【翻訳】タルキール覇王譚のシールドデッキ構築 後編
2014年10月31日 翻訳 コメント (4)◆ 【翻訳】タルキール覇王譚のシールドデッキ構築
Khans of Tarkir Sealed Deck
By Reid Duke 2014年10月26日
http://www.channelfireball.com/articles/khans-of-tarkir-sealed-deck/
マナ基盤を構築する
前にも述べた通り、基本土地はなるべく中核となる2色のものにしたい。タッチする色は、特殊地形や旗で補えるようにするべきだ。下にタッチの方針を書いてみたけど、中にはフランク・カースティン(Frank Karsten)の素晴らしい記事の中で書かれていることを繰り返したり、あるいは強調するにとどまっているものもあるけど、私の考えも入ってるよ。
Frank Analysis – A Pick Order List for Khans of Tarkir Draft
http://www.channelfireball.com/articles/frank-analysis-a-pick-order-list-for-khans-of-tarkir-draft/
上記の記事の拙訳 【翻訳】フランクに考えよう タルキール覇王譚、ピック順位表 前編・後編
http://misdirection.diarynote.jp/201410222226405300/
http://misdirection.diarynote.jp/201410232042096472/
・タッチとして一番気軽なのは、変異クリーチャー1体にタッチを留めることだ。それなら対応する色マナが引けなくても使えるので、大惨事にはならない。タッチカラーの出る色マナ供給源は2枚くらいあればいいだろう。
・終盤向けの呪文を1枚タッチするなら(《砂塵破/Duneblast》とか)、色供給源は3枚くらいあれば十分だ。
・タッチしたいカードが複数枚あったり、あるいは中盤くらいには使いたい呪文をタッチするなら(《弧状の稲妻/Arc Lightning》とか《包囲サイ/Siege Rhino》とか)、対応する色マナ源は4~5枚くらい欲しい。
・仮に低マナを白と黒に寄せるよう最善を尽くしたとして、緑をタッチするのはほぼ確定としよう。アブザンの3色カードや緑の変異を数枚入れるなら、緑マナ供給源は7枚欲しいところだが、欲を言えば森の枚数は2枚までにしたい。
・「メインカラーの供給源は8~10枚くらいを目安にしたい。2マナ域が複数枚あるなら9枚は欲しいところだし、ダブルシンボルのカードがあるなら10枚は入れたい。」これはフランクの記事のまま引用させてもらうよ。
ここで書いたのは、マナ基盤構築にあたって最低限の基準だ。言い換えれば、ここで書いたことに忠実に従えば、欲張ってもそこそこのところでブレーキがかかる。当たり前のことだけれど、欲張れば欲張るほど、苦境に立たされる確率も上がってしまう。
5色でデッキを組んで、各色の色供給源を最小限まで絞ったなら、普通にプレイするより5倍は不運に見舞われる確率があるということだ。そんなデッキで長いトーナメントを勝ち抜くのは、驚異的なまでの運が必要になるだろう。色を増やせば増やしただけ、マナ基盤に望む基準も厳しくなる。それにシールドだとプールによっては、そもそも5色が選択肢に入らないこともある。その場合は何かを切らなければならないだろう。
覚えておいて欲しいのだが、4色デッキと5色デッキでは天地の差がある。2色を中心としたデッキで、別の2色を少しだけ足すのと、ド4色のデッキを使うのは全く似て非なるものだ。デッキの強さをできるだけ落とさずに、マナ基盤は安定したものにしたい。
サンプルデッキ
これがグランプリロサンゼルス14の、スーパーサンデーシリーズのシールドで私が使って6-1-1-したデッキだ。
(引き分けはIDじゃない本当の引き分け。トップ4には入れなかった)
そう、5色デッキだ。白唯一のカードは《砂塵破/Duneblast》で、白マナ源は3枚とってある。赤いカード3枚を、赤マナ源4枚で運用している(このデッキで一番欲張ったのが、赤いカードの枚数だ)。青いカードは2枚、それに青の変異クリーチャーが4枚入ってて、青マナ源は6枚。島も1枚入れた。緑と黒がメインカラーで、それぞれ9・10枚の色マナ供給源を確保してある。
これは使っていて面白いデッキだった。最初に述べておかなければならないが、強力なレアと、量的に充実したマナ基盤のあるプールを引けて、かなり幸運に恵まれていたと言えるだろう。上でも言ったけれど、5色全てを使える可能性が皆無なプールもあるのだ。平均以上のマナ安定要素を手にして尚、私はちょっとばかり強欲に構築したといえる。自分は正しい判断をしたと信じているけどね。
下のような紆余曲折を経て、最終的な上の形に落ち着いた:
まず、プール中最も強いカードが青と緑に寄っている。《サグのやっかいもの/Sagu Mauler》、《氷羽のエイヴン/Icefeather Aven》、《龍爪のスーラク/Surrak Dragonclaw》といったカードだが、何が何でも《砂塵破/Duneblast》を使うと決めていたもので、デッキはスゥルタイのタッチ白赤の方向で考えた。軽いクリーチャーは序盤に唱えられるものでなくてはならないので、変異でない軽量クリーチャーと基本土地枠に緑と黒を採用することにした。《煙の語り部/Smoke Teller》や《高山の灰色熊/Alpine Grizzly》は、赤や白、青にすらもっと優秀な低マナ域があったものの、それらを押しのけての採用だ。戦旗はプールにたくさんあったが、悠長だしパッとしないカードだし、複数枚引きたくもなかったので1枚に留めた。それと、《軍族の解体者/Butcher of the Horde》は赤と白のタッチを最小限に留めたかったので、控えに下げておくことにした。少しでもプールが違っていたら(たとえば《龍爪のスーラク/Surrak Dragonclaw》がいないとか)、4枚の赤マナ源を5枚にするとかして使っていたと思う。
今回の記事が、タルキール覇王譚のシールドデッキ入門に少しでも役立ってくれたなら幸いだ。皆がこの環境を少しでも楽しんでくれたなら嬉しい。ちょうど私自身、タルキール覇王譚で熱い気持ちが呼び覚まされたみたいにね。PTQ,グランプリ、MOのデイリーイベントと、色々なところでタルキール覇王譚シールドをプレイすると思うけれど、読者の皆のシールドが上手くいくよう祈っているよ!
