◆ 【翻訳】イニストラードを覆う影 リミテッドレビュー 無色・土地・多色 (by LSV)
 
 Shadows over Innistrad Limited Set Review – Colorless, Lands, and Gold
 
 Luis Scott-Vargas, 2016年4月1日
 
 http://www.channelfireball.com/articles/shadows-over-innistrad-limited-set-review-colorless-lands-and-gold/
 
 
《忘れられていた家宝/Neglected Heirloom》//《灰口の刃/Ashmouth Blade》
 リミテッド1.0点
 表の《古参兵の予備武装/Veteran’s Sidearm》相当を家宝と言われても困っちゃうよね。マジック・オリジンですら力不足だった予備武装が、危険がいっぱいイニストラードで役に立つとは思えない。使うなら変身クリーチャーを多めに採用しているデッキで使うことになるだろうけど(6枚以上とか)、仮に変身クリーチャーが多く取れても、除去や追加のクリーチャーを押しのけてまで採用するかどうか疑わしい。一度変身さえしてしまえば、使い手が変わっても凶悪なまま元に戻らないというのは嬉しいね。
《遁走する馬車/Runaway Carriage》
 リミテッド0.5点
 自身のマナコスト相応のクリーチャーと相討ちさせてもらうのは難しいだろう。こいつが立ってたら、相手は4マナクリーチャーなんぞ前線には出さず、2/2とかで攻撃してくるに違いない。歯ぎしりしながらブロックせざるをえないだろう。相手のライフが既に危険域に達しそうなときだけ攻めにも役立つけど、危険域まで相手を追い込むことには貢献しない。ただサイドボード要員として見ると、こいつ以外で小型クリーチャーに対処しつつ、5/5級のクリーチャーに対する対抗手段として悪くない。
《ガラスの破片/Shard of Broken Glass》
 リミテッド1.0点
 まだ想像の段階だけど、昂揚デッキは攻める構成になりにくそうだし、クリーチャー数も絞ることが多そう。サイズも気持ち程度しか上がらないし、昂揚を達成する手段としてもお粗末だからねえ。最後のガラスをぶち破ったのかな?
《合鍵/Skeleton Key》
 リミテッド1.5点
 合鍵という割に、入るデッキはかぎられてる気がするね。それでも通ったときの効果がドローだったらゾッコンだったかもしれない。手札が増えないんじゃ、回避能力目当てでもマッドネス目当てでも微妙な出来だ。
《処刑者の板金鎧/Slayer’s Plate》
 リミテッド3.0点
 生物の頭数さえ十分なら、人間であることにこだわらずとも十分使える。ただ、バウンスや除去で装備先を弄ばれてテンポ負けしないように気を付けよう。装備にはそれなりのマナが必要だから、盤面でかなり後れを取ることになる。装備先を人間、特に軽い人間にしてやれば、多少マシだろうけどね。効果は強烈だから、是非使ってみたい。くれぐれも重い装備コストには気を付けよう。
《タミヨウの日誌/Tamiyo’s Journal》
 リミテッド3.5点
 最初に5マナの投資が必要だが、毎ターン手がかりを量産するのはどれほどのものだろう?日誌を置いて長期戦になれば間違いなく勝てるだろうから、理想的なパターンとしては上々だけど、かなりマナを食うのは間違いない。それだけなら他人の日誌なんて読むものじゃないんだけど、こいつは手がかり3つで《Demonic Tutor》になるという隠し玉の存在が大きい(比喩でなく、ストーリー的にも多分これは《Demonic Tutor》なんじゃないかな)。0マナで使えるこのモードがあればこそ、単なる手がかり作成装置に収まらない強さを秘めている。手がかりを使うより呪文を唱えることを1,2ターン優先したら、なんと何でも好きなカードが無償で手に入ってしまうんだ。凄い事だよこれは。
 
