◆ 【翻訳】タルキール龍紀伝 リミテッドレビュー 青 (by LSV)
 
 Dragons of Tarkir Limited Set Review - Blue
 
 Luis Scott-Vargas, 2015年3月17日
 
 http://www.channelfireball.com/articles/dragons-of-tarkir-limited-set-review-blue/
 
 
 
《神出鬼没の呪拳士/Elusive Spellfist》
 リミテッド2.0点
 2マナ2/3ブロックされないというスペックなら恐るべきものがあると思わないか?デッキによっては決して誇張でなく近い性能を発揮することが可能だ。デッキを選ぶとはいえ、守勢に回れて6点以上のダメージを稼いでくれるなら、取って後悔することはまずないだろう。呪文だらけの世界に進出しようぜ。
《氷固め/Encase in Ice》
 リミテッド0.5点
 サイクルの例に漏れずサイドボード要員だが、実際にサイドインすることがあればその威力は折り紙付き。あまり入れたくないメイン用のカードを取るくらいならこちらを。
《きらめき/Glint》
 リミテッド2.0点
 タフネスが3上がって呪禁までつけば、大概のクリーチャーは救えるだろう。だから問題になるのは、これを採用してまで守りたいクリーチャーがいるかということになる。もしこれに枠を割いてまで守りたいクリーチャーがいるなら、コンバットトリックとしてはパッとしないものの、入れてみても悪くない。呪文多めのデッキで、鍵になる果敢クリーチャーが少数いるようなデッキでもいいかも。逆にクリーチャーはどれをとっても大差ない、金太郎飴的なビートダウンでは使いたくないカードだ。いずれにせよ、できることならコンバットトリックはパワーが上がるものを使いたいんだがね。
《グドゥルの闇潜み/Gudul Lurker》
 リミテッド3.0点
 変な話だが、素で唱えられない方が高性能だったんじゃないかと思うね。もちろん、1マナで唱えられた方がいいに決まってるんだが、1ターン目に1/1で出してしまうプレイヤーが多いんじゃないかと思ってさ。3マナとしてみると、ただの2/2として相討ちしてもいいし、青マナでブロック不能なアタッカーにしてもマナカーブを阻害しない。
《グルマグの溺れさせるもの/Gurmag Drowner》
 リミテッド2.5点
 全ての濫用カードにいえることだけど、基本的に評価するときはまず呪文として性能を考えたい。要するに濫用で自分を生贄に捧げた場合どうかってことだね。自身を生贄にした場合は大体あまり能率が良かったりはしないものだが、明確に評価の基準を作っておきたい。次に見るのはクリーチャーとしてのサイズで、単純にマナレシオが優れていればそこは評価するべき。効果かサイズのどちらかが良好なら、カードとしてもきっと強いと思う。でも大半はそうはっきり結論が出ないだろう。自分を生贄にしても、あるいはまったく濫用を無視してクリーチャーとして使っても微妙だったとしても、どう使うか選べて、また他のクリーチャーを生贄にする選択肢まであるなら、それはそれで中々だ。呪文として見るとちょっと重め、クリーチャーとして見ても重め、他のクリーチャーを生贄にすれば中々、という選択肢が合わさって、使い道のないカードというのは考えにくい。
 