Khans of Tarkir Sealed Deck
By Reid Duke 2014年10月26日
http://www.channelfireball.com/articles/khans-of-tarkir-sealed-deck/
マナ基盤を構築する
前にも述べた通り、基本土地はなるべく中核となる2色のものにしたい。タッチする色は、特殊地形や旗で補えるようにするべきだ。下にタッチの方針を書いてみたけど、中にはフランク・カースティン(Frank Karsten)の素晴らしい記事の中で書かれていることを繰り返したり、あるいは強調するにとどまっているものもあるけど、私の考えも入ってるよ。
Frank Analysis – A Pick Order List for Khans of Tarkir Draft
http://www.channelfireball.com/articles/frank-analysis-a-pick-order-list-for-khans-of-tarkir-draft/
上記の記事の拙訳 【翻訳】フランクに考えよう タルキール覇王譚、ピック順位表 前編・後編
http://misdirection.diarynote.jp/201410222226405300/
http://misdirection.diarynote.jp/201410232042096472/
・タッチとして一番気軽なのは、変異クリーチャー1体にタッチを留めることだ。それなら対応する色マナが引けなくても使えるので、大惨事にはならない。タッチカラーの出る色マナ供給源は2枚くらいあればいいだろう。
・終盤向けの呪文を1枚タッチするなら(《砂塵破/Duneblast》とか)、色供給源は3枚くらいあれば十分だ。
・タッチしたいカードが複数枚あったり、あるいは中盤くらいには使いたい呪文をタッチするなら(《弧状の稲妻/Arc Lightning》とか《包囲サイ/Siege Rhino》とか)、対応する色マナ源は4~5枚くらい欲しい。
・仮に低マナを白と黒に寄せるよう最善を尽くしたとして、緑をタッチするのはほぼ確定としよう。アブザンの3色カードや緑の変異を数枚入れるなら、緑マナ供給源は7枚欲しいところだが、欲を言えば森の枚数は2枚までにしたい。
・「メインカラーの供給源は8~10枚くらいを目安にしたい。2マナ域が複数枚あるなら9枚は欲しいところだし、ダブルシンボルのカードがあるなら10枚は入れたい。」これはフランクの記事のまま引用させてもらうよ。
ここで書いたのは、マナ基盤構築にあたって最低限の基準だ。言い換えれば、ここで書いたことに忠実に従えば、欲張ってもそこそこのところでブレーキがかかる。当たり前のことだけれど、欲張れば欲張るほど、苦境に立たされる確率も上がってしまう。
5色でデッキを組んで、各色の色供給源を最小限まで絞ったなら、普通にプレイするより5倍は不運に見舞われる確率があるということだ。そんなデッキで長いトーナメントを勝ち抜くのは、驚異的なまでの運が必要になるだろう。色を増やせば増やしただけ、マナ基盤に望む基準も厳しくなる。それにシールドだとプールによっては、そもそも5色が選択肢に入らないこともある。その場合は何かを切らなければならないだろう。
覚えておいて欲しいのだが、4色デッキと5色デッキでは天地の差がある。2色を中心としたデッキで、別の2色を少しだけ足すのと、ド4色のデッキを使うのは全く似て非なるものだ。デッキの強さをできるだけ落とさずに、マナ基盤は安定したものにしたい。
サンプルデッキ
これがグランプリロサンゼルス14の、スーパーサンデーシリーズのシールドで私が使って6-1-1-したデッキだ。
(引き分けはIDじゃない本当の引き分け。トップ4には入れなかった)
サンプルデッキ
土地
4:《森/Forest》
4:《沼/Swamp》
1:《島/Island》
1:《開拓地の野営地/Frontier Bivouac》
1:《遊牧民の前哨地/Nomad Outpost》
1:《花咲く砂地/Blossoming Sands》
1:《磨かれたやせ地/Scoured Barrens》
1:《茨森の滝/Thornwood Falls》
1:《ジャングルのうろ穴/Jungle Hollow》
1:《急流の崖/Swiftwater Cliffs》
1:《陰鬱な僻地/Dismal Backwater》
1:《血溜まりの洞窟/Bloodfell Caves》
クリーチャー
