◆ 【翻訳】ドラゴンの迷路・レビュー 青・ディミーア・イゼット (by LSV)
 
 Dragon’s Maze Set Review - Blue, Dimir, and Izzet
 
 Luis Scott-Vargas, 2013年4月29日
 
 http://www.channelfireball.com/articles/dragons-maze-set-review-blue-dimir-and-izzet/
 
 ディミーア
《強行+突入/Breaking+Entering》
 構築2.5点
 《不可思の一瞥/Glimpse the Unthinkable》になるだけでなく、速攻付きリアニメイトは気軽に見なかったことにできるものじゃない。最近はそこかしこに凄まじいクリーチャーが溢れてるんだから、速攻がついたら《グリセルブランド/Griselbrand》とかぶっ飛んだことになるよね。普通、グリセルブランドは《静穏の天使/Angel of Serenity》や《孔蹄のビヒモス/Craterhoof Behemoth》みたいに即盤面に影響しないから優先して使われてないけれど、即殴りに行けるようになったら面白いね。強行も突入が、墓地肥やしでありつつ釣り竿でもあるというのはとても強力で、それこそがこのカードのミソだ。それに融合カードのカード名って結構面白いね。見方を変えてみると本当、色々解釈できるよな。色々。
 
 リミテッド3.0点
 このカードの大きな利点の一つに、どちらの墓地からでもクリーチャーを釣れるってのがある。リアニメイト呪文を使う大きなリスクの一つに、釣る魚がいないことがあるけれど、自分以外の墓地も参照すればそんなことは少なくなるよね。
《遠隔+不在/Far+Away》
 構築3.0点
 駄洒落を言うにはうってつけの奴が来たな。このカードは凄いぜ。なにせ2つの強力かつ相乗効果に溢れた効果をもたらしてくれる。《送還/Unsummon》を撃てるオプションがついてくるなら、《肉貪り/Devour Flesh》にもう1マナくらい喜んで支払っちゃうぜ。特に両方合わせて唱えたときのマナコストがこれほど安く済むときたら言うことなし。除去をこれだけにすると3マナが苦しいと思うんだが、青黒なら2枚くらい挿して強く使えると思うよ。
 
 リミテッド3.5点
 布告系除去は昔から、構築と比べリミテッドでは強くなかったけれど、それは盤面がどうでもいいものですぐにごちゃごちゃしてくるのが原因だった。そこに《送還/Unsummon》が加わったことで、驚異的な強カードになっている。相手の生物を2体排除してもいいし、除去に対応して自分のクリーチャーを回収しつつ、相手のカード1枚をただ同然でもぎ取って行ったりしてもいい。黒だけで使っても、凄くはないが及第点ではあるしね。
《夜帷の憑依者/Haunter of Nightveil》
 構築1.0点
 相手のクリーチャーの力が抜けるって?どうやらこいつ自身、元々パワーが下がった状態で印刷されたようだな。
 
 リミテッド3.5点
 こんなのに付き纏われたらたまったものじゃない。どれくらい強いかよく分かると思う。こいつ自身がまずまずの強さを誇る上に、相手全軍からたとえ1でも力を削げるのはとてつもない強さだ。《雷鳴の杖/Thunderstaff》はミラディンでいつも過小評価されてたけど、こいつは杖よりも相当できるよ。
《精神を飲む者、ミルコ・ヴォスク/Mirko Vosk, Mind Drinker》
 構築1.0点
 ディミーアにだって素敵なチャンピオンがたまには参入していいと思うんだが、まあ霊異種に代走してもらおうか。ミルコ・ヴォスクは格好いいが、相手を倒すまでに何回攻撃を通さなきゃいけないんだよってね。構築の5マナで使うには戦力外だね。
 
 リミテッド4.0点
 クリーチャー同士の戦闘では2/4で、2,3発殴れば相手が死ぬ。クロックの速さとしては爆速だから、分かりにくいけど脅威的だ。ブロックして倒すのも難しいね。
《概念泥棒/Notion Thief》
 構築3.0点
 極めて強力なカードパワーを持つが、その用途は狭い。強いときはとにかく馬鹿げた強さを発揮する。カードアドバンテージの極致だろう。《Ancestral Recall》に対応するなら、《誤った指図/Misdirection》より断然こちらだ。そして空前絶後のカードにもなるだろう。さらに《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》を蹂躙することすら可能だ。考えてもみろよ、ジェイスで+0してこいつが出てきたら、カードが引けないどころか2枚トップに戻さないといけないし、返しで殴られてジェイスが落ちるんだぜ。しかもこっちには3ドローが入る。
 
 もちろん、それはレガシーやヴィンテージでの話になる分、ちょいと高望みな筋書きだが、あり得る話だから面白い。青黒緑で《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》を使うデッキなら使えるんじゃないかと思ってるよ。下の環境で今話したことが起きるくらい、強烈に刺さるカードなんだからね。
 