 散々語ったところでグルマグの溺れさせるものだが、濫用の例に漏れず、パッとしないクリーチャーを生贄にできれば輝きそう。4マナの《禁忌の錬金術/Forbidden Alchemy》も、4マナ2/4も、一応デッキに入る程度の水準ではあるから、大抵のデッキで採用できるだろう。
《氷瀑の執政/Icefall Regent》
 リミテッド4.5点
 除去りにくく、相手のドラゴンを封じ込めてしまえるドラゴンはまさにレアの風格だ。FOILレアでこれ以上のものが出たりでもしない限り、流す理由はない(FOILレアが出たとしても、これ以上のものはそうそうないだろうけどね)。
《錯覚の利得/Illusory Gains》
 リミテッド3.5点
 分かったような分からないようなカード名だが、《精神の制御/Mind Control》をどのくらい弱体化できるか試してるのかな。俺の考えでは、こいつは強いけど《精神の制御/Mind Control》には遠く及ばない。最初ブロッカーをかどわかして殴るとして、そこからが面白い。対戦相手が手札に6マナクリーチャーしかいない場合、今ついているクリーチャーより強いのを出すと奪われるので、封じ込めるような働きをする。そういった状況なら、《精神の制御/Mind Control》に、牽制までついてくるような働きをするわけだ。対戦相手が泥除けになるどうでもいいクリーチャーを手札に温存していたとしても、奪ったクリーチャーで素直に相討ちしてやる必要はない。そのままこれのついたクリーチャーを居座らせて、嫌がらせしてやろう。これが盤面に残っている限り、相手は強いクリーチャーと弱いクリーチャーを交互に唱えることを強いられる。最低でも相手からすればやりづらいことこの上ないし、ケアしてプレイすることが不可能な場合もあるだろう。
 
 これを唱えたターンの盤面への影響と、その後対戦相手に動きを強いるところを足して考えると、結構なやり手なんじゃないかと思う。環境には濫用って書いてあるカードが結構あるから、さっさと餌にして1:2交換をとってもいい(デカいところを奪った直後に軽い濫用で生贄にしてしまうのもいいね)。
《過去に学ぶ/Learn from the Past》
 リミテッド1.0点
 過去に学んだことといえば、《頭蓋書庫/Cranial Archive》は大抵のデッキでカード未満だということかな。これもまた例外ではない。アドバンテージの極致なコントロールデッキを組んだけど勝ち手段がない、というなら血迷って入れてみてもいいが、まあやめとく方が無難だ。
《生ける伝承/Living Lore》
 リミテッド1.5点
 フレイバー5.0点
 大振りな呪文を唱えるまで唱えることすらかなわないクリーチャーとか、不安定も大概だが、4~5マナの呪文が大量に入っているデッキなら検討してもいいかもしれない。そんなデッキを組むことはそうないだろうし、もし作れたとしても、生ける伝承が必ずしも入るとは限らない。ところでこいつの能力は、相手にダメージを通さなくても使えることは覚えておいていいだろう。死なずに戦闘する必要はあるけれど、とにかく戦闘ダメージを与えさえすればいい。それにしても素晴らしいフレイバーだ。使うのは俺の義務な気がしてくるよ。
《嘲る映し身/Mirror Mockery》
 リミテッド2.5点
 まず、俺はこれを自分のクリーチャーにつけるカードとして見ていない。実際、滅多に自分のクリーチャーにつけることはないだろう。どちらかというとこれは、一風変わった《平和な心/Pacifism》だ。これをつけられたクリーチャーは、ブロックこそできるものの、滅多なことで攻撃してこれなくなる。たまに強烈な戦場に出たとき誘発する能力を持ってるクリーチャーがこちらにいて、2:1交換の危険を冒してでも使いたくなることがあるかもしれない。でも主な用途はコントロールデッキが守りに使うオーラだと思うね。
《僧院の伝承師/Monastery Loremaster》
 リミテッド3.0点
 大変異がついている上にカードを補充してくれるクリーチャーは、仮に表で唱える意味がほとんどなかったとしても、いつだって強い。これに限って表で出すのはあまりないことだとは思うけど、相手の場にタフネス3で絶対に止めなければいけないクリーチャーがいるときくらいだろうか。戻すカードがほんの一握りしか無いようなデッキでも、どのみち終盤向けのカードだし、ちょっと大きくなれる3マナクリーチャーだと思えば悪くない。
《神秘の瞑想/Mystic Meditation》
 リミテッド2.5点
 さしずめ血肉の渇望といったところだけど、青は明確に非クリーチャー呪文の色だから、多くの場合3枚引いて2枚捨てるカードということになるだろう。3ドロー2ディスカードのままでも悪くはないし、クリーチャーを捨てるのは2回に1回程度だったとしても、俺は喜んで使うよ。4マナで盤面に影響を与えないカードだから、どんなデッキでも使えるわけじゃない。何も考えずに入れられるカードではないね。
《否認/Negate》
 リミテッド2.0点
 リミテッドで使う《否認/Negate》はかなりお気に入りだ。優秀なサイドボード要員だし、メインに1枚入れても活躍することが多い。厄介な点として、環境によってはメインに入れてもうまく機能してくれないこともある。でも龍紀伝は、否認したくなるような重たい呪文やコンバットトリックで溢れてそうだから、大体メイン投入してしまって構わない気がする。反復に対する回答になるし、刺さるときは本当に刺さるカードだからね。シールドならいつでも、2枚までは入れるね。場合によっては3枚あってもいい。ドラフトでもサイドボード要員として、そこそこ優先して集めたい。
《オジュタイの介入者/Ojutai Interceptor》
 リミテッド3.5点
 4マナ3/1飛行の時点で十分な強さだし、3ターン目に変異で出して4/2にできるのは素晴らしい。どんなデッキでも入るし、あるだけ入れてしまって構わない。
《オジュタイの息吹/Ojutai’s Breath》
 リミテッド1.5点
 《悪寒/Crippling Chill》を更に前のめりにしたようなカード。必然的にビートダウンでは悪寒以上の働きをするし、序盤から殴らないデッキでは悪寒に見劣りするだろう。唯一のブロッカーを寝かされて、次のブロッカーも寝かされるのが分かっているというのは結構絶望だよ。悪寒と違ってドローはついてこないから、殴り続けるデッキでなければ微妙だ。アドバンテージを考えるようなデッキでは使わない事。《ナーガの意志/Will of the Naga》が大好きだったオーウェン(Owen Turtenwald)は、さぞかしこいつも気に入ることだろう。
《オジュタイの召喚/Ojutai’s Summons》
 リミテッド3.5点
 合計4点分のパワーとタフネスを空中に呼び出すのは、仮に片方がちょっと遅れてやってくるとしても十二分に5マナの価値がある。他の5マナ域同様、唱えるのには1ターンほぼ丸々使ってしまうし、他のカードで埋まってしまいやすい重さではある。でもこいつは2/3飛行には止められてしまうものの、除去耐性もある。環境が恐ろしく高速か、もしくは2/2というサイズにやたら厳しいのでない限り、まず早めに確保してしまっていいカードだろう。