1:《縁切られた先祖/Disowned Ancestor》
1:《高地の獲物/Highland Game》
2:《煙の語り部/Smoke Teller》
1:《高山の灰色熊/Alpine Grizzly》
1:《無情な切り裂き魔/Ruthless Ripper》
1:《氷羽のエイヴン/Icefeather Aven》
1:《不気味な腸卜師/Grim Haruspex》
1:《長毛ロクソドン/Woolly Loxodon》
1:《氷河の忍び寄り/Glacial Stalker》
1:《霧炎の織り手/Mistfire Weaver》
1:《サグのやっかいもの/Sagu Mauler》
1:《龍爪のスーラク/Surrak Dragonclaw》
1:《ケルゥの戦慄の大口/Kheru Dreadmaw》
2:《スゥルタイのゴミあさり/Sultai Scavenger》
非クリーチャー
1:《スゥルタイの戦旗/Sultai Banner》
1:《弧状の稲妻/Arc Lightning》
1:《焼き払い/Burn Away》
1:《苦々しい天啓/Bitter Revelation》
1:《宝船の巡航/Treasure Cruise》
1:《砂塵破/Duneblast》
そう、5色デッキだ。白唯一のカードは《砂塵破/Duneblast》で、白マナ源は3枚とってある。赤いカード3枚を、赤マナ源4枚で運用している(このデッキで一番欲張ったのが、赤いカードの枚数だ)。青いカードは2枚、それに青の変異クリーチャーが4枚入ってて、青マナ源は6枚。島も1枚入れた。緑と黒がメインカラーで、それぞれ9・10枚の色マナ供給源を確保してある。
これは使っていて面白いデッキだった。最初に述べておかなければならないが、強力なレアと、量的に充実したマナ基盤のあるプールを引けて、かなり幸運に恵まれていたと言えるだろう。上でも言ったけれど、5色全てを使える可能性が皆無なプールもあるのだ。平均以上のマナ安定要素を手にして尚、私はちょっとばかり強欲に構築したといえる。自分は正しい判断をしたと信じているけどね。
下のような紆余曲折を経て、最終的な上の形に落ち着いた:
まず、プール中最も強いカードが青と緑に寄っている。《サグのやっかいもの/Sagu Mauler》、《氷羽のエイヴン/Icefeather Aven》、《龍爪のスーラク/Surrak Dragonclaw》といったカードだが、何が何でも《砂塵破/Duneblast》を使うと決めていたもので、デッキはスゥルタイのタッチ白赤の方向で考えた。軽いクリーチャーは序盤に唱えられるものでなくてはならないので、変異でない軽量クリーチャーと基本土地枠に緑と黒を採用することにした。《煙の語り部/Smoke Teller》や《高山の灰色熊/Alpine Grizzly》は、赤や白、青にすらもっと優秀な低マナ域があったものの、それらを押しのけての採用だ。戦旗はプールにたくさんあったが、悠長だしパッとしないカードだし、複数枚引きたくもなかったので1枚に留めた。それと、《軍族の解体者/Butcher of the Horde》は赤と白のタッチを最小限に留めたかったので、控えに下げておくことにした。少しでもプールが違っていたら(たとえば《龍爪のスーラク/Surrak Dragonclaw》がいないとか)、4枚の赤マナ源を5枚にするとかして使っていたと思う。
今回の記事が、タルキール覇王譚のシールドデッキ入門に少しでも役立ってくれたなら幸いだ。皆がこの環境を少しでも楽しんでくれたなら嬉しい。ちょうど私自身、タルキール覇王譚で熱い気持ちが呼び覚まされたみたいにね。PTQ,グランプリ、MOのデイリーイベントと、色々なところでタルキール覇王譚シールドをプレイすると思うけれど、読者の皆のシールドが上手くいくよう祈っているよ!
コメント
これまで感覚でやっていたことを合理的な言葉で、
最強のプレイヤーの一人が語ってくれるなんて…
翻訳ありがとうございます
これと同じことを実践していた人はいても、言語化するのは全く別物ですね。
Dukeのリミテッド方針を見るにつけ、テンポや既存戦略に必要以上にとらわれず、自由な発想をもって臨んでいるのにとても好感が持てます。
プレイヤーとしては新世代に属すると思いますが、真摯で紳士!
今まさに自分が知りたいことが書いてありました。
翻訳ありがとうございます!
返信が随分遅れてしまい、申し訳ない!
お褒めに預かりありがとうございます。
今後も有意義な記事を翻訳していきたいですね~。