新たなるファイレクシア入門1(中篇)
2011年4月13日 翻訳 コメント (2) 「磁器」派:理想的形態を追及する宗派
生粋のファイレクシア人の多く、中でも磁器派に属する者の肉体は、固くて白い骨のような、見た目は磁器のような金属で覆われている。
この身体を覆う物質は容易には曲がらず鉄のように固いが、ファイレクシアの軍勢の外見はあたかも壊れやすい磁器でできているかのような印象すら受ける。
身体を守る磁器の下には、骨、金属でできている内骨格、むき出しの腱が肉体としてあるが、目や聴器のような感覚器すらもその下に位置することがある。
この磁器が有機的に発達するのは、ファイレクシア人でも核において生まれたものだけである。
「完全となったファイレクシア人」、つまり以前ミラディン人だった者には、培養槽で作られた磁器が身体に移植されることとなる。
この磁器のような金属は瀕死もしくは死んだ直後の肉体に最も馴染み、樹を苔が覆うがごとく豊かな細胞の上に広がる。
ファイレクシアが戦って得られた細胞で余ったものはしばしば、この白く固い磁器を培養槽で増やすために使われるという。
破壊的な理想の追求
「一つの肉」派は勢力を増しているとはいえ、ほとんどの正統機械教を信じるファイレクシア人は事実上個人で動いている。
しかしながら、磁器派のような他の宗派の教義にもやはり同じ特徴がみられるといっていいだろう。
磁器派の教義が理想とする肉体の形、ファイレクシアの「理想化」はひどく残酷なものだ。
磁器派のファイレクシア人にとって、理想とされる形はファイレクシアの階層に尽くし、仕えるものである。
共同体が生体組織だとすれば、あらゆる部位は組織が生き延びることに貢献するよう設計され、作成されなくてはならないのだ。
しかしながらファイレクシアの力と素材となっているものの多くは、征服した種族や生物によってもたらされている。
従って新たにファイレクシアの一部とされた者は、理想的な形に完成する前に、まず古い姿から「解放」されなくてはならないのである。
ファイレクシア人化のプロセス
例として捕虜となったレオニンの兵士をみてみよう。
レオニンはまず磁器でできた人形のようにバラバラに解体され、展開された後に金属製の腱によって繋がれる。
この処置は次のようなことを目的として行われる。筋肉の強化、消化機能の変更、そして精神を洗浄して新たな目的を受け入れるべく再適応させるためである。
ファイレクシアにとって用のない部位もあるため、そういった部分は他の場所で使用される。
機能を強化するために、他の「新人」から取った部位を取り付けることもある。たとえば腕を余分につけたり、歯を足してみたりするが、中でもやはり特筆すべきは「磁器」のような鎧、白く、固く、骨のような金属製の鎧が埋め込まれることだろう。
そして変換の最終段階として、ファイレクシアの油が身体に注ぎ込まれる。
油は魔術的に生体組織内に広がり見えないレベルで変化を及ぼす。こうすることでファイレクシア人化は完了し、理想の形態を目指す旅が始まるのである。
カーンの使徒派:創造主の運命
正統機械教の中にはカーンの使徒派と呼ばれる、ファイレクシアの中心的指導者の復活を祀る宗派が存在する。
ミラディンで発生したファイレクシア文明は、かつてヨーグモスによって率いられたものとは異なるが、中心的指導者が存在しないことは本能的に感じ取られていた。
この宗派のファイレクシア人は、現在のファイレクシアは頭のない身体、王のいない王国のようなものであり、ゆえに強大な力をもつ銀のゴーレム・カーンを指導者として迎え入れたと信じている。
現在カーンは不安定な精神状態におかれ、ファイレクシアに対して真の命令を発することができないが、使徒たちはカーンが玉座から降りてくる日に備えて準備するのだと説かれる。
壊れた心の囁き
