基本セット2015ドラフトについて思うこと20
 
 記事の〆として、環境について思うことをつらつらと書いていくよ。
 
 1.基本セット2015のドラフトでは、タフネス1のクリーチャーは少々弱めだ。《夜の子/Child of Night》、《オレスコスの速爪/Oreskos Swiftclaw》といったカードは、《サテュロスの道探し/Satyr Wayfinder》、《炉の小悪魔/Forge Devil》、《急報/Raise the Alarm》、《珊瑚の障壁/Coral Barrier》、《爛れ暗がり/Festergloom》、《黒猫/Black Cat》といった面々に対して非常に苦しい。特に速爪は、元いたテーロスブロックドラフトから評価がかなり下がっているけれど、これはタフネス1なだけでなく、白により使いやすく競合する2マナクリーチャーが多いため。
 
 2.重たい召集呪文をいくつもデッキに入れるなら、弱いクリーチャーでも入れる価値が出てくる。《包囲ワーム/Siege Wurm》が複数枚あるなら、《鋳造所通りの住人/Foundry Street Denizen》や《魂癒し人/Soulmender》を入れて何の問題もない。
 
 3.アドバンテージよりはテンポ中心に動く環境なので、後手より先手を取った方がいい。60ゲームばかり、先手と後手のどちらが勝つか記録を取ってみたところ、先手34勝:後手26勝で先手が有利という結果だった。
 
 4.プロツアーに向けての練習で、8人ドラフト卓をやったんだが、ピックが終わったら4人ずつチームになるようにした。チームに分かれるってのは結構いい感じで、チームメイトのデッキ構築を手伝えるし、一没したら応援する楽しみもあるしね。ただ、チームを作るのはピックが終わってからだ。普通より酷いカットが横行したりしないようにね。リミテッドを練習するならお勧めしたい。
 
 5.リミテッドの新環境を手探りで遊んでいるときは、ちょいと実験・冒険してみるといいと思う。迷ったらコモンよりはレアを取ろう。レアを使ってみられる機会は少ないからね。
 
 6.《落とし子の守り手/Brood Keeper》はまあまあ強いながら、大半の赤いデッキにとって目を見張るようなカードではない。ただし《業火の拳/Inferno Fist》が2枚取れたなら、強さが劇的に変わってくる。《名誉の印/Marked by Honor》、《神聖なる好意/Divine Favor》、《ヘリオッドの巡礼者/Heliod’s Pilgrim》などとの噛み合いも良いの、白をやっているなら高目に見ていいだろう。
 
 7.《彼方の管理人/Warden of the Beyond》は、戦闘中《光の柱/Pillar of Light》を当ててやることでインスタントタイミングで強くなれる。実戦で決められるとかなり強烈だが、《光の柱/Pillar of Light》自体、メインデッキに搭載するには対象の範囲が狭すぎるというのが私の考えだ。確かに、魂サイクルのような神話レアに対する回答としては優秀だが、コモンで倒せるクリーチャーがあまりに少なすぎる。《突進するサイ/Charging Rhino》、《氷河の壊し屋/Glacial Crasher》、《腐敗喰いの蛆/Rotfeaster Maggot》、《包囲ワーム/Siege Wurm》、《心鍛のゴーレム/Will-Forged Golem》とか、そんな程度だ。とはいえ、《剛力化/Titanic Growth》と一緒に使うとか、あるいは相手が剛力化を使ってきたときに合わせられるのはいいね。
 
 8.割と忘れられてると思うのが、《加護織りの巨人/Boonweaver Giant》は墓地からエンチャントを拾ってこれる。《サテュロスの道探し/Satyr Wayfinder》で《光波の護法印/Spectra Ward》が落ちても、絶望するにはまだ早いよ。《光波の護法印/Spectra Ward》といえば、この手の強力なエンチャントがあるなら、《ヘリオッドの巡礼者/Heliod’s Pilgrim》はかなり早めに取りたいカードに化けるね。
 
 9.相手が1ターン目、平地から《無私の聖戦士/Selfless Cathar》と動いてきたとしよう。続いて2ターン目、相手は平地を置いて攻撃してきた。そこで《炉の小悪魔/Forge Devil》を引いた場合、手なりでプレイすると裏目になる可能性があるのに注意しよう。ここで炉の小悪魔を唱えて、相手が聖戦士を生贄に捧げると、炉の小悪魔は自分を焼かないといけなくなってしまう。そんな場面に出くわしたら、相手がフルタップするまで待とう。
 
