Ambusher》もいいね。2マナ域を埋めてくれるし、終盤にブラフや奇襲効果として活用できる可能性を秘めている。
《凶暴な殴打/Savage Punch》、《マルドゥの戦叫び/Mardu Warshrieker》、《抵抗の妙技/Feat of Resistance》、《消耗する負傷/Debilitating Injury》は各色の最強コモンだと思う。きちんと性能を引き出せるようにデッキを組めば、凶暴な殴打は《破滅の刃/Doom Blade》を上回る除去になるし、マルドゥの戦叫びは《Black Lotus》だ(分かった分かった、Black Lotusってのは盛りすぎたけど、何が言いたいかは理解してくれたと思う)。
航空戦力が高く評価されているのも気づいてくれたかと思う。この環境を制する鍵となるのは回避能力だ。
優良多色カード
《高峰のカマキリ/Highspire Mantis》
《熊の仲間/Bear’s Companion》
《軍備部隊/Armament Corps》
《足首裂き/Ankle Shanker》
《先頭に立つもの、アナフェンザ/Anafenza, the Foremost》
《アブザンの隆盛/Abzan Ascendancy》
《内向きの目の賢者/Sage of the Inward Eye》
《騎乗追撃/Ride Down》
《象牙牙の城塞/Ivorytusk Fortress》
《雪角の乗り手/Snowhorn Rider》
《なだれの大牙獣/Avalanche Tusker》
《グドゥルの嫌悪者/Abomination of Gudul》
《スゥルタイの占い屋/Sultai Soothsayer》
《族樹の発動/Kin-Tree Invocation》
《刃の隊長/Chief of the Edge》
《鱗の隊長/Chief of the Scale》
《ティムールの魔除け/Temur Charm》
《ジェスカイの魔除け/Jeskai Charm》
《マルドゥの魔除け/Mardu Charm》
《アブザンの魔除け/Abzan Charm》
《スゥルタイの魔除け/Sultai Charm》
《はじける破滅/Crackling Doom》
《アブザンの先達/Abzan Guide》
《マルドゥの荒くれ乗り/Mardu Roughrider》
《ラクシャーサの大臣/Rakshasa Vizier》
《冬の炎/Winterflame》
どれも強力だけれど、多色だから少し評価は下げざるを得ない。それと個人的な好みで、黒いカードの評価は他の色と比べて少し低めに見積もってある。
ここらで注記として記しておきたいんだが、このあたりから1-1の初手という概念が少し緩くなってくる。というのも、実際にこのあたりのカードを初手にしてドラフトを開始することはまずないからだ。たとえば《山頂をうろつくもの/Summit Prowler》、《アブザンの魔除け/Abzan Charm》、《茨森の滝/Thornwood Falls》の中から初手を選ぶとき、表やランキングなどより、実際に使ってみた経験を基に考えることが多いからだ。なのではっきりとした意味を持つ、有意義な順位表を作るのは難しい。それでも何とか表の形にはしてみた。
強力な単色のカード
《星霜の証人/Witness of the Ages》
《スゥルタイのゴミあさり/Sultai Scavenger》
《龍鱗の加護/Dragonscale Boon》
《長毛ロクソドン/Woolly Loxodon》
《河水環の曲芸士/Riverwheel Aerialists》
《血に染まりし勇者/Bloodsoaked Champion》
《遠射兵団/Longshot Squad》
《機を見た軍族朋/Timely Hordemate》
《増え続ける成長/Incremental Growth》
《戦名を望む者/War-Name Aspirant》
《マルドゥの頭蓋狩り/Mardu Skullhunter》
《挑発の咆哮/Roar of Challenge》
《賢いなりすまし/Clever Impersonator》
《時を越えた探索/Dig Through Time》
《引き剥がし/Force Away》
《鐘音の一撃/Singing Bell Strike》
《軍用ビヒモス/War Behemoth》
《マルドゥの軍族長/Mardu Hordechief》
《略奪者の戦利品/Raiders’ Spoils》
《マー=エクの夜刃/Mer-Ek Nightblade》
《クルーマの盟族/Krumar Bond-Kin》
《絞首/Throttle》
