◆ 【翻訳】イニストラードを覆う影 リミテッドレビュー 赤 (by LSV)
Shadows over Innistrad Limited Set Review – Red
Luis Scott-Vargas, 2016年3月28日
http://www.channelfireball.com/articles/shadows-over-innistrad-limited-set-review-red/
Shadows over Innistrad Limited Set Review – Red
Luis Scott-Vargas, 2016年3月28日
http://www.channelfireball.com/articles/shadows-over-innistrad-limited-set-review-red/
《アヴァシンの裁き/Avacyn’s Judgment》
リミテッド4.5点
2マナになっても《二股の稲妻/Forked Bolt》は威力十分、マッドネスしてインスタント《とどろく雷鳴/Rolling Thunder》になったら手が付けられない。秒で取るカードだし、マッドネスデッキで使えばセット内で至高の一枚になると言っても過言ではないだろう。うまくマッドネスできず、《二股の稲妻/Forked Bolt》として使ったとしても最低限以上の性能だよ。
《血狂いの吸血鬼/Bloodmad Vampire》
リミテッド2.0点
4/1はあっさり通してくれるサイズじゃないから、普通に唱えるカードとしては二流以下だ。でも安定してマッドネスできるなら中々いい。ゲームを終わらせる速さは中々のものだから、ブロッカーを排除できるようにして使うのもいい。
《首折れ路の乗り手/Breakneck Rider》//《首折り/Neck Breaker》
リミテッド3.5点
シンボルが濃いにせよ、3マナ3/3で変身すれば5/3トランプルで、自分以外にも横並びで修正が入る。予想を裏切らない強さだと思うよ。
狼男について
狼男を変身させる目的で、何もせずターンを返すのは総じて裏目に出ることが多い。何もせず変身を狙うのが正しいこともあるけれど、相手が軽いキャントリップ呪文を構えていたり、次のターンで呪文を2枚唱えられてしまうと、変身のために序~中盤のターンを飛ばしてしまう大惨事になりかねない。狼男は強いものが多いし、特に裏面はどれもが素晴らしい性能だ。でもとにかく変身ばかり狙うのは感心できない。狙わなくても自然と変身するタイミングはあるし、終盤であれば苦労せずとも変身するよ。ただ序盤から無理に、露骨に狙う必要はないってことだね。普通に展開するなり呪文を唱えよう。
《内部着火/Burn from Within》
リミテッド4.0点
ちょっとしたおまけつき《猛火/Blaze》なんだから勿論強い。序盤は小型クリーチャーを焼き、中盤は5/5とか手こずるサイズを処理し、終盤プレイヤーを焼き尽くす柔軟性は評価されるべきだ。破壊不能云々や追放効果も、劇的に評価を変えるものではないにせよついてて嬉しい効果だね。
《既決殺人犯/Convicted Killer》//《焼き印の咆哮者/Branded Howler》
リミテッド1.5点
両面合わせてまあまあくらいの狼男。3マナとしてみると表の2/2は凡庸で、裏面は4/4で平均以上、合わせると普通くらいかな。狼や狼男シナジーがあるなら入れて、そうでないなら要らない感じか。
《悪魔と踊る/Dance with Devils》
リミテッド3.0点
今回の小悪魔系カードはかなりいい感じだよね。死んだときに1点ダメージを飛ばす1/1が2体出ると、デカいクリーチャーでも撃ち落とせるし飛行に対処したりもしやすい。生贄供給源としても秀逸。その上インスタントだから、タフネス1を大量に巻き込んで1:多交換も狙える。これから毎日悪魔と踊ろう!