 スタンダードでは、相手に青黒(2)の4マナが立ってたら、《スフィンクスの啓示/Sphinx’s Revelation》をどう撃ったものかもう分からないね。いつでも《概念泥棒/Notion Thief》の恐怖に怯えながら啓示のマナを倒さなきゃならないようだ。しかもたまに本当に悪夢が本当に起きるわけだからな。3/1瞬速だから、サイドボード要員以上の存在にすらなるかもしれない。とはいえ、どのような立ち位置になるかはまだ分からないだろう。ドローやプレインズウォーカーに対しては強烈だが、クリーチャーと戦うことになったらそうでもないからね。こいつが環境にあるというだけでゲーム展開がかなり変わる。環境で定番の一枚にはならなかったとしてもね。
 
 リミテッド3.0点
 使わないことがあるとは思えないが。ドローのためではないよ。相手の追加ドローを奪えたら最高だが、3/1瞬速として使ったって十分さ。
《盗まれた計画/Pilfered Plans》
 構築2.0点
 俺くらい《予言/Divination》を使い倒したプレイヤーはいないさ(とはいえ、パトリック・チャピン(Patrick Chapin)が前のプロツアーで、正真正銘本物の《予言/Divination》を使ってたことに触れなくてはなるまい)。それにこれは予言よりだいぶ強い。自分の墓地を肥やせれば、カードを引けたり、《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》でフラッシュバックする対象もできるからね。使う原動力になるんじゃないかな。ドローやサイクリング枠を巡っては、《ボーラスの占い師/Augur of Bolas》、《熟慮/Think Twice》、《思考掃き/Thought Scour》、《アゾリウスの魔除け/Azorius Charm》と、最近かなり競争が激しいから、数多く目にするとは思わない。《入念な考慮/Careful Consideration》には劣るしな。
 
 リミテッド3.0点
 予言とって気に入らなかったことなんてないから、ついつい見たら片端から取ってしまうかも。ライブラリーを落とすのは相手側だと思うけど、活用がどちらかのデッキに入ってたら変わってくるだろう。
《知力の刈り取り/Reap Intellect》
 構築2.0点
 ロボトミー手術でも受けない限り、こういうカードの素晴らしさには目覚められなさそう。少なくともこいつは刈り取りって言うくらいあってアドバンテージが稼げるけど、重くてあまり全力で撃つのは難しそうだ。《スフィンクスの啓示/Sphinx’s Revelation》ミラーならもっといい選択肢が既にあるし、こいつもまた、終盤用に考慮するカードが1枚増えたかなってくらいか。6とか7マナで撃てれば勿論超強力だと思うけど、「もし」って但し書きが必要だ。
 
 リミテッド1.0点
 なるほどつまり《精神歪曲/Mind Warp》だな(聞いたこともない人のためにリンクを貼っとこう)。
 http://store.channelfireball.com/products/search?query=Mind+Warp
 闇雲に入れても遅すぎる頃にしか撃てないカードだが、マッチアップによっては入れられるくらい遅いこともあるだろう。
《歪んだ体形/Warped Physique》
 構築2.5点
 除去祭りだね。序盤の働きは素晴らしいし、後半になってもタフ2,3のクリーチャーを安定して処理できるだろう。これぞまさにエスパーコントロールが求めていた除去。早速2枚くらい試してみたくてうずうずしてるよ。ただメタゲームを歪めるほど強くはないと思う。戦闘中にこれを使って、《ゴーア族の暴行者/Ghor-Clan Rampager》で返されたら多分死ぬからね。
 
 リミテッド3.5点
 誰が見ても輝かしい除去だ。だから早めに取られるだろう。除去はインスタント速度なのがいつでも望ましいし、これで落とせない奴の方が珍しいくらいだ。土地を手札に貯めておく理由になるのがうっとうしいが、デッキに入っているときは心に留めながらプレイしよう。
《植林地を這うもの/Woodlot Crawler》
 構築2.0点
 構築のサイドボード要員として居場所があるかもね。《火打ち蹄の猪/Flinthoof Boar》、《炎樹族の使者/Burning-Tree Emissary》、《ロクソドンの強打者/Loxodon Smiter》、《高原の狩りの達人/Huntmaster of the Fells》、《スラーグ牙/Thragtusk》、《孔蹄のビヒモス/Craterhoof Behemoth》と、かなりのクリーチャーを止められる上に、攻勢に回ればブロックされない。一考に値するくらいの強さがあるから、こいつを唱えられてかつ前のめりなデッキがあれば、とても強いかもしれない。
 
 リミテッド3.5点
 リミテッドでかなり気に入った。2マナ2/1であり、ときたま相手クリーチャーを盛り下げたりブロックされなかったりする。以前も言ったけど、普通のセットと違って多色のセットでは、プロテクションが普段より強い。そういうことなのさ。

コメント

じゃこ
2013年5月11日23:52

お疲れ様です
DGMのディミーアは楽しそうなカードが多いですね
このページにあるカードは9割がた好みですよ
惜しむらくは《刈り取り》のコストをもう少し刈り取って欲しかったくらいで

D
2013年5月12日7:26

《精神を飲む者、ミルコ・ヴォスク/Mirko Vosk, Mind Drinker》
難しね。→難しいね?

Taku
2013年5月12日22:49

> じゃこさん

実際楽しいと思います!
刈り取りの残念っぷりはヤバいですが。一体どんな環境に活路を見出せというのか……
とはいえ、神話レアは実用的でなくてもスゴいカードを収録するというのが元々のコンセプトなわけですし、これはこれでいいかな。

> Dさん

ですねサンクス。

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