どれもが普通にデッキに入るものの、デッキによって強さが変わってくるカードが多い。たとえば《増え続ける成長/Incremental Growth》は、+1/+1カウンターで能力を付与するクリーチャーを擁するアブザンで使えば非常に強力なものの、クリーチャーの少ないデッキでは微妙でしかない。《略奪者の戦利品/Raiders’ Spoils》は、白黒の戦士に寄せたデッキだと手が付けられない強さだが、5色の戦士不在のデッキで、使用に堪えるカードではない。といった具合に、こういったカードを順位表に含めるのは難しかったけれど、それでも大体は評価順に並べられたかな。
土地
《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》
《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》
《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》
《汚染された三角州/Polluted Delta》
《茨森の滝/Thornwood Falls》
《急流の崖/Swiftwater Cliffs》
《平穏な入り江/Tranquil Cove》
《岩だらけの高地/Rugged Highlands》
《風に削られた岩山/Wind-Scarred Crag》
《花咲く砂地/Blossoming Sands》
《陰鬱な僻地/Dismal Backwater》
《血溜まりの洞窟/Bloodfell Caves》
《磨かれたやせ地/Scoured Barrens》
《ジャングルのうろ穴/Jungle Hollow》
3色出るトライランドには見劣りするものの、数枚はデッキに入れたい。
デッキに入る、そこそこのカード
《アブザンの戦僧侶/Abzan Battle Priest》
《死の激情/Death Frenzy》
《僧院の群れ/Monastery Flock》
《ジェスカイの隆盛/Jeskai Ascendancy》
《跳躍の達人/Leaping Master》
《高山の灰色熊/Alpine Grizzly》
《眼の管理人/Warden of the Eye》
《ティムールの隆盛/Temur Ascendancy》
《わめき騒ぐマンドリル/Hooting Mandrills》
《神秘の痕跡/Trail of Mystery》
《イフリートの武器熟練者/Efreet Weaponmaster》
《煙の語り部/Smoke Teller》
《子馬乗り部隊/Ponyback Brigade》
《熊の覚醒/Awaken the Bear》
《大蛇の儀式/Rite of the Serpent》
《強大化/Become Immense》
《必殺の一射/Kill Shot》
《苦々しい天啓/Bitter Revelation》
《宝船の巡航/Treasure Cruise》
《峡谷に潜むもの/Canyon Lurkers》
《サグの射手/Sagu Archer》
《賢者眼の侵略者/Sage-Eye Harrier》
《ジェスカイの学徒/Jeskai Student》
《高地の獲物/Highland Game》
《悟った達人、ナーセット/Narset, Enlightened Master》
《果敢な一撃/Defiant Strike》
《マルドゥの隆盛/Mardu Ascendancy》
《湿地帯の水鹿/Wetland Sambar》
《縁切られた先祖/Disowned Ancestor》
《ジェスカイの長老/Jeskai Elder》
《不撓のクルーマ/Unyielding Krumar》
《水渦/Waterwhirl》
《シディシのペット/Sidisi’s Pet》
《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke》
《スゥルタイの隆盛/Sultai Ascendancy》
《うねる塔甲羅/Meandering Towershell》
《苦しめる声/Tormenting Voice》
《血蠅の大群/Swarm of Bloodflies》
《尊いラマスー/Venerable Lammasu》
《湯熱の精/Scaldkin》
《アイノクの足跡追い/Ainok Tracker》
《物静かな熟考/Quiet Contemplation》
《秘密の計画/Secret Plans》
《真珠湖の古きもの/Pearl Lake Ancient》
《大物潰し/Smite the Monstrous》
《射手の胸壁/Archers’ Parapet》
《沸血の熟練者/Bloodfire Expert》
《目潰しのしぶき/Blinding Spray》
《塩路の巡回兵/Salt Road Patrol》
《軍族童の突発/Hordeling Outburst》