 まあそれでも、攻めるデッキなら入らないと思うけどね。中速~コントロールに入れると強いと思うよ。デッキがコントロールっぽくなりそうなら、少し高めに評価してやろう。
《スレイベンのガーゴイル/Thraben Gargoyle》//《石翼の反目者/Stonewing Antagonizer》
 リミテッド2.5点
 ディフェンスに定評のあるアイツ。序盤は守って後半ゆるりと攻撃に行ける。序盤から殴るデッキなら不要だけど、そうでないならお好みに応じてどうぞ。
《信条の香炉/True-Faith Censer》
 リミテッド1.0もしくは2.5点
 入れるなら人間はたっぷりとりたい。+1/+1修正と警戒だけだと、心情としては赤点スレスレ。でもデッキに人間がたくさんいて、パワーの修正が上がるなら、話は全く変わってくる。積極的に採用したくなる目安としては、クリーチャーが14体以上、うち8体以上が人間で、攻撃重視のデッキ、といったところかな(とはいえ装備品の性質的に、序盤から攻勢に出るデッキ以外にミッドレンジくらいの速度でも役立ちそう)。
《枝細工の魔女/Wicker Witch》
 リミテッド1.5点
 昂揚目的で入れるなら云々。昂揚云々はアーティファクトの導入部でもう話したから繰り返さないよ。どうしても3マナの隙間を埋めたいなら入れてもいいけど、こんなバニラに3マナを任せるのはゾッとしないね。
《荒原のカカシ/Wild-Field Scarecrow》
 リミテッド3.0点
 ビートダウンに1/4防衛なんぞ無用なのは確定的明らか。でも事故のお守り的に、基本的にはどんなデッキに入れておいても役に立つ。生贄に捧げることで昂揚もグッと達成しやすくなるしね。
2色土地
 《港町/Port Town》《詰まった河口/Choked Estuary》《凶兆の廃墟/Foreboding Ruins》《獲物道/Game Trail》《要塞化した村/Fortified Village》
 《採石場/Stone Quarry》《放棄された聖域/Forsaken Sanctuary》《穢れた果樹園/Foul Orchard》《森林地の小川/Woodland Stream》《高地の湖/Highland Lake》

 リミテッド3.0(2.99)点
 え、2サイクルまとめて?と思うかもしれないけど、ピックの優先順位的にはどれも変わらない。絶対デッキに入るような強カードよりは下で、そこそこのカードよりは上、くらいに思ってくれて構わない(点数で言うと、2.5点のカードよりは大体上で、3.0点のカードよりは下くらい)。カードが足りてないなら、土地には手を出さない方がいい。逆にカードが大体集まってきたなら、マナ基盤を強化しよう。タッチカラーを足すならぐっと評価をあげていい。
《溺墓の寺院/Drownyard Temple》
 リミテッド2.0点
 自分のライブラリー削りとか、手札を捨てるカードとご一緒にどうぞ。マナ基盤的に余裕があるなら取りたいかな。でも優先度は低いよ。デッキに入る分には嬉しいけど、そんなに絶大な恩恵があるわけじゃないからね。
《ねじれ地帯/Warped Landscape》
 リミテッド1.5点
 《進化する未開地/Evolving Wilds》と比べて、初手にあるときの頼りなさよ。確かに終盤引く分にはいいんだけど、1ターン目に置く未開地と比べてしまうとどうしても霞む。リミテッドで1ターン目に何か展開することはほとんどないし、序盤こそ最も色安定要素が必要なタイミングなんだ。それでも使う理由としては、ダブルシンボルが極端に多いとか、3色目をタッチしてるとか、昂揚のためとかかな。
《ウェストヴェイルの修道院/Westvale Abbey》//《不敬の皇子、オーメンダール/Ormendahl, Profane Prince》
 リミテッド4.5点
 デッキには単なる土地として入れられて大したリスクもないのに、変身したときの強さときたら屋根までぶっ飛ぶこの衝撃(実際イラストでも屋根を突き破って出てきてるし)。まったく素晴らしい。呪文も唱えずに終盤、超強力なフィニッシャーが爆誕するとか、どんなデッキでも入りそう。

 
 イニストラードを覆う影、ここまでの印象では相当面白そうだ。デッキの核になりそうなカードがちらほらあって、どれがモノになるかなとか、環境の速度は速いかとか、フレイバー的に面白いところはあるかとか、早く試してみたくてうずうずするよ。
 
 ここまで読んでくれてありがとう!
 残りは自分の目で調査してほしい!
 
 
 
 LSV

コメント

ざきもま
2016年4月28日22:08

毎回お疲れ様でした。
なんとゆっくり実況にまでLSVのレビューが出演しだしましたし、リミテッドレビューの注目度も高いですね

ヒキニパ
2016年4月28日23:04

お疲れさまでした。
翻訳有難うございました。

re-giant
2016年4月29日7:34

>《忘れられていた家宝/Neglected Heirloom》//《灰口の刃/Ashmouth Blade》
>表の《古参兵の予備武装/Veteran’s Sidearm》相当を家宝と言われても

せやな、そりゃ忘れられるわ、って思いました。

お気に入り日記の更新

お気に入り日記

登録したユーザー
384
登録されたユーザー
1001

この日記について

日記内を検索