カーンが次元ドミナリアのためにプレインズウォーカーの火花を使用したと同時に、カーンの身体はミラディン、かつて彼がアージェンタムとして作った金属世界に投げ出されていた。
ザンチャのファイレクシア人格マトリックスと共にミラディン世界に取り残されていたため、カーンの心は壊れ、ファイレクシアが彼の中で膿み、育つこととなってしまった。
ミラディンの核の奥深くで、銀のゴーレムの中にぎらついていた油の残滓はファイレクシア文明再誕の種となり、カーン自身は広がりゆくファイレクシアの中に囚われたままとなってしまった。
今日では、カーンの使徒派や他のファイレクシア人は心の壊れたカーンの身の回りの世話をし、特別にあつらえた玉座にその身を押し込み、口から漏れる支離滅裂な内容を聖典として書き写している。
カーンはときに完全なるファイレクシアの指導者となることがあり、そんな時彼はミラディンの生命を痕跡も残さず破壊せよとの命令を発する。このとき使徒たちは彼の言動を記録し、福音としてその言葉を熱意とともに語った。
しかしまたカーンは意識清明になることがあり、そのようなとき彼はファイレクシアの堕落に抗おうとする。
そういった際、使徒たちは囚人に対する看守として働き、彼の逃亡を妨げ、心を再び傷つけて服従させるのである。
ファイレクシア陣営の使節
カーンの使徒派は、カーンがファイレクシアの指導者として立ち上がった際には、ファイレクシアは彼の指導のもとで動けるようになっていなければならないと思っている。
カーンの使徒派は宗派ごとの不和によってファイレクシアが分かれてしまっていることを嘆き、他の宗派と交渉すべく使節を送っている。
生粋のファイレクシア人の多く、中でも磁器派に属する者の肉体は、固くて白い骨のような、見た目は磁器のような金属で覆われている。
この身体を覆う物質は容易には曲がらず鉄のように固いが、ファイレクシアの軍勢の外見はあたかも壊れやすい磁器でできているかのような印象すら受ける。
身体を守る磁器の下には、骨、金属でできている内骨格、むき出しの腱が肉体としてあるが、目や聴器のような感覚器すらもその下に位置することがある。
この磁器が有機的に発達するのは、ファイレクシア人でも核において生まれたものだけである。
「完全となったファイレクシア人」、つまり以前ミラディン人だった者には、培養槽で作られた磁器が身体に移植されることとなる。
この磁器のような金属は瀕死もしくは死んだ直後の肉体に最も馴染み、樹を苔が覆うがごとく豊かな細胞の上に広がる。
ファイレクシアが戦って得られた細胞で余ったものはしばしば、この白く固い磁器を培養槽で増やすために使われるという。
破壊的な理想の追求
「一つの肉」派は勢力を増しているとはいえ、ほとんどの正統機械教を信じるファイレクシア人は事実上個人で動いている。
しかしながら、磁器派のような他の宗派の教義にもやはり同じ特徴がみられるといっていいだろう。
磁器派の教義が理想とする肉体の形、ファイレクシアの「理想化」はひどく残酷なものだ。
磁器派のファイレクシア人にとって、理想とされる形はファイレクシアの階層に尽くし、仕えるものである。
共同体が生体組織だとすれば、あらゆる部位は組織が生き延びることに貢献するよう設計され、作成されなくてはならないのだ。
しかしながらファイレクシアの力と素材となっているものの多くは、征服した種族や生物によってもたらされている。
従って新たにファイレクシアの一部とされた者は、理想的な形に完成する前に、まず古い姿から「解放」されなくてはならないのである。
ファイレクシア人化のプロセス
例として捕虜となったレオニンの兵士をみてみよう。
レオニンはまず磁器でできた人形のようにバラバラに解体され、展開された後に金属製の腱によって繋がれる。