《死の投下/Dead Drop》
《マルドゥの悪刃/Mardu Hateblade》
《ラッパの一吹き/Trumpet Blast》
《武器を手に/Take Up Arms》
《反逆の行動/Act of Treason》
《運命編み/Weave Fate》
《蔑み/Despise》
《戦場での猛進/Rush of Battle》
《族樹の管理人/Kin-Tree Warden》
《谷を駆ける者/Valley Dasher》
《取り消し/Cancel》
《大牙コロッソドン/Tusked Colossodon》
《グルマグの速翼/Gurmag Swiftwing》
《ラクシャーサの秘密/Rakshasa’s Secret》
《素早い蹴り/Swift Kick》
《朽ちゆくマストドン/Rotting Mastodon》
《精神振り/Mindswipe》
《僧院の速槍/Monastery Swiftspear》
《よろめく従者/Shambling Attendants》
《ケルゥの吸血者/Kheru Bloodsucker》
《漂流/Set Adrift》
《死者の王、ケルゥ/Kheru Lich Lord》
《石弾の弾幕/Barrage of Boulders》
《奈落の総ざらい/Empty the Pits》
《ティムールの戦旗/Temur Banner》
《ジェスカイの戦旗/Jeskai Banner》
《マルドゥの戦旗/Mardu Banner》
《アブザンの戦旗/Abzan Banner》
《スゥルタイの戦旗/Sultai Banner》
《贈賄者の財布/Briber’s Purse》
《悪逆な富/Villainous Wealth》
《龍の握撃/Dragon Grip》
《本質捕らえ/Trap Essence》
《旋風の達人/Whirlwind Adept》
《春の具象化/Embodiment of Spring》
《硬化した鱗/Hardened Scales》
《境界の偵察/Scout the Borders》
《マルドゥの炎起こし/Mardu Blazebringer》
《包囲戦法/Siegecraft》
《沸血の導師/Bloodfire Mentor》
《地平の探求/Seek the Horizon》
《跳ね返す掌/Deflecting Palm》
《まばゆい塁壁/Dazzling Ramparts》
《ケルゥの戦慄の大口/Kheru Dreadmaw》
《タルキールの龍の玉座/Dragon Throne of Tarkir》
《心臓貫きの弓/Heart-Piercer Bow》
《従順な復活/Dutiful Return》
《炎蹄の騎兵/Firehoof Cavalry》
《古き者どもの報復/Retribution of the Ancients》
然るべきデッキで使えば、何らかの仕事はしてくれるかなと思える程度のカード。いわゆるデッキの23枚目。
最後の数枚の常連
《殻脱ぎ/Molting Snakeskin》
《テイガムの策謀/Taigam’s Scheming》
《暴風/Windstorm》
《頭蓋書庫/Cranial Archive》
《ゴブリンすべり/Goblinslide》
《砂への挑戦/Brave the Sands》
《頑固な否認/Stubborn Denial》
《部族養い/Feed the Clan》
《軍族の雄叫び/Howl of the Horde》
《粉砕/Shatter》
《帰化/Naturalize》
《消去/Erase》
《群の祭壇/Altar of the Brood》
《精霊龍の墓/Tomb of the Spirit Dragon》
《鮮明のレンズ/Lens of Clarity》
《ウギンのきずな/Ugin’s Nexus》
まあ、《ウギンのきずな/Ugin’s Nexus》とかリミテッド用に作られたカードじゃないだろうし。
というわけで、今日のところはこれにておしまい。冒頭でも触れたけれど、タルキール覇王譚のリミテッド環境は実に奥深いので、今後ドラフトをするたびにこの順位表も間違いなく変わると思う。私の見解が参考になったら幸いだ。コメントでも、読んでくれた皆の意見を聴けるのを楽しみにしているよ!
【翻訳】フランクに考えよう タルキール覇王譚、ピック順位表 前編
2014年10月22日 翻訳 コメント (3)◆ 【翻訳】フランクに考えよう タルキール覇王譚、ピック順位表
Frank Analysis - A Pick Order List for Khans of Tarkir Draft
By Frank Karsten 2014年10月21日
http://www.channelfireball.com/articles/frank-analysis-a-pick-order-list-for-khans-of-tarkir-draft/