コメント

監視者
2015年3月22日9:47

いつも翻訳ありがとうございます!
勝手ながら私のブログでもTakuさんの翻訳を紹介させていただきました。

ご迷惑でしたら削除しますのでおっしゃってください。

これからも宜しくお願いします!

Taku
2015年3月22日16:12

> 監視者さん

まさか悪いはずがない!
紹介ありがとうございます。

監視者さんがレビュー翻訳していたときに比べると、私の更新頻度はちょっと手緩いので歯がゆいかと思いますが、異なる記事を訳すことでリソース配分ができると、コミュニティにとってきっと大きなプラスになると思います。

こちらこそよろしく!
地道に走り抜けます。

監視者
2015年3月22日16:36

>Takuさん

ご快諾頂きありがとうございます!

確かにコミュニティに全体最適化されていると思います。

LSVの文章は、無駄にユーモアが効いていて訳しづらいかと思いますが、
どうぞご自分のペースで翻訳していただければ。

一読者として大変楽しく読ませて頂いております。
引き続き宜しくお願いします!!

Taku
2015年3月26日0:03

> 監視者さん

ウイルス性胃炎なんぞやらかしたせいでコメントが遅れましたが、さすが監視者さん効果。ご紹介いただいたページからのアクセスが捗るぜ!

構築レビューも並行してやりたいと思いつつ、いつも手詰まりになっていましたので、連携というよりは並走ですが、これだけでもかなりコミュニティへのプラスになると思います。

お互い頑張りましょう!

お気に入り日記の更新

お気に入り日記

登録したユーザー
384
登録されたユーザー
1001

この日記について

日記内を検索