この処置は次のようなことを目的として行われる。筋肉の強化、消化機能の変更、そして精神を洗浄して新たな目的を受け入れるべく再適応させるためである。
ファイレクシアにとって用のない部位もあるため、そういった部分は他の場所で使用される。
機能を強化するために、他の「新人」から取った部位を取り付けることもある。たとえば腕を余分につけたり、歯を足してみたりするが、中でもやはり特筆すべきは「磁器」のような鎧、白く、固く、骨のような金属製の鎧が埋め込まれることだろう。
そして変換の最終段階として、ファイレクシアの油が身体に注ぎ込まれる。
油は魔術的に生体組織内に広がり見えないレベルで変化を及ぼす。こうすることでファイレクシア人化は完了し、理想の形態を目指す旅が始まるのである。
お前がどんなに恐ろしいものを見てきたかなんて知ったことじゃない。
お前がどれだけ長く旅してきたかもどうでもいい。
生きてりゃもっと悪いことが待ってるもんだ。
悪いがこいつは間違いない真理だね。
今日最悪だって思ったことが、明日じゃ最高だったと思えるぜ。
- ミラディン人のレジスタンス、ファルン
カーンの使徒派:創造主の運命
正統機械教の中にはカーンの使徒派と呼ばれる、ファイレクシアの中心的指導者の復活を祀る宗派が存在する。
ミラディンで発生したファイレクシア文明は、かつてヨーグモスによって率いられたものとは異なるが、中心的指導者が存在しないことは本能的に感じ取られていた。
この宗派のファイレクシア人は、現在のファイレクシアは頭のない身体、王のいない王国のようなものであり、ゆえに強大な力をもつ銀のゴーレム・カーンを指導者として迎え入れたと信じている。
現在カーンは不安定な精神状態におかれ、ファイレクシアに対して真の命令を発することができないが、使徒たちはカーンが玉座から降りてくる日に備えて準備するのだと説かれる。
壊れた心の囁き
カーンが次元ドミナリアのためにプレインズウォーカーの火花を使用したと同時に、カーンの身体はミラディン、かつて彼がアージェンタムとして作った金属世界に投げ出されていた。
ザンチャのファイレクシア人格マトリックスと共にミラディン世界に取り残されていたため、カーンの心は壊れ、ファイレクシアが彼の中で膿み、育つこととなってしまった。
ミラディンの核の奥深くで、銀のゴーレムの中にぎらついていた油の残滓はファイレクシア文明再誕の種となり、カーン自身は広がりゆくファイレクシアの中に囚われたままとなってしまった。
今日では、カーンの使徒派や他のファイレクシア人は心の壊れたカーンの身の回りの世話をし、特別にあつらえた玉座にその身を押し込み、口から漏れる支離滅裂な内容を聖典として書き写している。
カーンはときに完全なるファイレクシアの指導者となることがあり、そんな時彼はミラディンの生命を痕跡も残さず破壊せよとの命令を発する。このとき使徒たちは彼の言動を記録し、福音としてその言葉を熱意とともに語った。
しかしまたカーンは意識清明になることがあり、そのようなとき彼はファイレクシアの堕落に抗おうとする。
そういった際、使徒たちは囚人に対する看守として働き、彼の逃亡を妨げ、心を再び傷つけて服従させるのである。
ファイレクシア陣営の使節
カーンの使徒派は、カーンがファイレクシアの指導者として立ち上がった際には、ファイレクシアは彼の指導のもとで動けるようになっていなければならないと思っている。
カーンの使徒派は宗派ごとの不和によってファイレクシアが分かれてしまっていることを嘆き、他の宗派と交渉すべく使節を送っている。
真実が知らしめられたとき、大いなる調和が世界に訪れる。
天の太陽、そして台地が輝く塔をなし、機械の父はその頂点に君臨する。
賛美せよ。法務官の言を。油に浴した正統信仰を。機械の父の逃れ得ぬ運命を。
- 審問官総督、クタット・ラール
コメント
そんな腰痛で大丈夫か?