タルキール覇王譚ドラフトは最高だ。変異メカニズムはよく練りこまれてるし、カードパワーと色安定を天秤にかけるのも面白い。しかも色々なデッキが組めて、そのどれもが有効に働くなんてね。たとえばプロツアーで、アリ・ラックス(Ari Lax)が5色変異デッキを組む一方で、スタニスラフ・ツィフカ(Stanislav Cifka)は2色のビートダウンデッキを目指して、そのどちらもが5-1以上の成績を収めるなんて凄いことだ。
個人的には安定した色供給の見込めるデッキが好みだけれど、タルキール覇王譚のリミテッドは、皆の意見が合致しないどころか真っ二つな、近年稀にみる環境といっていいだろう。あまりに多くのアプローチがあるもので、カードの評価どころか、アーキタイプの好みやピック優先度、あらゆる面で、合意に至るのが難しい。素晴らしい!環境にはまだまだ未知の領域があるということだから、研究が進んでも依然、新鮮な気持ちでプレイできることだろう。
しかし上で言ったようなことは、裏返すと、決定版となる評価を今日の記事でお見せするのはまず不可能、ということでもある。代わりにお見せするのは、チーム・キャビン・クルー(team Cabin Crew)で共有されている大まかな評価といったところだ。チーム名の由来は、森の中の小屋(キャビン)でドラフト練習をするのにちなんでつけたんだけどね。大体15~20回くらいやったところで、出た結論はこんな具合だ:
この環境のドラフトの指針としてはこんな具合だ。参考までに記録を申し添えておくと、チーム・キャビン・クルーがプロツアーのブースター・ドラフト部門で出した成績は、計43勝23敗だった。案外環境を把握できていたのかもしれない。
というわけで、ピック順位表を見ていこう。このリストはタルキール覇王譚×3のドラフトで、1パック目の1ピック目にカード取る際、全カードを評価順に並べたもので、ゲーム中の強さに基づいた順位表だ。金銭的価値は計算に入ってない。読みやすくなるよう、いくつかの塊に分けてあるけれど、連続した一つの表と思って読んでくれて一向に構わない。
あらゆるコモンやアンコモンより優先して取るカードたち。白の3/4飛行がセット内最強のカードで、続いて赤の極めて除去しづらい飛行クリーチャーが続く。《幽霊火の刃/Ghostfire Blade》は、トップ4の飛行クリーチャーどもほど強くはないかもしれないが、ちょっとのマナで変異を強大なクリーチャーに変貌させられる。それに1-1ではもっと重要な要素として、色選択を先延ばしにできて、かつ必ずデッキに入る強力なカードが手に入るというのが大きい。
《砂塵破/Duneblast》は、多色カードで、黒を含んでいて、7マナもかかるというスリーストライクでも尚、バッターアウトにならない強力無比なカード。欠点はあるものの、唱えることさえできれば大体ゲームに勝てるだろう。見たらすぐに確保して、遅めのコントロールデッキでタッチでも何でもいいからとにかく使いたい。
レアの変異は、マナカーブに沿って表で出しても申し分ないものの、変異状態で出して解除した方が強いクリーチャーばかりだ。裏向きで出して変異解除すれば、まず対戦相手の不意を突けるだろう。コモンの変異はケアしてプレイされても、レアの変異まで考えてプレイする人はまずいない。戦闘で敵軍を大いに壊滅させてやることが可能だ。
《爪鳴らしの神秘家/Rattleclaw Mystic》、《ケルゥの呪文奪い/Kheru Spellsnatcher》、《嘲る扇動者/Jeering Instigator》、《不気味な腸卜師/Grim Haruspex》がこれほど高く評価されるというのは確かに疑わしくて、表を作った当初は、この4枚の代わりにトップクラスのアンコモンが入っていた。でも、お尋ね者の危険人物として、トップ層と一緒に面を覚えてもらいたかったのと、この4枚の変異には驚かされてばかりだということにも触れたかったので、こちらに入れることにした。どれも表で出して強いものだから、無色のアーティファクトのように手堅い。たとえばデッキがジェスカイカラーになったとしても、初手に取った《爪鳴らしの神秘家/Rattleclaw Mystic》は色マナを供給してくれるし、《不気味な腸卜師/Grim Haruspex》なら《陰鬱な僻地/Dismal Backwater》や《遊牧民の前哨地/Nomad Outpost》で容易にタッチすることが可能だ。
上から3枚は実質《剣を鍬に/Swords to Plowshares》、《火炎舌のカヴー/Flametongue Kavu》、《不可思議/Wonder》みたいなものだ。……当時のことは知らないけれど、どいつも壊れだったと聞いたよ。