 10.赤緑で終盤アドバンテージを稼ぐ手段が欲しければ、《かき回すゴブリン/Rummaging Goblin》と《蔦織り/Vineweft》の2枚コンボを狙ってみよう。ゆっくりだし微妙だし、蔦織りのような弱いカードを入れるには他の理由が欲しいところ(《落とし子の守り手/Brood Keeper》や《サテュロスの道探し/Satyr Wayfinder》あたりがパッと思いつくところか)。でも、アドバンテージ源にはなってくれるはずだ。
 
 11.《下生えのゴミあさり/Undergrowth Scavenger》はどんなデッキでも強いわけじゃないが、実力を過小評価されているカードかもしれない。《かき回すゴブリン/Rummaging Goblin》、《サテュロスの道探し/Satyr Wayfinder》、《屍術士の助手/Necromancer’s Assistant》、それに相討ち狙いの接死クリーチャーとかを詰め込んだ、使うべきデッキで使えば、4マナ8/8くらいにはすぐなってくれるだろう。
 
 12.メインデッキには入れたくなくても、サイドボードに置いておきたいカードはいくつかある。《生命の遺産/Life’s Legacy》は《硬化/Encrust》に対する素晴らしい回答になってくれる。《暴君の機械/Tyrant’s Machine》は、《光波の護法印/Spectra Ward》に対する美しい回答だ。《脱走魔術師/Fugitive Wizard》は、超前のめりなデッキの、タフネス1を止めるのに役立つし、《打ち寄せる水/Hydrosurge》は《民衆の好意/Crowd’s Favor》を台無しにするのにうってつけだ。
 
 13.《スズメバチの巣/Hornet Nest》が見えたら、《巨大戦車/Juggernaut》はデッキに入れるなよ。いいか、絶対だぞ!!リスクに見合わないからね。
 
 14.《アジャニの群れ仲間/Ajani’s Pridemate》は、工夫が必要なものの、うまくいけば単体でゲームを支配するカードだ。《光輝の泉/Radiant Fountain》、《神聖なる好意/Divine Favor》、《魂癒し人/Soulmender》とかがあるけど、中でも《天麗のペガサス/Sungrace Pegasus》がイチオシだ。泉と好意は、《侵入する生物種/Invasive Species》とも好相性なので覚えておこう。
 
 15.《青銅の黒貂/Bronze Sable》は見た目よりずっと強い。《クレンコの処罰者/Krenko’s Enforcer》と《呪われたスピリット/Accursed Spirit》をブロックできるし、《飛空士の修繕屋/Aeronaut Tinkerer》と《屑鉄場の雑種犬/Scrapyard Mongrel》を強化してくれる。《ファイレクシアの破棄者/Phyrexian Revoker》はそんな黒貂の上位互換なわけだから、ほぼ確実にデッキに入るね。事前情報が全く無いとして、相手が赤なら《業火の拳/Inferno Fist》、緑なら《エルフの神秘家/Elvish Mystic》、白なら《無私の聖戦士/Selfless Cathar》、青なら《アンフィンの抜け道魔道士/Amphin Pathmage》、黒なら《ゾフの影/Zof Shade》を指定するのがいいだろうか。
 
 16.《不屈の河川司令官/Dauntless River Marshal》のために、何も考えず島を置くのは危険。環境には島渡りを持っているクリーチャーがいるのをお忘れなく(《珊瑚の障壁/Coral Barrier》から出てくるイカ・トークンとかだ)。
 
 17.ちょっとした裏技として、《発生器の召使い/Generator Servant》から出たマナは、2体のクリーチャーに分けて使うことができる。勿論、両方とも速攻がつくよ。
 
 18.《変身術士の戯れ/Polymorphist’s Jest》や《蛙変化/Turn to Frog》は、《爛れ暗がり/Festergloom》や《炉の小悪魔/Forge Devil》と組み合わせることで、戦闘外でもクリーチャーをしとめられることを覚えておこう。相手が《テーロスの魂/Soul of Theros》を中々戦闘に送り出してこないときとか、一考の価値がある。戯れと爛れ暗がりを組み合わせたら、相手は死ぬ。後、自分を対象にして《垂直落下/Plummet》をかわしたり、《刺し傷/Stab Wound》を落とすこともできる。
 
 19.《スリヴァーの巣/Sliver Hive》と《束縛スリヴァー/Constricting Sliver》が揃うと、終盤手を付けられなくなる。出てくるトークンは無色だから、《光波の護法印/Spectra Ward》すら対処が可能だ。
 
 20.《スズメバチの巣/Hornet Nest》は、自分でつついたっていい。《熱光線/Heat Ray》を全力で撃ちこんで、相手の顔を歪ませよう!

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