《悪魔の遊び場/Devils’ Playground》
リミテッド4.0点
踊りにちょっと追加マナを支払うだけで、2体もの小悪魔が追加とな!ソーサリーになったとはいえ、かなり強烈だ。6マナとして申し分なし、盤面を膠着させるのにうってつけだろう。
小悪魔を使うときの注意として、複数ブロックする場合は、計算通りにコトが運ぶかくれぐれも気をつけよう。たとえば相手が6/6で攻撃してきてたとして、小悪魔3体でブロックしたとする。一見、3体で3点ダメージを与えつつ、死亡時誘発の3点ダメージで6/6を討ち取れるように見える。だが落ち着いてもう一度見てほしい。相手がダメージ割り振りを最初の小悪魔2体のみに割り振って3体目を無視した場合、誘発が2体分しか起こらず倒すことができなくなるんだ。そんな状況にはならないよう、判断は冷静にね。
《内部衝突/Dissension in the Ranks》
リミテッド1.0点
これは意見が割れるところだと思うんだけど、どうもあまり強いカードには見えない。ご都合的な展開を考えたらそりゃ確かに強いんだけど、そういう状況がお目にかかれるかどうか。まず撃つためには相手が2体クリーチャーをブロックに回してくれなきゃいけないし、その2体がこれまた同士討ちにおあつらえ向きなパワーとタフネスでないと美味しくない。あと重たいという問題もあるけど、それはまあ攻撃時にマナを立てておくのは基本ってことで、そこまで怪しくは見えないはず。
というわけで、完全にご都合主義的なカードだと思う。確かにうまくはまれば、巨大クリーチャー2体を一気に葬ったりするのも夢じゃない。でも現実では、そもそも相手が思うようにブロックしてくれなくて唱えることすらできなかったり、2/2と4/4を対象にとって2/2だけ倒す程度に収まることが多いんじゃなかろうか。とどめにこちらのクリーチャーがブロックをされなくなるわけじゃないから、ダメージを通すことすらできない。デッキがクリーチャーばかりで呪文不足なら入れることもあるかもしれないし、やたら守りを固めてくるデッキ相手にサイドインすることはあるかもしれない。でもメインに入れたいカードではないと思う。
《両手撃ち/Dual Shot》
リミテッド1.5点
要は《火花魔道士の計略/Sparkmage’s Gambit》だよね。23枚目とかでデッキに入れる分には悪くなかったけど、いつでも入れたいようなカードというわけでもなかった。これも1:2交換を狙えるカードとはいえ、2/1とか見かけたら温存せず撃ってしまっていい。スピリット・トークンを2体やれるのはいい感じだから、サイドボードに1枚確保しておきたいね。
《燃えさし眼の狼/Ember-Eye Wolf》
リミテッド1.5点
2マナ1/2で、相討ちを取るためにマナが必要というのは微妙に思える。でも速攻がついてるから一考の余地はありそうだ。相手がブロッカーを残してないときに走って、さしずめ《火の玉/Fireball》みたいに爆発力を発揮できることがあるかもしれない。以前、似たカードが弱かったという理由で不当に点数が下げるのは良くない(《残忍な峰狼/Feral Ridgewolf》のことだね)。前のことは忘れて、偏見のない目で見てやりたいと思う。
《ファルケンラスの過食者/Falkenrath Gorger》
リミテッド3.0点
能力は勿論強力だし、1マナ2/1は立派な戦力。1-1初手で取れたら、吸血鬼やディスカード手段を腹いっぱい詰め込もう。こいつ自身の能力と相まって美しいテーマデッキが作れるはず。自前でマッドネスを持ってる吸血鬼も多いから少し損した気分になるかもしれないけど、そんな環境でも十分有能だよ。対して見かけたのがピック終盤だと、そこから合ったカードを集めるのは大変だから少し色褪せて見えるかな。
カードアドバンテージが稼げて、突然クリーチャーを出す奇襲性もあるトリックスター。しかも軽量で殴るのにも向いている。こいつが戦場にいて、相手が大量のマナを立ててるとき、殴りに行けるかい?俺はごめんだね。
《癇しゃく/Fiery Temper》
リミテッド3.5点
正統派な赤除去として見た場合、3マナ3点のインスタントは良好な部類だ。ダブルシンボルが少し厳しいけど、マッドネスすると《稲妻/Lightning Bolt》として使える利便性は、普通に唱えたときの色拘束を補って余りある。《稲妻の斧/Lightning Axe》で《癇しゃく/Fiery Temper》を捨てたりしたら、相手の盤面を壊滅状態に持って行けることだろう。環境に癇しゃくがあるというだけで、手札を捨てる手段と山が1つアンタップ状態なだけで、意味深に見えてくる。環境最良の除去の1つで、マッドネス手段が多ければ4.0点まで評価を上げていい(いかに元祖稲妻が強かったか、改めて再認識させられるね)。
コメント
まま、とりあえず無理をせずに(でも期待もしてます!
意識して駆け抜けてみようかと。
幸いなことに、翻訳自体は後半になればなるほど筆が走るので、後はリアルのスケジュールに負けないことと、ドラフトの楽しさに浸って更新を忘れないことが肝要ですかね!
コメント励みになります。