4位の《氷羽のエイヴン/Icefeather Aven》は多色カードとはいえ、(《サグのやっかいもの/Sagu Mauler》にも通ずるが)青緑という最強色の組み合わせだし、変異で出しても表で出しても素晴らしいから、単色のカードを差し置いて手を伸ばす価値があると思う。
トップアンコモンはそのくらいにして、初手これから初めて何ら申し分ない、というような単色のカードもたくさんある。2マナ域が大事というのは覚えておいてくれ。
次は強コモンなんだけど、私の好みが青の回避能力デッキということもあって、何と5枚全部が青い。
《隠道の神秘家/Mystic of the Hidden Way》が青の最強コモンというのは、おそらく意見が分かれるところだと思う。色の好みを計算に入れなければ、《消耗する負傷/Debilitating Injury》に最強のコモンの座は譲っても良かったけれど、黒という色が強くない。ブロックされない3/2というのは、にらみ合って膠着した盤面を突破するのに最適なクリーチャーだ。
Frank Analysis - A Pick Order List for Khans of Tarkir Draft
By Frank Karsten 2014年10月21日
http://www.channelfireball.com/articles/frank-analysis-a-pick-order-list-for-khans-of-tarkir-draft/
タルキール覇王譚ドラフトは最高だ。変異メカニズムはよく練りこまれてるし、カードパワーと色安定を天秤にかけるのも面白い。しかも色々なデッキが組めて、そのどれもが有効に働くなんてね。たとえばプロツアーで、アリ・ラックス(Ari Lax)が5色変異デッキを組む一方で、スタニスラフ・ツィフカ(Stanislav Cifka)は2色のビートダウンデッキを目指して、そのどちらもが5-1以上の成績を収めるなんて凄いことだ。
個人的には安定した色供給の見込めるデッキが好みだけれど、タルキール覇王譚のリミテッドは、皆の意見が合致しないどころか真っ二つな、近年稀にみる環境といっていいだろう。あまりに多くのアプローチがあるもので、カードの評価どころか、アーキタイプの好みやピック優先度、あらゆる面で、合意に至るのが難しい。素晴らしい!環境にはまだまだ未知の領域があるということだから、研究が進んでも依然、新鮮な気持ちでプレイできることだろう。
しかし上で言ったようなことは、裏返すと、決定版となる評価を今日の記事でお見せするのはまず不可能、ということでもある。代わりにお見せするのは、チーム・キャビン・クルー(team Cabin Crew)で共有されている大まかな評価といったところだ。チーム名の由来は、森の中の小屋(キャビン)でドラフト練習をするのにちなんでつけたんだけどね。大体15~20回くらいやったところで、出た結論はこんな具合だ:
最強色は青。タフネスの高いクリーチャーが多く、ゲームが膠着しやすいので突破手段が必要。こと突破手段にかけて、《隠道の神秘家/Mystic of the Hidden Way》のような回避能力持ちや、《悪寒/Crippling Chill》のようなカードを擁する青に勝る色はない。
最弱色は黒。《消耗する負傷/Debilitating Injury》は優秀だし《スゥルタイのゴミあさり/Sultai Scavenger》も悪くないが、全体的に黒のコモンはパッとしない。ドラフト合宿でも、黒の勝率が一番低かった。
2色で充実したマナ基盤とマナカーブを備えたビートダウンが組めれば、それが最強だと思う(たとえば2マナクリーチャー4枚、変異込みで3マナが7枚、4マナが4枚、5マナが1枚、それに6枚の呪文とか)。デッキを2色で組むなら、土地を早めに確保する必要はない。展開の遅れる原因になる、タップ状態で場に出る土地を数多く採用する必要もなければ、そもそも色事故することも少なくなる。マナに悩まされないなら、マナカーブを整えて、膠着状態を突破する手段の確保に心を砕いていればいい。2色アグロが組めれば、立ち上がりが遅くマナに不安を抱えるデッキを簡単に蹂躙することができる。ドラフト練習中の記録では、2色デッキの勝率は55%で、3色デッキの50%、4色以上の45%に差をつけた。
色安定を図れる土地が数枚あるなら、2色に1色タッチして3色デッキにするのは全く問題ない。タッチするのは変異クリーチャーなら尚良し。ほとんどのデッキは2色タッチ1色に落ち着くことが多かった。マナといえば、メインカラーの供給源は8~10枚くらいを目安にしたい。2マナ域が複数枚あるなら9枚は欲しいところだし、ダブルシンボルのカードがあるなら10枚は入れたい。タッチカラーの供給源は2~5枚程度用意したい(変異クリーチャーを1,2枚タッチする程度なら2枚でいいし、タッチしたいカードが複数枚あるなら5枚は欲しい)。典型的な9:8:4くらいのマナ基盤を構築するには、9+8+4ということで、合計21のシンボルを集める必要がある。2色土地が3枚取れていれば、後は基本土地15枚で達成可能だ。頑張ってこのくらいを目指したい。
大体のデッキで土地は18枚必要。3ターン目には絶対変異クリーチャーを出したいし、5ターン目には変異解除を狙いたい。もし5枚目の土地が置けなかった場合、展開的にかなり後手に回ってしまうことになる。
2マナクリーチャーは重要。こちらに戦闘できるクリーチャーがいて相手が何も展開しなければ、マナをより有効活用できるし、ダメージレースでも先んじることができる。3ターン目や4ターン目の行動は、大体変異クリーチャーをお互いに出し合うことになるから、2/1バニラだろうとそれより前のターンに出していれば有利に立つことができる。
2色のビートダウンデッキを組むなら、膠着状態を突破するカードが必要という話を上でしたけれど、今一度強調しておきたい。序盤からマナカーブに沿って、2/2だの変異だのを並べて相手のライフを削ることはできるが、2/5とか3/6とか高タフネスクリーチャーが環境には溢れている。ビートダウンを組むときは、そんなクリーチャーを押しのけて、ゲームを終了に持っていく手段が複数必要だ。《矢の嵐/Arrow Storm》や《道極め/Master the Way》をプレイヤーに撃って焼き尽くしたり、《悪寒/Crippling Chill》や《反逆の行動/Act of Treason》でブロッカーをどかすとかの工夫が必要。あるいは飛行などの回避能力持ちを多めに採用するとかでもいい。手段は問わないが、こういうカードが大量に必要で、この詰めが一番得意な色は青なんだ。
勝率を見てみると、2色の中では青緑が最強で、氏族で見るとティムールの勝率が一番高かった。
2色の組み合わせだと、対抗色(赤白、青緑、白黒、黒緑、青赤)で取ると2つの氏族に行けて、友好色だと1つの氏族に固定されるのと比べて優れている。何より、優良多色カードを使える強みがある。それでも、友好色をやってもいい場合もある。たとえば1パック目、緑だけを取って、次のパックで《風番いのロック/Wingmate Roc》を取って、アブザンカラーの土地を取れないときとかね。
テンポが中心の環境なので、変異は表で出すのが正解な場合もままある。表で出せるだけのマナがあって、今から出そうとするクリーチャーが手札の最後の一枚(土地でないカードの最後の一枚)なら、大体私は表で出すことにしている。変異クリーチャーを評価するときは、表と裏の性能をじっくり見比べるようにしたい。
ピックとは関係ないけれど、相手が3ターン目、4ターン目と続けて変異クリーチャーを出してきたら、通常最初に出てきた方が序盤の戦闘で相討ちになっても構わない奴で、後に出た方が強い変異なことが多い。ブロックするときや、除去を撃つときはそのことを心の片隅に留めておこう。
5色デッキをドラフトするのは私の好みではないが、序盤グチャったときの予備プランとしては良いだろう。たとえば最初の6ピックで、土地2枚と異なる氏族の多色カード4枚を取ってしまったとかなら、そこから見た土地は全部取る不動産屋を開業して、5色を何とか形にするというのは、そこからできる救済策としては上々だ。
この環境のドラフトの指針としてはこんな具合だ。参考までに記録を申し添えておくと、チーム・キャビン・クルーがプロツアーのブースター・ドラフト部門で出した成績は、計43勝23敗だった。案外環境を把握できていたのかもしれない。
というわけで、ピック順位表を見ていこう。このリストはタルキール覇王譚×3のドラフトで、1パック目の1ピック目にカード取る際、全カードを評価順に並べたもので、ゲーム中の強さに基づいた順位表だ。金銭的価値は計算に入ってない。読みやすくなるよう、いくつかの塊に分けてあるけれど、連続した一つの表と思って読んでくれて一向に構わない。
最強格のレア・神話レア
《風番いのロック/Wingmate Roc》
《アラシンの上級歩哨/High Sentinels of Arashin》
《灰雲のフェニックス/Ashcloud Phoenix》
《龍語りのサルカン/Sarkhan, the Dragonspeaker》
《幽霊火の刃/Ghostfire Blade》
《砂塵破/Duneblast》
《真珠の達人/Master of Pearls》
《千の風/Thousand Winds》
《頭巾被りのハイドラ/Hooded Hydra》
《サグのやっかいもの/Sagu Mauler》
《爪鳴らしの神秘家/Rattleclaw Mystic》
《ケルゥの呪文奪い/Kheru Spellsnatcher》
《嘲る扇動者/Jeering Instigator》
《不気味な腸卜師/Grim Haruspex》
あらゆるコモンやアンコモンより優先して取るカードたち。白の3/4飛行がセット内最強のカードで、続いて赤の極めて除去しづらい飛行クリーチャーが続く。《幽霊火の刃/Ghostfire Blade》は、トップ4の飛行クリーチャーどもほど強くはないかもしれないが、ちょっとのマナで変異を強大なクリーチャーに変貌させられる。それに1-1ではもっと重要な要素として、色選択を先延ばしにできて、かつ必ずデッキに入る強力なカードが手に入るというのが大きい。
《砂塵破/Duneblast》は、多色カードで、黒を含んでいて、7マナもかかるというスリーストライクでも尚、バッターアウトにならない強力無比なカード。欠点はあるものの、唱えることさえできれば大体ゲームに勝てるだろう。見たらすぐに確保して、遅めのコントロールデッキでタッチでも何でもいいからとにかく使いたい。
レアの変異は、マナカーブに沿って表で出しても申し分ないものの、変異状態で出して解除した方が強いクリーチャーばかりだ。裏向きで出して変異解除すれば、まず対戦相手の不意を突けるだろう。コモンの変異はケアしてプレイされても、レアの変異まで考えてプレイする人はまずいない。戦闘で敵軍を大いに壊滅させてやることが可能だ。
《爪鳴らしの神秘家/Rattleclaw Mystic》、《ケルゥの呪文奪い/Kheru Spellsnatcher》、《嘲る扇動者/Jeering Instigator》、《不気味な腸卜師/Grim Haruspex》がこれほど高く評価されるというのは確かに疑わしくて、表を作った当初は、この4枚の代わりにトップクラスのアンコモンが入っていた。でも、お尋ね者の危険人物として、トップ層と一緒に面を覚えてもらいたかったのと、この4枚の変異には驚かされてばかりだということにも触れたかったので、こちらに入れることにした。どれも表で出して強いものだから、無色のアーティファクトのように手堅い。たとえばデッキがジェスカイカラーになったとしても、初手に取った《爪鳴らしの神秘家/Rattleclaw Mystic》は色マナを供給してくれるし、《不気味な腸卜師/Grim Haruspex》なら《陰鬱な僻地/Dismal Backwater》や《遊牧民の前哨地/Nomad Outpost》で容易にタッチすることが可能だ。
最強クラスのアンコモン
《残忍な切断/Murderous Cut》
《マルドゥの心臓貫き/Mardu Heart-Piercer》
《アブザンの鷹匠/Abzan Falconer》
《氷羽のエイヴン/Icefeather Aven》
《弧状の稲妻/Arc Lightning》
《荒野の後継者/Heir of the Wilds》
《吠える鞍暴れ/Bellowing Saddlebrute》
《道の探求者/Seeker of the Way》
《停止の場/Suspension Field》
《松歩き/Pine Walker》
上から3枚は実質《剣を鍬に/Swords to Plowshares》、《火炎舌のカヴー/Flametongue Kavu》、《不可思議/Wonder》みたいなものだ。……当時のことは知らないけれど、どいつも壊れだったと聞いたよ。
4位の《氷羽のエイヴン/Icefeather Aven》は多色カードとはいえ、(《サグのやっかいもの/Sagu Mauler》にも通ずるが)青緑という最強色の組み合わせだし、変異で出しても表で出しても素晴らしいから、単色のカードを差し置いて手を伸ばす価値があると思う。
トップアンコモンはそのくらいにして、初手これから初めて何ら申し分ない、というような単色のカードもたくさんある。2マナ域が大事というのは覚えておいてくれ。
青のコモン・アンコモントップ5
《隠道の神秘家/Mystic of the Hidden Way》
《ジェスカイの風物見/Jeskai Windscout》
《霧炎の織り手/Mistfire Weaver》
《悪寒/Crippling Chill》
《氷河の末裔/Scion of Glaciers》
次は強コモンなんだけど、私の好みが青の回避能力デッキということもあって、何と5枚全部が青い。
《隠道の神秘家/Mystic of the Hidden Way》が青の最強コモンというのは、おそらく意見が分かれるところだと思う。色の好みを計算に入れなければ、《消耗する負傷/Debilitating Injury》に最強のコモンの座は譲っても良かったけれど、黒という色が強くない。ブロックされない3/2というのは、にらみ合って膠着した盤面を突破するのに最適なクリーチャーだ。